
[写真・画像] トヨタ自動車(株)2020年3月期 決算説明会 Ⅱ部(社長メッセージ) より
2020年5月13日(水)14時00分
トヨタ 豊田社長、改めて国内生産300万台にこだわり続ける重要性を強調
トヨタ自動車は5月12日、2019年度の決算会見をオンラインで行った。その中で豊田章男社長は国内生産300万台体制について触れ、改めてそれを死守し続けることの重要性を強調した。
トヨタは1980年代から需要のあるところで生産するという方針で海外生産を加速してきたが、円高になってもこだわり続けてきたことがある。それは国内生産300万台体制を維持するということだ。歴代の社長はそれを事あるごとに強調してきた。
「超円高をはじめ、これまでどんなに経営環境が厳しくなっても、日本にはモノづくりが必要であり、グローバル生産を牽引するために競争力を磨く現場が必要だという信念のもと、石にかじりついて守り抜いてきた」と豊田社長。その裏には膨大なサプライチェーンと、そこで働く人たちの雇用を守り、日本の自動車産業の要素技術とそれを支える技能を持った人を守り抜く必要があったからだ。
「今回のコロナ危機に際し、必要なときに必要なモノが手に入らないというじたいに世界中が直面した。ある方がこの事態を“マスク現象”と言っていたが、マスクのほとんどを国内で調達できなくなっていたということだそうだ。より良いものをより安くつくる。これはモノづくりの基本だが、安くつくることだけを追求してしまうと、このような現象が起こるのではないか」と豊田社長は話し、こう付け加える。
「雇用を犠牲にして、国内でのモノづくりを犠牲にして、いろいろなことを“やめること”によって、個社の業績を回復させる。それが批判されるのではなく、むしろ評価されていることが往々にしてあるような気がしてならない。それは違うと私は思う。企業規模の大小に関係なく、どんなに苦しいときでも、歯を食いしばって、技術や技能を有した人財を守り抜いてきた企業が日本にはたくさんある。そういう企業を応援できる社会が今こそ必要だと思う」
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、多くのものづくり企業が医療用フェイスシールドやガウン、マスクなどの生産に乗り出した。トヨタもすぐに3Dプリンターを使い、医療用のフェイスシールドをつくった。
豊田社長によれば、こうしたことができるのも国内生産300万台体制にこだわり、日本にモノづくりを残してきたからだという。守り続けてきたものは、世の中が困ったときに必要なものをつくることができる、そんな技術と技能を習得した人財だいうわけだ。
そして豊田社長は「人類に乗り越えられない危機はない。コロナ危機を“ともに”乗り越えていくために、私たちがお役に立てることななんでもする覚悟だ」と強調した。
《山田清志・レスポンス》
2020年5月12日(火)18時30分
トヨタ 豊田社長「新しいトヨタに生まれ変わるスタートに」…2020年3月期営業利益は1%減の2兆4428億円
トヨタ自動車は5月12日、2020年3月期の連結決算を発表した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の世界的な感染拡大の影響はまだ大きく出ず、営業利益は前期比1.0%減の2兆4428億円となった。営業減益は3期ぶり。
今期(2021年3月期)の業績予想については、算定が難しいなか、一定の前提を置いて営業利益(今期からIFRS=国際財務報告基準での集計)は5000億円と公表した。
前期の連結グローバル販売は0.2%減の895万8000台となった。主力の北米が1.2%減の271万台と若干減少したが、『カローラ』シリーズなどの新モデルが堅調な日本は0.6%増の224万台、ハイブリッド車が支持を得ている欧州も3.5%増の103万台と健闘した。
また、中国を含む総小売台数は1.4%減の1045万7000台と、ほぼ横ばいを維持した。前期の為替レートは1ドル109円で、前々期から2円の円高となり、営業損益段階での減益要因は3050億円になった。また、新型コロナウイルスの影響は販売台数減の1000億円を含み全体で1600億円だった。この影響分を除くと営業利益は前々期から1354億円の増益となる。
純利益は10.3%増の2兆0761億円で2期ぶりの増益になった。また、売上高は1.0%減の29兆9299億円となり、前々期に初めて到達した30兆円をわずかに割り込んだ。
IFRSを適用する今期の業績予想については、売上高に相当する営業収益が24兆円(前期比19.8%減)、営業利益は5000億円(79.5%減)とする数値のみを公表した。その前提となる連結販売台数は700万台(21.9%減)としている。営業減益要因のうち為替変動(前提レート=1ドル105円)が4300億円、台数減が1兆5000億円と見込んだ。
オンライン会見した近健太執行役員は、グローバルの販売見通しについて「前年同期比では4~6月で6割、7~9月で8割、10~12月には9割水準となり、21年から前年並みになるとの前提にした」と説明した。影響は長期化するものの、年末までには収まるとの想定だ。
会見に出席した豊田章男社長は前期業績について「減収減益だが、取り組んできたトヨタ生産方式(TPS)と原価の造り込みでの課題も明確になってきたので、今後も改善は進む。新しいトヨタに生まれ変わるスタートに立った決算」と評価した。
今期の予想については「リーマン・ショック直後より、販売の落ち込みは大きくなるものの、何とか利益は確保できる。この間の体質強化の成果」と述べた。一方、新型コロナウイルスという新たな課題を抱えた今後の取り組み方針に関しては「苦しい時こそ歯を食いしばって技術と人財を守り抜く会社としてきたい」と強調した。
《池原照雄・レスポンス》
≪くだめぎ?≫
まだトヨタは体力が有るから「不繊布マスク」製造出来る、それより生産現場に必要な"部材"が調達出来ないなら自前で作らざろうえない、他社・全日本市民でも思ったことだろう。
「国内生産300万台にこだわり続ける」ため、今後の人員確保の為の"作業・事業"と解釈もできる。
Posted at 2020/05/20 10:09:30 | |
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