
2015年までに連結営業利益率5%へ=トヨタ
2011年 03月 10日 01:05 JST
写真は横浜市内の販売店前で。2月撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 9日 ロイター] トヨタ自動車は9日、長期的な経営の方向性を示した「グローバルビジョン」を発表した。環境車のラインアップを強化するほか、新興国での販売比率を引き上げて地域バランスのよい事業構造を構築する。
2015年までに連結営業利益を今期予想比ほぼ倍増となる1兆円程度、営業利益率も今期予想の約3%から5%に引き上げる方針だ。
過去最高益を記録した08年3月期の連結営業利益は2兆2703億円で、2015年の1兆円超は回復途上とも言える。ただ、会見した豊田章男社長は「好況の時に何兆円という利益を出すより、リーマン・ショックのようなものが起こった場合でも、確実に利益をだせる体質にしたい」と語り、持続的な成長による回復に軸足を置く考えを示した。
同社は大量リコール(回収・無償修理)問題に揺れたが、原因としてやり玉に挙げられていた電子制御システムについては米当局から「欠陥なし」と報告を受けるなど、足元の環境は好転しつつある。経営判断を迅速化するため、取締役人数の大幅削減や、社外の声を経営に反映させる地域アドバイザリーボードの設置も決めた。
<約10車種のハイブリッド新型車投入>
トヨタのグローバルビジョンでは、「1ドル=85円、販売台数750万台」という厳しい経営環境でも営業利益1兆円程度、連結営業利益率5%を確保できる収益体質にすることが目標。11年3月期の営業利益予想は5500億円、連結営業利益率は2.9%で、目標を達成すれば大幅な収益改善となる。現在、円高で苦しめられているトヨタ単独の営業損益も早期黒字化を目指す。豊田社長は会見で「営業利益率5%を確保するのは持続的成長のボトムライン」と語った。
トヨタは今後の経営の柱を「環境車」と「新興国」とする考え。環境車関連では、ハイブリッド車分野で2015年までに約10車種の新型車を投入するほか、次世代環境車も全方位で開発を進める。また2010年のグローバル販売比率は日米欧が約60%、新興国が約40%だったが、新興国で販売を伸ばし、2015年には日米欧50%、新興国50%とする計画。豊田社長は中国について、全世界のトヨタ販売の15%程度を目安に量的な成長を期待すると語った。商品戦略としてはレクサスブランドの強化も念頭に置いており、特に新興国への展開を強化する方針。豊田社長は「2015年のトヨタ・レクサスの販売台数は900万台レベルを想定している」と語った。
日野自動車やダイハツ工業を含むトヨタグループの2015年の世界販売台数は1000万台超になると述べた。
<取締役人数の削減>
経営体制については、取締役人数を27人から11人に削減し、取締役会のスリム化を図るほか、役員意思決定階層も削減する。地域本部長を現地に配置したり、現地駐在役員を増員したりして海外事業体が現地で経営判断できる体制を構築するとともに、北米、欧州、アジアに地域アドバイザリーボードを設置し、社外の声を経営に反映する体制を導入する。
足もとの事業環境については、円高や原材料の高騰などの影響を大きく受けているとの認識を示すとともに「1ドル=85円を割るような円高が続けば、日本の生産体制を見直さざるを得なくなる」(豊田社長)と語った。
ちばぎんアセットマネジメント調査部長の安藤義弘氏は、トヨタが新興国での販売を伸ばし、先進国と新興国で50対50とする販売計画について「バランスの良い事業構造を目指すことは評価できる」と述べた。人事についても「地域本部長を置いたほか、取締役人数や役員意思決定階層の削減により意思決定スピードを上げ、かつ現場からの声を吸い上げやすい体制を作っており、ポジティブな印象だ」と評価した。
ただ「現代自動車やフォルクスワーゲン(VW)など世界各国の自動車メーカーとの激しい競争下でトヨタが優位となる具体的な戦略が不透明だ」とも語り、今回の発表による株価への影響はニュートラルとの見方を示した。投資家はより具体的な内容を求めているとし「中期的には同ビジョンを踏まえた実行策が出てくるかに注目している」と述べた。
(ロイターニュース 杉山健太郎 大林優香;取材協力 杉山容俊;編集 宮崎大)
トヨタ、新興国比率50%に 世界販売1千万台、2015年
トヨタ自動車は9日、全世界に占める新興国での販売比率を2010年の40%から15年には50%に引き上げる方針を発表した。新型小型車など現地生産モデルを強化し、グループ(ダイハツ工業、日野自動車含む)の世界販売台数で、過去のピークを超える1千万台を見込む。
連結営業利益は早期に1兆円を確保し、連結営業利益率を5%とする。現在は赤字の単体ベースの営業損益についても早期の黒字化を図る。
販売目標などは同日発表した長期指針「グローバルビジョン」を実現するための取り組みとして表明。ただ、収益目標に掲げた営業利益1兆円は、過去最高だった08年3月期の2兆2703億円と比べると低い水準で「強いトヨタ」の完全復活までには時間がかかりそうだ。
東京都内で記者会見した豊田章男社長はリーマン・ショックや一連のリコール(無料の回収・修理)問題を踏まえて「どんな状況でも利益を出せ、雇用を守れる会社にしたい」と強調。15年の世界販売をトヨタ車(レクサス含む)で900万台、ダイハツと日野を合わせ1千万台と想定していることを明らかにした。
各地域の実情に応じた経営判断ができるよう権限移譲も進める。4月以降、地域別の経営計画をまとめ、アジアでは現地ニーズに合った戦略車を開発し投入していく。中国では、トヨタの世界販売台数のうち15%を占められるよう強化する。
2011/03/09 21:30 【共同通信】
新興国に"レクサス店"だけでなく、「ネッツ店」を出店すると言うことか。
「ダイハツ店」・「スバル店」・「日野店」も活用が現実的ではある。
「サイオン店」、だったらビックリだが・・・。
Posted at 2011/03/10 07:44:47 | |
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