
並行在来線八戸-青森間譲渡問題
経営見通しなお厳しく
国やJR貨物の支援不可欠(2009/1/13)
写真・新幹線高架(右奥)と並ぶように、JR市川駅から青森へ向かう東北線の列車=12日
並行在来線八戸― 青森間(延長九六・〇キロ)の経営分離問題で、約八十億円(消費税約三億七千万円は別途)でJR東日本と鉄道資産の譲渡について合意する方針を示した青森県。JRが主張した簿価の約百六十億円から半額程度と初期投資を圧縮、JRから鉄道施設の修繕など百億円規模の支援策も受けるとして、県負担は実質的にないと強調した。だが、運行主体の第三セクター・青い森鉄道の経営見通しは厳しく、負担軽減に向け
、さらに国やJ R賃物からの支援がなければ苦しい状況だ。
資産譲渡価格をめぐっては、JRが一九九六年度末時点の簿価約百六十億円を主張。これに対し、県は収益性を踏まえた減損会計を用いた試算で、実際の価値は簿価を大きく下回るとし、・「無償または低価格」での譲渡を求めていた。
経営分離に伴う資産譲渡は、JR東日本管内ではこれまで、八戸―目時間(延長二五.九キロ)などのように簿価が基本だった。
■ 「低価格」に苦心
「一体いくらなら県民に納得してもらえるのだろう」
低価格と設定したものの、具体的な額について県幹部は「JR側も株主への説明が必要としており、無償は相当困難」と苦心した。県側は当初から、三十億十五十億円程度の負担は免れないと想定していたもようだ。
八日の県議会新幹線・鉄道問題対策特別委員会で、青山祐治副知事はヨニけた(百億円)台の交渉が続いた」と厳しい交渉だったことを明かした。
県が約八十億円での譲渡を受け入れたのは、JRからの支援策が行われることも決め手となった。
鉄道施設の修繕や出向社員への給与負担、新たなリゾート列車の導入など、県は約百億円規模と見込んでおり、三村申吾知事は「県負担は実質的に生じない」と言い切った。
■不透明な支援策
県はJRからの支援が将来的な負担軽減にもつながるとしているが、個別の支援額は示されていない。
同特別委では委員から「一定の評価はできる」とする声の一方、支援額の不透明さに、「まさに(県の)自画自費でしかない」「現時点で県負担をゼロというのは時期尚早」と批判も相次いだ。
県議会与党・自民党の西谷冽議員総会長は
「年間約十六億円といわれる赤字がどの程度解消されるか、不確定な部分もある。JR貨物の(支援)分と合わせ、赤字になるなら承服できないとくぎを刺した。
同党県連の山内和夫幹事長も「支援策の具体的な数字が出てから会派として費同するかど,かを決めたい」と慎重姿勢を示した。
■厳しさ続く県財政
青い森鉄道は、県が年間の線路使用料約十六億円を減免することで、収支均衡を図る計画。さらなる負担軽減に向け、今後は国やJR貨物などからのさらなる支援も必要だ。
JR賃物は青い森鉄道が増資した際に一億円を出資済みだが、県は運行実態に見合った線路使用料の負担なども求めている。
経営分離後の八戸―青森間の運賃水準は、通学定期が現行のJR並みに据え置かれるものの、全体では一・三九倍となり県民の″痛み″を伴う。
二〇〇八年十二月に決定した県行財政改革大綱によると、鉄道資産が無償譲渡されたとしても、 一一年度の基金残高は約五十億円で厳しい状況だった。県関係者は「今後も県財政の厳しさは変わらない。できるだけ負担を軽減したいのだが…」と頭を悩ませる。
デーリー東北より
県議会議員が最後まで騒ぐのは当たり前。青森県もいつ、夕張市・黒石市のようになるか分からない。いっそうのこと、
「新幹線いりません。東北線JRで今まで通り経営してください。」
と青森県が宣言すれば良いかもしれません。今のところ、「物流の大動脈」は果たしていますから。そんなことしても外交問題にはならないと思うが。
Posted at 2009/01/17 16:49:47 | |
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