
経営に"ダブルパンチ"(2011/5/16)
写真・利用者の減少が続いている十和田観光電鉄の電車=l4日、十和田市
「新幹線開業で鉄道利用者減」
「震災後に敢行事業収益悪化」
十和田観光電鉄(十和田市)が、16日から路線バス、21日からは鉄道の運行本数を大幅に減らす。背景には厳しい経営状況がある。昨年12月の東北新幹線七戸十和田駅開業後、鉄道利用者が減少したことに加え、黒字だった観光事業の収益も東日本大震災の影響で落ち込み、"ダブルパンチ"となっている。利用者からは利便性の低下を残念がる声も聞かれるが、十鉄は「企業努力だけでは限界がある」と理解を求めている。 (岩淵修平)
「企業努力にも限界」
14日、十和田市のとつてつ駅ビル。帰りのバスを待つ70代女性が
「今度から土曜日は出掛けられない」と残念そうに話したれ女性は毎週末、東北町の自宅から同市内の病院に通っているが、
「いつも車内はがらがら。運休もしょうがない」と諦め顔だ。
鉄道は日中を中心に5本を減便。路線バスは16 日のダイヤ改正で土、日、祝日は全路線の8割以上に当たる11路線で運休に踏み切る。
これまでにない大幅削減のダイヤ編成。十鉄経営企画室の柳下浩部長は「事業からの撤退という最悪の事態を避けるため、こういった形を取らざるを得なかった」と状況を説明する。
鉄道の運行は十和田市駅-三沢駅間の約15㌔、柳下部長は東北新幹線全線開業に伴う影響について
「乗客が減るとは思っていたが想像していた以上」と語る。
少子化やマイカーの普及でへ十鉄の鉄道事業の売り上げは年々減少している。ただ、沿線の高校に通う定期券利用の学生が3分の2以上を占めており、七戸十和田駅の開業前までは売り上げは前年比2~3%の微減にとどまっていた。
しかし、昨年12月の新幹線開業後は毎月、前年比10%以上の下落が続いている。三沢駅に停車する特急が無くなり、ビジネス客らが七戸十和田駅に流れたとみられる。また、十鉄は二次交通として同駅発着の新幹線にバスを接続させたが、十和田市内から車で約25分と近く、マイカーやレンタカーの利用者が多いためか、乗客は期待したほど増えていないのが現状だ。
路線バス事業の赤字も年々拡大。十鉄のバス路線の多くは国や自治体からの補助を受けており、2010年度は約5240万円の支援を受けた。補助金は系統ことの乗車率に応じて支払われる仕組みで、今回の減便は利用者が少ない休日の運休で乗車率を高める狙いもある。
十鉄はこれまで観光・レジャーや高速バスなど、堅調だった他部門の利益で鉄道と路線バス事業の赤字を穴埋めしてきた。しかし、震災でツアーや修学旅行もキャンセルが相次ぎ収益が悪化、内部補てんも難しくなった。
「収入減がコストカットなどの企業努力を上回っている」と強調する柳下部長。利用者の急増が見込めない状況の中へ「公共交通を維持するためにどうしていくか、(沿線市町村や国、県と)考える必要がある」と言う。
デーリー東北
5月11日に発表したようである。どうも紙面に載るのが遅いね。
乗りに行かなければ・・・。
Posted at 2011/05/18 06:30:45 | |
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