
十和田湖観光汽船が破綻 負債5.6億円(2012/08/18 09:09)
【写真説明】
経営破綻し、民事再生法の適用を申請した十和田湖観光汽船の遊覧船=17日午後3時半ごろ、十和田湖畔休屋
十和田湖で遊覧船を運航する十和田湖観光汽船(青森市、松橋泰彰社長)は17日、青森地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。東京電力福島第1原発事故の風評被害などで乗客が激減したのが原因。負債総額は約5億6897万円。従業員42人は引き続き雇用する。当面は現行のまま営業を続けるが、今冬の遊覧船運航は見合わせ、その後は運航を縮小する意向。今後はスポンサーを探しながら、経営改善を図るという。
青森県庁で同日、松橋社長や申請代理人の長谷一雄弁護士(東京)らが会見。松橋社長は「関係者に迷惑を掛け、心から謝罪する。観光業者の立場から、やめるわけにはいかない。必ず健全に復活したい」と述べた。
経営再建に向け、湖畔のホテルとタイアップした船上イベントや、新たな臨時航路を
設けるなどし、売り上げ確保を目指す。観光客が減る今年12月〜2013年3月は定期運航を見合わせ、13年度は1隻減らして3隻体制とする。
ただ、十和田湖を訪れる観光客数が低迷を続ける上に、スポンサーのあては「今のところ厳しい」(長谷弁護士)。経営再建へ向けた道のりは、険しさも予想される。
松橋社長らによると、遊覧船を合同運航している十和田観光電鉄(十和田市)と同社の年間乗客数は、01年度に計約41万9千人あったが、徐々に減少。11年度は原発事故の風評被書が大きく響き、乗客は約13万2千人まで落ち込んだ。
01年度は2社の乗船収入が計約5億1千万円だったが、11年度は約1億6千万円に。十和田湖観光汽船は03年度以降赤字が続き、11年度は経常損失は5938万円だった。
同社は17日、従業員向けの説明会を実施。18日は年後3時から、十和田湖畔休屋の遊覧船ターミナルで債権者説明会を開く。
? 十和田湖観光汽船
1964年4月、十和田湖の観光汽船運航を目的に設立。資本金2200万円。4隻の遊覧船を保有しており、十和田観光電鉄(十和田市)と合同で、休屋―子ノロ間と、中湖を巡る休屋発着の2航路を定期運航している。
(デーリー東北 一戸康成)
社長「訴訟も辞さない」
十和田湖観光汽船 再生法の適用を申請
東電へ悔しさ(2012/8/18)
民事再生法の適用を申請した十和田潮観光汽船(青森市)は、東京電力福島第1原発事故で風評被害を受けたとして、東電に遊覧船の減収分を損害賠償請求している。松橋泰彰社長は17日の会見で、
「訴訟も辞さない」
と、あらためて東電ヘのにしさをにじませた。
同社によると2008年、潮畔で見つかったハクチョウの死骸から鳥インフルエンザウイルスが検出され、観光客減少が顕著に。そこに11年の東日本大震災と原発事故が追い打ちを掛けたという。
同社は今年3月、東電に対し約4200万円の損害賠償を請求。東電は11年3月11日〜5月末の外国人観光客の予約キャンセル分を支払ったが、わずか約72
万円だった。
松橋社長は東電に対し「言いたいことはたくさんあるが、この席では何も言わないことにします」と怒りを押し殺したような表情。一方で「一部しか補償されなかった。
残りの請求は、訴訟も辞さないつもりだ」と語気を強めた。
(デーリー東北 一戸康成)
「どうして今」経営破綻に戸惑いの声(2012/08/18 09:09)
長引く観光の低迷、福島第1原発事故による風評被害の〝二重苦〟は、十和田湖のシンボルともいえる遊覧船を手掛ける十和田湖観光汽船の経営破綻となって表れた。同社が民事再生法の適用を申請した17日、湖畔休屋の観光関係者の間では、驚きや落胆の声が交錯。遊覧船運航は続くものの、湖畔のイメージダウンを懸念する声も聞かれた。
午後3時すぎ、休屋の遊覧船チケット売り場。夏休み中ということもあり、湖畔は多くの家族連れでにぎわっていたが、震災前に連日見られた外国人観光客の姿は、現在もまばらだ。
同社十和田湖営業所の中村昭夫所長は「昨年の減収分がどうしても補い切れなかった。外国人が減ったのが大きい」。原発事故による風評被害が契機となったことを明かした。
遊覧船を合同運航する十和田観光電鉄の栁下浩経営企画室部長は「震災で十和田湖への観光客自体が減っており、船の乗客も減っている」と話す。
また、風評被害に加え、長引く低迷で事業者の体力が奪われたのが主因―との指摘もある。飲食店経営者は「どこも経営はぎりぎり。昔ならともかく、今は持ちこたえる力はない」とこぼした。
観光シーズン真っただ中での経営破綻に戸惑いも広がった。ある土産物店の女性は「厳しいとは聞いていたが、まさか。観光客も少しずつ増えてきたのに、どうして今なのか」と険しい表情。
落胆と裏腹に、冷静な受け止め方もある。ホテル経営者の一人は「残念だが、いつかこうなる日が来るのでは、と感じていた。常に新しいことをやらないと、生き残るのは難しい」。自らに言い聞かせるように語った。
十和田湖国立公園協会の太田勝男総務課長は「営業はこれまで通り続けると聞き、ひとまず安心した」と述べつつも、「今回のことが十和田湖全体のイメージ悪化につながらなければいいが…」と懸念を隠さなかった。
(デーリー東北 岩淵修平)
行政関係者も驚き
市長「今まで相談なく・・・」(2012/818)
十和田湖観光汽船が民事再生法の適用を申請したことに対し、十和田湖観光のてこ入れを図っている行政関係者も驚きの表情を浮かベた。
十和田湖国立公園協会の会長も務める小山田久十和田市長は「今まで何の相談もなく、びっくりしている」と漏らした。
市などは本年度、湖畔のホテルを対象にした宿泊割引クーポン券を発行するなどの支援策を展開。手応えもあっただけに「少しずつ観光客は増えていたのだが…」と残念がった。
青森県観光交流推進課の石川隆洋課長は「遊覧船は書から十和田湖観光の象徴。引き続き誘客に向け、潮を国内外にPRしていく」。さらなる情報発信に努める姿勢を強調した。
(デーリー東北 工藤文一)
≪くだめぎ?≫
一昨年の猛暑、十和田湖はぬるかった・・・。昨年は震災直前にも、冬の十和田湖を楽しんだつもり。いずれも船は乗らなかったな。
十鉄直営の会社と思ってました、勘違い・・。
Posted at 2012/08/23 16:08:09 | |
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