
列車借り切り父の夢かなえる(2009/04/13)
【写真説明】
友人やかつての同僚らと思い出話に花を咲かせる(左から1人置いて)O父Aさん、Oさん、O母Bさん。
IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道の盛岡―八戸間で11日、八戸市出身の会社員Oさん(33)=川崎市在住=が列車を借り切り、22年前まで旧国鉄で働き、今春、八戸市職員を退職したO父Aさん(60)=同市在住=に〝一日車掌〟をプレゼントした。定年退職と還暦祝いを兼ねた粋な計らいに、Aさんは「車掌は長年の夢。息子のおかげでついにかなった」と目を潤ませた。
Aさんは八戸市内の高校を卒業後、旧国鉄に入社。車掌にはなれなかったものの、盛岡局で新幹線や列車のルート設計などの業務を担当した。
しかし、一九八七年の国鉄民営化に伴い、Aさんは八戸市職員に。当時の様子を妻Bさん(62)は「鉄道が大好きな人なので、何日もすごい悩んでいた。人生の大きな決断の一つだったと思う」と振り返る。
市職員となってからは鉄道への思いを封印。道路建設関係の仕事をこなし、今年三月、区画整理課を最後に定年退職した。父親の長年の夢を知っていた長男のOさんは、退職と還暦の祝いにと昨年八月、貸し切り列車の運行を思いついた。盛岡―八戸間の貸し切りは青い森鉄道とIGRにとっても初めて。Oさんと両社の担当者は電話や電子メールで打ち合わせを重ね、本番に備えた。
列車は臨時快速「おがちゃん号」と名付けられ、Aさんのかつての同僚や友人、親せきら約八十人が乗車。十一日昼すぎ、八戸駅を出発し、同区間を一往復した。
旧国鉄時代と同じ紺色のスーツを着込み、右腕に「車掌」と書いた腕章を巻いたAさんは、切符の改札や車内アナウンスを行い一日車掌を満喫。周囲から「おめでとう」「お疲れさま」と温かい声を掛けられ、思い出話に花を咲かせた。
Aさんは「この年になって車掌を務めるとは、思ってもみなかった。やはり自分には鉄道が似合いますね」と親孝行に感動した様子。Oさんは「準備は大変だったが、父の笑顔を見られて本当にやってよかった」と満足そうに話した。
デーリー東北より
親子2代で「鉄ちゃん」といいましょうか。私の高校在学時に国鉄民営化が決まり、新規採用ストップ。機関士になりたかった私は別の進路を考える事になった。その気持ちよくわかります。同級生のお父さんにも転職した方がいたので、これを考えている方もいるだろうね。
ロングシートに折り畳みテーブルだが、この様なイベントには便利だ。10年ほど前にオールロングシートはいかがなものか、といわれた電車だ。屋形船状態とはちがう感覚で楽しむには良いかもしれない。
Posted at 2009/04/14 15:25:16 | |
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