
図・東西で異なる周波数
玄葉氏、東電国有化「あり得る」 巨額賠償の可能性で
玄葉光一郎国家戦略担当相は29日の閣議後会見で、政府内で東京電力の国有化案が浮上しているとの一部報道について「東電の在り方はさまざまな議論が当然あり得るだろう」と述べ、国有化も選択肢の一つになり得るとの見解を示した。
原子力損害賠償法に基づき、東京電力は福島第1原発事故の影響に対し巨額の補償金の支払いを迫られる可能性が高い。政府も一部を負担する方針だが、金額によっては、東京電力の支払い能力を超える恐れもある。
玄葉氏は「原子力は国策で推進してきたのだから、最終的に国が責任を持つことが必要だ」と述べ、東京電力が民間企業として負担しきれない部分は国が肩代わりすると強調。その際には東電の経営体制の見直しも議論の対象になるとの見方を示した。
枝野幸男官房長官は同日の記者会見で、国有化について「現時点で政府がそういった検討をしていることはない」と否定。政府として東電に対し、「まずは事故の収束に全力を挙げ、その上で影響を受けている人への対応をしっかりしてもらう。そのことに全力を尽くすよう指揮する段階だ」と述べるにとどめた。
2011/03/29 12:23 【共同通信】
試される日本経済 大震災の衝撃
計画停電
「融通」阻む東西の壁 電力不足の対策進まず(2011/3/29)
あすから「計画停電」を行う―。未曽有の被書を出した東日本大震災の発生から2日後の13日夜。東京・内幸町の東京電力本社で同社幹部が、100人以上の記者に対し説明を始めた。
地域るとに電気を順番に止める計画停電は米国などで例があるが、日本では戦後の混乱期を除き初めてだ。清水正幸社長は「お客さまや社会の皆さまに誠に申し訳ない」と謝罪した。
電力不足への対策としては、西日本の電力会社から電気を融通してもらうことが考えられるが、
「東西で電気の周波数が違うため、わずかしかできない」(東京電力の幹部)という。
日本の電力は東日本は周波数50め、西日本は60ぅと分かれており、東西間の融通には周波数の変換が必要となる。
そのための変換施設は静岡県と長野県に計3カ所しかなく、西から東に融通できる電力量は100万kwにとどまる。東電は今回の震災で最大2100万kwの発電能力を失っており、100万kwでは到底足りない。
実は、東電はこれまで何度も電力不足の危機に陥り、そのたびにこの周波数の問題が議論になった。2003年には、前年に発覚した原発トラブル隠しの影響で大半の原発が停止。それを受け停電の恐れが高まった時も、融通問題がクローズア
ップされていた。
だが、対策はほとんど進まなかった。変換施設の建設に膨大なコストがかかることを理由にしているが、ある電力関係者は「東西融通を進めると業界再編につながるかもしれない。そのため、各社とも積極的に動かなかった」と明かす。
この関係者はヽ東西の電力供給体制が一体化すると、現在は地域独占の電力各社間の競争が激化する可能性がある」とも語った。電力各社が競争を回避し、すみ分けた結果、東西の分断が続き、今回の危機の一因となった構図が浮かび上がった。
計画停電は、首都圏の生活や企業活動に大混乱をもたらしている。ある精密機器メーカーは「停電スケジュールも不明確。こんな状態ではとても生産できない」と悲鳴を上げる。計画停電は産業界の基盤をむしばみ始めた。
■ ■ ■
東日本大震災と福島原発事故は、基幹部品や電力の安定供給体制を粉砕し企業活動の動脈を止めた。政府が成長戦略の柱として推進してきた原発輸出も見直しは必至。危機的状況の中、金融システムのほころびもかいま見えた。日本経済は前代未間の試練に直面した。
デーリー東北 より
リスク回避では「自家発電」が常識。総合病院では常備しているのが当たり前になった。これからは生産現場でも装備されていくだろう。
ただ"普段"から電力が逼迫しているため、電力周波数の壁は取り払いたいのは間違いない。そのため、原子力発電を手段に使った。原子力という「国策」事業を進める以上は、国はもっと経営などにも踏み込むことになる。脱原子力に転換しても、この壁に手を付ける可能性もあるが。
Posted at 2011/03/29 14:26:32 | |
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