
特急、落下した部品で脱線か 避難誘導に遅れ、陳謝
JR石勝線のトンネル内で燃えた特急列車の最後尾車両=28日午前、北海道占冠村(JR北海道提供)
北海道占冠村のJR石勝線のトンネル内で特急スーパーおおぞら(6両編成)から出火、乗客40人が救急搬送された事故で、JR北海道(札幌市)は28日午後記者会見し、特急が停車した地点から約2キロ手前で車両の部品が落下、その後脱線したと明らかにした。落下部品が走行に影響したとみて詳しく調べている。
事故をめぐっては、乗客から火災時の避難誘導がなかったとの批判が多数寄せられ、同社は対応の遅れを認め陳謝した。
道警は車両の点検整備に問題があった可能性があるとみて、近く業務上過失傷害容疑でJR北海道本社などを家宅捜索する方針。
同社によると、4両目のエンジンの回転を車輪に伝える推進軸と部品が線路上に散乱していた。脱線したのは5両目の車輪の一部。当時列車は時速120キロ(制限速度125キロ)で走行していた。
2011/05/28 22:25 【共同通信】
特急脱線:800メートル手前 車両下部の部品2個が落下
北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝線トンネルで特急列車「スーパーおおぞら14号」(6両編成)から白煙が上がり、乗客ら約240人が避難した事故で、JR北海道は28日、列車が脱線していたことを明らかにした。脱線したとみられる約800メートル手前で車両下部の金属部品2個が落下しており、同社は部品落下で列車に何らかの異常が生じたとみて事故原因を調べている。
同社によると、落下したのは脱線した2号車の前の車両下部にあるエンジンと車輪をつなぐ「推進軸」(長さ約1.1メートル、重さ約83キロ)。鉄製の円筒状の部品が一部破損し、脱線した痕跡が残っているトンネル入り口から約600メートル手前の地点から約800メートル離れたところに落ちていた。
列車は脱線後、約700メートル先の「第1ニニウトンネル」内部で緊急停止しており、列車は鉄製部品が破損したまま約1.5キロ走行していた。3号車は01年製で、カーブを高速で走行できる「振り子式」と呼ばれる特殊な台車を使用。昨年12月に工場検査を終え、今月25日にも運転士による検査が行われていたが、異常はなかった。
また脱線後、白煙が上がり、車両に充満したのは後方の1~3号車で、乗客は非常用ドアコックを開けて車外に脱出した。車掌は煙の出所を探したり、トンネルからの脱出ルートの確認をするため車両を離れ、乗客に避難を呼び掛けたのは約20分後だったといい、同社は「車掌は初動で火災との認識を持っていなかった。エンジン排気筒などの煙と誤認した可能性がある」と説明。対応の遅れを認め、陳謝した。
列車には乗員4人と乗客約240人が乗車。富良野広域連合消防本部によると、救急搬送されたのは乗客ら34人で、自ら病院で受診した5人を含め、計39人がけがをした。うち1人は重症という。
JR北海道の一條昌幸・鉄道事業本部長は「どのような経緯かは不明だが、原因を徹底解明し、再発防止に努める」と述べた。【伊藤直孝、吉井理記】
毎日新聞 2011年5月28日 23時02分(最終更新 5月29日 2時38分)
特急列車から煙、39人病院搬送
北海道占冠村のJR石勝線で27日午後10時ごろ、釧路から札幌へ向かっていた特急列車の車内から煙が出て、トンネルの中で動けなくなった後、火災が起きました。
列車には乗客240人が乗っていましたが、煙が充満する真っ暗なトンネルの中を全員が歩いて避難しました。
「煙が充満して、目の前の人の背中しか見えなかった」
「トンネルの中は本当に地獄で、何も見えなくて、途中でもう死んでもいいかなと・・・」
「苦しかったです。煙で死ぬのは、こういうことかなと思うぐらい、本当に初めて苦しいっていうのを体験しました」
「JRは(列車から)出るなと言ったが、若者が(列車から)出てくれて助かった。今頃、くん製だった」(乗客)
やけどなどをした39人が病院に運ばれましたが、命に別状はありません。
28日午後には、国の運輸安全委員会の調査官が現地に入り、事故原因の究明が始まりました。
「列車は、占冠を通る緩いカーブで何らかのトラブルがあったものとみられます。そして、枕木に点々と傷をつけながら札幌方向へと走りました」(記者)
JNNの取材では、列車が脱線した痕はトンネルの1キロ手前にある鉄橋の上から始まっていて、あたりには推進軸と呼ばれる台車の部品も散乱していました。
このため警察などは、台車に何らかのトラブルが生じ、車輪がレールから外れたとみて調べています。(28日17:30)
TBS News-i
キハ283系ディーゼルカーのシャフト欠落事故を起こしたようである。それによる機関破損の火災であろう。
1972年(昭和47年)北陸トンネル内の急行きたぐに号列車火災もこの状況に近いかもしれない。この事故以降、列車食堂車連結を取り止める切っ掛けになった。
「FURICO 283」は1995年から車両であり、そんなに古くはないと思う。運転していても分かりそうな気もするが・・・。
Posted at 2011/05/29 11:47:05 | |
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