
導水管溶接部の漏水 設計と違う施工原因か
(2009/01/30)
元日に起きた八戸地域七市町の大規模断水事故で、漏水した導水管(口径一二〇〇ミリ)の溶接部分が、当初の設計とは異なる状態で施工されていたことが二十九日、分かった。漏水個所には設計とは違う管が使用されたとみられる。導水管漏水事故調査委員会(委員長・福士憲一八戸工業大教授)は事故原因につながる可能性もあるとみて、設計・施工業者から引き続き聞き取りを行うなどして調査を進める方針だ。
福士委員長が八戸市の同企業団庁舎で会見し明らかにした。
それによると、漏水個所の溶接部分には設計上、厚さ二二ミリの鋼管が用いられることになっていたが、実際には二二ミリ管の先端部分が厚さ一六ミリに削られ使用されていた。現地調査と当時の設計図、超音波検査の結果から判明した。
福士委員長は「施工不良だったのか現段階では断定はできない」としながらも、「何らかの要因で(削られた鋼管が)使われたのだろうが、驚くべき結果だ」と述べた。
馬淵川と白山浄水場を結ぶ導水管は一九七四年に完成し。厚さ一六ミリの管を敷設していた。ただ漏水を起こした個所は、坂牛川の改修工事に伴って九〇年に施工された部分で、川の下をくぐるように「下越し」という工法で敷設。その際、強度を持たせるため、この部分だけ厚さ二二ミリの管を使用した。
厚さの違う管同士を溶接する際には一方の管を削って厚さを調節するが、今回の漏水部分は本来、削る必要がない部分だった。
漏水個所のほか、溶接部分三カ所でも同様の施工や、削るべき個所を削らないなど、設計と違う施工がされていた。設計と違う施工が疑われる溶接部分も一カ所あった。
事故調査委は、設計通りに施工されなかった事情などについて施工業者から聞き取りを行う考え。この施工で強度が確保できていたか、専門機関に計算を依頼しており、地質調査や超音波検査などのデータと照らし合わせ総合的に評価する。
事故調査委の第三回会合は、二月中にも開く見通し。
漏水した導水管を設計・施工した日鉄パイプライン(東京、旧・新日本製鉄)の担当者は二十九日、本紙取材に対し、「事故調査委の正式な見解が出るまではコメントはできない」と述べた。
デーリー東北より
設計とはちがう施工部分が見つかった。強度の計算などを専門機関に依頼しているそうで時間はかかる。しかし調査委員会の「・・驚くべき結果だ」はその部分が事故の原因であることには間違いはないだろう。
5年に1回とか、少なくとも地震の後、水を止め、点検しなかったのが悔やまれる。特に当時はまだ他の導水口があったのだから。市民にも「地震がありましたので念のため止水して点検します」で済むだろう、直後だけに。また施工業者に文句をいうにもたびたび点検していないのだから説得力が欠ける。災害は忘れた頃にやって来る。来た後にも二次三次と災害・人災が来るのである。機械・装置は必ず壊れる物である。
Posted at 2009/01/30 14:25:40 | |
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