
ルックスにも「ペット=相棒」感あふれる新型シエンタ。ターゲットユーザーとして愛犬家をロックオン!?する多彩な新機能を詳解
2022-08-24
篠原政明(Webモーターマガジン編集部)
2022年8月23日に発表された、トヨタのコンパクト ミニバン「シエンタ」。そのお披露目は、東京都江東区の「アーバンドック ららぽーと豊洲」に8月28日まで期間限定でオープンした「シエンタ ドッグパーク」で行われた。愛犬家も嬉しい新型シエンタの多彩な魅力を、さらに詳しくお届けしよう。
タイトル画像を見てもらうと分かるように、新型シエンタのお披露目には開発者などは登壇せず、タレントで愛犬家の岩尾望さん、重盛さと美さん、古畑星夏さんの3名と愛犬、そしてシエンタのTV CMに出演する“ワン”バサダーの「ちょうじゅうろう」たちが登場して盛り上げてくれた。
カタログの表紙にも「ちょうじゅうろう」は登場しているし、シエンタ=愛犬家のためのクルマとも思えるのだが、CMでは「ちょうじゅうろう」が新型シエンタに変身する。つまり、愛犬家のためのクルマでもあるけれど、シエンタそのものが愛犬のような「家族の相棒」らしいクルマということのようだ。
新型シエンタについては速報で紹介したが、もう少し概要を紹介しておこう。サイズ的には、全高のみ20mm高くなったが、全長/全幅/ホイールベースは現行型と同じ。とはいえ、ベルトラインを水平にした大きなキャビンや、良好な視界と運転しやすい見切りを表現したルーミネスなウインドーが特徴的だ。また、「シカクマル」をモチーフとして、コーナー部やルーフの左右端などを丸くしてコンパクトに見せ、取り回しの良さにもつなげている。さらに、フェンダーの前後やドア下部の大きなサイドプロテクションモールが、気兼ねなく使えるツールとしての機能を素直に表現している。
インテリアも、ファブリックを用いた薄く軽快な水平基調のインストルメントパネルや、アッパー部前端から左右のドアベルトラインへのシームレスな繋がりによって、室内空間の広がりと車両感覚のつかみやすさをサポートしている。また、「シカクマル」のモチーフはインテリアにも用いられており、ドアポケットやカップホルダー、レジスターなどを「シカクマル」なデザインとして、アイコニックでシンプルな統一感を持たせている。
■い勝手の良さは、さらに向上している
シエンタのウリは、なんといっても使い勝手の良い室内空間だ。日常生活での取り回しを重視し扱いやすい5ナンバーサイズはそのままに、現行型より20mm高くした室内高に加え、水平基調の低いベルトライン、サイドガラスを立てた意匠により、広く開放感ある室内空間を創出している。
新型シエンタには2列5人乗りと3列7人乗りが設定されるが、1列目と2列目の前後カップルディスタンスは最大1000mmと、現行型+80mmでクラストップレベルとなる。とくに2列目の居住性を向上させ、普段のショッピングでも、買い物かごを足元にそのまま置けるほどだ。
フロア地上高は330mm(2WD)と低く、段差のないフラットなフロアを踏襲しつつ、パワースライドドア開口部の高さを現行型より60mm増した1200mmに広げ、後席への優れた乗降性を実現している。バックドア開口部の高さも現行型より15mm拡大。荷室高も現行型より20mm増したことで、よりスムーズな荷物の出し入れを実現。27インチタイヤの自転車でもハンドルを開口部にとられることもなく積載が可能だ。
2列5人乗りでは、荷室床面に加え、2列目シートのチルトダウン構造を見直し格納時のシート背面高さを下げたことで、荷室高を現行型より50mm拡大。フラットで大容量のラゲッジスペースは、多くの荷物を積載するアウトドアなどのアクティブなシーンで活躍しそうだ。
■ハイブリッドシステムは最新世代にスイッチ
TNGAプラットフォーム(GA-B)をベースに新設計されたプラットフォームは環状骨格構造とし、軽量でありながらバランスの取れた高剛性ボディが、上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現している。最小回転半径は5.0mで、狭い道や駐車場などでのスムーズな取り回しを実現している。
パワートレーンは一新され、1.5Lのダイナミックフォースエンジンを採用したシリーズパラレルハイブリッドシステムと、1.5Lダイナミックフォースエンジン+ダイレクトシフトCVTの2種を搭載。いずれも心地良い走りとクラストップレベルの好燃費を達成している。駆動方式は、エンジン車はFFのみだが、ハイブリッド車は後輪をモーターで駆動するE-Fourも設定されている。
予防安全パッケージの「トヨタセーフティセンス」は全車標準装備。高度運転支援技術の「トヨタチームメイト」の「アドバンスドパーク」はオプション設定。ディスプレイオーディオはほとんどの車種に標準装備。ドライブレコーダーも、前方は一部グレードに標準設定、前後方はオプション設定されるなど、安全&快適装備も高いレベルで充実している。
車両価格は、エンジン車がX(5人乗り)の195万円〜Z(7人乗り)の256万円。ハイブリッド車がX(5人乗り/FF)の238万円〜Z(7人乗り/E-Four)の310万8000円。
2003年に初代が登場以来、今回のモデルで3代目となるシエンタ。5ナンバーサイズで1.5Lクラスのコンパクト ミニバンは、いまやこのシエンタとホンダのフリードしか存在しないマーケットだ。シエンタはモデル末期ということもあってか、2021年から2022年上半期の登録台数は、フリードに少し差をつけられている。
スタイル一新(とはいえイメージは踏襲しているが)、居住性や装備を向上させ、走りも期待できそうな新型シエンタは、ライバルに一矢報いることはできるだろうか。月販基準台数の8300台はクリアすることは間違いないだろう。問題は、半導体不足などの影響で、オーダーしてから納車までどれくらいかかるか?かもしれない。
≪くだめぎ?≫
1997年1月登場初代カローラ スパシオ
全長4185 x 全幅1690 x 全高1620(2WD)・1,630(4WD) (mm)
ある意味、新型シエンタは数字以上に使いやすくなった、ということか。
Posted at 2022/09/14 17:14:50 | |
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