
23日本格復旧 新本管600ミリ/八戸圏域断水(2009/01/10)
写真・導入管の漏水事故現場を視察する厚生労働省の職員2人(左から2人目と3人目)
=9日午後1時55分頃、八戸市坂牛徳良窪
八戸地域七市町で一日に発生した大規模断水事故で、八戸圏域水道企業団(企業長・小林眞八戸市長)は九日、新たに設置する本管を口径六〇〇ミリとし、十五日から埋設工事に入ることを明らかにした。工事は二十三日ごろに完了する見通し。白山浄水場に水を安定的に供給できることを確認した上で、本格復旧としたい考え。一方、八戸市の一部で続いている減圧給水(午前十時―午後四時)については、本格復旧まで継続する。
九日昼の会見で、大久保勉副企業長が工事の概要を説明した。それによると、新たな本管には、水漏れを起こした鉄製の導水管(口径一二〇〇ミリ)とは違う材質で、耐震管として普及するダクタイル鋳鉄管を採用する。
導水管の漏水部分を切断し、六〇〇ミリ管を連結。地中を流れる坂牛川と地表の間に通す形で埋設する。長さは計三十二メートル。
企業団は当初、新たな本管として口径五〇〇ミリ管を想定していたが、最終的には水をより安定供給できる六〇〇ミリ管に決定。日鉄パイプライン(東京)に発注した。
今後、地盤調査や設計などを経た上で、十五日に着工する。工期は九日程度かかる見通し。
新たな本管設置後、一時間当たりの取水量は、現在使用している仮設バイパス管(口径四〇〇ミリ)の二千六百五十トンから、三千七百トンに向上する。口径は導水管の半分にとどまるが、企業団は「十分な揚水量を確保できる」としている。仮設バイパス管を残すかどうかは検討中。
一方、本格復旧までの間に、同配水池の水位が安定供給ラインまで回復する見通しが立たないことから、企業団は十日以降も日中の減圧給水を継続する。企業団は「心苦しいが、引き続き節水への協力をお願いしたい」としている。
1200ミリは太すぎた?復旧まで綱渡り続く(2009/01/10)
八戸地域七市町で一日に発生した大規模断水事故で、馬淵川から白山浄水場につながる口径一二〇〇ミリの導水管は本来、一日当たり十六万五千トンの揚水能力がある。これに対し、八戸圏域水道企業団が一日に馬淵川から取水できる量は八万五百二十トンが限度。実際の能力に比べ二分の一以下と、管が“大きすぎる ”状態だった。このため、企業団は口径が半分の六〇〇ミリ管を本管として使用しても、「十分な水量を確保できる」と説明。工事終了後、住民に水を安定供給できる状態になった段階で“本格復旧”と位置付けている。
導水管は一九七四年に完成。揚水能力と取水限度量にこれほど差が出ている背景について、企業団は「八戸市の人口と水道使用量がどんどん増えるという予測に基づき、大きな管を設置したのではないか」と推測する。
国管理河川から取水する場合は国の許可が必要となる。企業団が馬淵川からの取水を許されているのは一日八万五百二十トンで、一時間当たりでは三千三百五十五トン。企業団は口径が半分の六〇〇ミリ管でも、一時間当たりの取水量は導水管と同じ最大三千七百トンと見込んでいる。
また、六〇〇ミリ管に使われるダクタイル鋳鉄管は、つなぎ目部分が伸縮する仕組み。地盤の変動に強く、耐震仕様の配水管の主流となっている。
工事に向けては課題もある。導水管の通っていた付近には空洞や地下水があり、地盤が不安定だ。このため、企業団は地中を流れる坂牛川と地表の間に六〇〇ミリ管を埋設することを決めたほか、地盤の強化工事も検討している。
現在使われている口径四〇〇ミリの仮設バイパス管は、「いつ抜けてしまうか分からない」(大久保勉副企業長)という“綱渡り”の状態だ。それでも、白山配水池の水位は依然として安定供給ラインに達しておらず、本格復旧まで常に危険と隣り合わせの状況が続く。
ともに デーリー東北より
導水管本管を発注した、スピードが大事、よかった、よかった。2週間の我慢だよ。
「八戸市の人口と水道使用量がどんどん増えるという予測に基づき、大きな管を設置したのではないか」と推測する・・・今の吸水口付近にダムを密かに計画したのか、と思う口径の選択。何となく目時付近に似ているけど。当時は大きな管を選んだ事をうるさく言わなかったのだな。あれから30年、人口は全然増えませんでした。1軒屋の宅地開発が進み、端末の給水管整備は進んだのにねー。
Posted at 2009/01/10 16:15:42 | |
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