
自治体経営 どう生きる 人口減社会(2009/04/26)
 一九二九年の市制施行当時、約五万一千人だった八戸市の人口は、六六年には二十万人の大台を突破した。二〇〇五年の南郷村との合併時には二十五万人に到達。北東北の拠点都市として順調に人口を伸ばしてきた。だが、全国の地方都市と同様、少子高齢化の波が押し寄せる。将来、税収減などにより厳しい財政運営を迫られるのは必至で、自治体経営の見直しは避けて通れない課題だ。
 
 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、市の人口は二〇一五年に約二十三万人、二〇年には約二十二万人に減少。その後も減り続け、約二十年後の三〇年には、二十万人を切る寸前まで落ち込む。
 さらに、全人口に占める生産年齢人口(十五―六十四歳)の割合は、54・7%にまでダウン。逆に老年人口(六十五歳以上)の割合は35・1%と、三人に一人が高齢者になる―と予測している。
 生産年齢人口の減少と高齢化は、自治体経営に税収不足と義務的経費の膨張という難題を突き付ける。
 市財政課は「個人の所得も税率も今のままなら当然、市税収入は少なくなる。将来、生活保護費など扶助費の増加が見込まれ、財政環境は一段と厳しさを増す」と分析する。
 
 その一方で、人口減少を悲観的にとらえることはない―との意見もある。
 青森公立大学の遠藤哲哉教授(経営学)は、生産年齢層がしっかりと仕事をし、税収を支えれば経営は成り立つ―と主張する。
 そのためには「個人や企業の所得を上げるために産業振興は不可欠。従来の企業誘致ではなく、人材育成に力を入れることが重要」と説明する。
 高齢者の潜在能力にも着目。「若者に比べ経験や知識が豊富。活躍できる場をどんどん作るべきだ」と指摘。「八戸には工業、漁業、観光資源、新幹線、高速道路と何でもあり、多くの可能性を秘めている。市発展の鍵を握るのはそれらを生かすマンパワーだ」と強調する。
 市町村合併による人口規模の維持には「瞬間的に増えるが一時的なもの。魅力的なまちづくりを進めれば自然と人は集まる」と安易な合併は進めるべきではないと訴える。
 八戸市の人口は、一九八一年に二十四万人を突破してから約三十年間、大きな変動がない。周辺七町村との定住自立圏構想といった新たな取り組みも始まるが、現状で人口増は望めない。
 人口減少社会の中で、どのような地域をつくっていくか。既存の産業を守りながら、“人づくり”に力を入れ、さらに足腰の強い産業を構築していく―。地道ではあるが、やはり人材育成が鍵となるかもしれない。 
   デーリー東北より
「八戸市の人口は、一九八一年に二十四万人を突破してから約三十年間、大きな変動がない。」
私が中三の時である。人口が増えない、というより八戸で育った人も卒業と同時に他県に進学・就職することが"たいへん"多い。八戸周辺に進学・就職する人の数といい「勝負」である。
 大学はかつて学業そして、「起業」を考え・準備する場ととらえる場所だった。今は、私の時もそうだが、大学は就職予備校化しているだろう。三〇歳までに「起業」できる学卒者はホンの一握りだ。
 「若者に比べ経験や知識が豊富。活躍できる場をどんどん作るべきだ」年輩者の「起業」は若者にくらべればやりやすいかもしれない。更に工業・商業のみならず農林業・水産業とバランスが取れればいいのだが。先輩が「起業」して若者がやがて引き継ぐ、これが増えれば活性化するのはわかっているんだろうけどね。
  Posted at 2009/04/26 14:44:00 |  | 
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