
エスクァイア 開発責任者に聞く
コンパクトキャブワゴンの市場へ、トヨタが放つ第3の矢
2014年10月29日 14時00分
その3.完
[写真] 車いす仕様車(スロープタイプ)タイプⅠ 車椅子2脚仕様。大きく開くリヤゲートから、車いすのまま乗車可能。お出かけがより一層スムーズに。
●日本も、私も、ここからだ。
ちょっと驚かれるかもしれませんが、エスクァイアのCMにアメリカのコミックヒーローのバットマン(Batman)を起用しています。その理由の一つはエスクァイアのT字のフロントグリルがバットマンのマスクにとてもよく似ていて、スパークリングブラックパールクリスタルシャインのカラーリングも黒いマントを纏ったバットマンのスタイリングを彷彿させるからです。
また、バットマンはスーパーマンのように空を飛んだり、巨大な岩を持ち上げたりするような特殊能力や怪力の持ち主ではなく、その素顔は生身の一人の人間。等身大のヒーローです。コウモリを模した黒い高性能スーツに身を包み、極限まで鍛え上げた肉体と格闘技、卓越した知力と探偵術、優れた科学技術と数々の秘密兵器を武器にゴッサム・シティの犯罪者を取り締まる夜の街の騎士(Esquire)なのです。
つまりバットマンの起用は、「エスクァイアとともに、家族を守り、日本を元気にしていこう!」というトヨタからのメッセージなのです。合い言葉は「日本も、私も、ここからだ。」です。
長い不況のトンネルからやっと抜け出し、ずっと停滞していた日本という国が今、再び走り出そうとしている。東京オリンピックが決まり、日本全体に少し明るい兆しが見えてきた。そして社会に「もう一度、上を目指して頑張ろう」という気運が感じられるようになった。だから、クルマ選びもまた、ワンランク上を目指していこう!
それは「手頃」とか「身の丈」とか、そんな言葉に満足しない生き方、安易な道に流されず、より充実した人生を求める生き方の提案です。そしてそうした生き方、選択を鼓舞する存在をエスクァイアが担っていきたいという想いがこのメッセージには込められています。
「高級感を訴求するのにバットマンで伝わるのか?」という意見もありましたが、新しいクルマを多くの皆様に知っていただくために、メッセージのインパクト、説得力が不可欠だと思いました。ぜひ、コマーシャルのオンエアをチェックください。
●すべてのチャネルに車いすスロープ車を
以前もお話ししましたが、コンパクトキャブワゴンというクルマは日本で生まれ、日本だけで独自に進化してきたガラパゴス的なクルマです。それは極めて整備された日本の舗装道路と身近に子どもと一緒に家族でお出かけできる施設やスポットが大変多いという日本独特の環境の中で生まれ、進化してきたクルマ。いわば、日本の道路とファミリー文化が育ててきたクルマです。
ですから広くあまねく、日本のお客様にこのコンパクトキャブワゴンを提供することは自動車メーカーとしてトヨタの責務だと思っています。今回、エスクァイアの投入により、すべてのチャネルにコンパクトキャブワゴンをラインナップすることができました。同時に、ファミリー、スポーティ、高級志向という選択肢が広がったという点でも意義があると思っています。
そして、さらに社会的意義が高いのは、エスクァイアの投入によりトヨタ店でも車いすスロープに対応するクルマができたことです。これまでトヨタ店にはサイドリフトアップシートのウェルキャブはありましたが、車いすのスロープ車はありませんでした。
車いすに乗ったままクルマに乗り込めるスロープ車は車いすで生活している人にとって、お出かけがとてもしやすくなります。今後、高齢になり、脚が不自由になって車いすが必要になる方はきっと増加していくことでしょう。超高齢化社会を目前にして、コンパクトキャブワゴンはこうしたウェルキャブのベース車としての社会的な役割も担っていく。そういう視点でのクルマづくりも今後、重要になると考えています。
取材・文:宮崎秀敏(株式会社ネクスト・ワン)
GAZOO.com より
≪くだめぎ?≫
『エスクァイア』が「マスターエース」の真の後継車であると書いたが、エスクァイアがマスターエースの様に世界デビュー出来る可能性はある。"車いすスロープに対応するクルマ"はトヨタ店だけでなく、他国でも受け入れてもらえると思う。少子高齢化は中国などでも将来必ず直面する問題で、この大きさ「コンパクトキャブワゴン」はファミリーカーの一つの形として提案できるはずだ。ディーゼル車を用意できれば即デビューできるが・・。
Posted at 2014/11/05 08:11:24 | |
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