
生産現場で「改善」の動き活発化/青森県内(2009/08/17)
青森県南地域の製造関連企業で、生産現場の改善を進める動きが活発化している。製造ラインの無駄な部分を徹底的に洗い直し、“メス”を入れることで効率アップを目指す試みだ。「従業員の意識改革にもつながり、資質向上に一役買っている」と、人材育成の点からも企業の注目を集めている。この取り組みを仕掛けている県や経済界、学識経験者らで組織する県南・下北地域産業活性化協議会(会長・藤田成隆八戸工大教授)が今月4日、五戸町のプライフーズ
第一ブロイラーカンパニー五戸加工食品工場で実施した「ものづくり経営革新塾」の様子を紹介する。
1秒でも短く
「よろしくお願いします!」―。4日午前8時半。参加者18人の元気良いあいさつが会場に響き渡り、現場実習がスタートした。集まったのは県南地域にある製造業11社の従業員。前日に士気を高めるために行った「モラール訓練」の効果が早速、表れたようだ。
革新塾の講師を務めたのは、経営コンサルティング会社のJPEC(大阪市)。座学と実習により製造過程の無駄を省き、効率化を進めるトヨタ生産方式「カイゼン」という手法で企業の生産改善を行っている。
開塾式で同社の金辰吉取締役は「1回の動作にかかる時間を1秒減らし、2万8800回繰り返せば8時間の短縮となり、1人分のコスト軽減となる」と強調。6人ずつ3班に分かれ、出荷する製品が入った段ボールのパレット積みのほか、肉団子と照り焼きチキンの製造ラインの改善に着手した。
次々とアイデア
まずは肉団子の製造ライン。袋に詰め計量し、段ボールに入れて再び計量する作業だ。注目したのは、段ボールに肉団子を詰めた袋を入れ、計量機器に載せるまでの流れ。
金取締役は「分業のし過ぎは単純作業の繰り返しになる。計量機器の上で作業すれば、動かす手間が省ける」と指摘。途中の作業台を撤去することで、時間と距離を短縮することができた。
照り焼きチキンの製造ラインでも、ライン上とは別の場所にある台に段ボールが山積みにされた状態だった。これも箱詰めする場所で組み立てることで、段ボールの山と台が無くなり、スムーズな作業に変わった。
製品のパレット積みでは、機械から流れてくる製品が入った段ボールの積み上げる場所のルールを決めた。重い箱ほど近くに置くことで、運搬の動作に関する従業員の負担軽減を図った。
次々とアイデアが金取締役らJPECの担当者から出てくる生産現場。目の当たりにした参加者は「簡単な方法で確実にスピードアップを図ることができた。考えながら仕事をしないと、いつまでも変わりませんね」と、刺激を受けた様子だった。
小さな改善が一歩
約3時間の現場実習後、昼食を挟み各班別に成果を発表。終了後、参加したハード工業(八戸市)のAさんは「小さな改善の積み重ねが大きな成果を上げる第一歩。得た経験を職場に持ち帰って試してみたい」と感想を述べた。
外部の目にさらされた受け入れ側の企業も意識の高まりが見られた。工場の従業員には突然の変化に抵抗や戸惑いがあったものの、大下修工場長は「知恵は無限大と感じた。良い部分を取り入れて日本一の工場を目指したい」と今後の経営の参考にする意欲を示す。
総括した金取締役は「単純作業に慣れると変化は恐怖になる。考えることを忘れてしまう」とした上で、「成功するまで行う改善には失敗はない」と、企業の成長には意識改革が必要であることを強調する。
デーリー東北より
研修は「意識改革が必要」ということは、わかっているのだ・・。
おいしそう、それだけでも突き進めるか。
Posted at 2009/08/19 16:43:04 | |
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