
写真・十和田観光電鉄 鉄道ファン向け公式サイト
レールファンとうてつ より
31日で鉄路廃止白石十鉄社長に聞く
"地域の電車"と実感(2012/3/30)
89年の歴史を持つ十和田観光電鉄線(十和田市一三沢、14.7㌔)が31日で廃止される。上十三地域の発展に貢献し、十鉄の看板事業であり続けた鉄路だが、近年は慢性的な赤字に苦しんでいた。白石鉄右工門社長に、鉄路廃止を控えた心境や廃線後の経営方針などを聞いた。 (聞き手・工藤文一)
―廃線が目前に迫った。
電車の利用は3月に入り、鉄道ファンに加え、地元の人が目立つようになった。親子連れや祖父母が孫と乗りに来る様子を見て、あらためて"地域の電車"だったと感じている。
―公共交通として鉄道の維持と経営面の兼ね合いで苦労した。
沿線自治体と青森県、国からは2002年のステンレス車両導入をはじめ、国の基準に従い多額のご支援を頂いてきた。しかし、利用者が減り続ける中では、もう限界だ。今にして思えば、もっと前から何らかの増収策を講じるべきだった。グッズ販売など素材もあったはず。率直に反省している。
―旧とうてつ駅ビル店跡地の再開発に、どのように関わるのか。
新たなバス発着場のような施設について、開発事業者から正式に提案があれば前向きに検討したい。どんな形状の建物を建て、どういうバスの回し方を期待しているのか。バスのターミナル機能を残すことは拒まない。
―車庫や変電所のある七百駅の今後は。
ステンレス車両の8両は売却する方針。機関車2両とレトロ電車2両は当面、事庫に収めておくつもりだ。変電所も保存したい。1951年の電化当時から現在も稼働しており、まさに遺産。真ちゅう製で、見れば誰もが感動する。動いている間は関係者以外、絶対に人が入れない場所だ。
―鉄路廃止で代替バスを運行する。
実証運行では雪の日に10~15分の遅れが出たが、それ以外は想定した時刻通りに運行できた。代替バスは4月1日からスタートするが、高校の入学式がある9日以降が本番。全国的には、鉄道からバスに転換すると利用者が3〜4割減ると言われているが、何とか減少を最小限にとどめ、本数やダイヤを維持したい。関係者にもぜひ、利用促進をお願いしたい。
―今後の経営方針は。
不採算部門をやめることで資金の流出を止め、収益部門の観光、レジャー事業に投入する。これで、会社をあるべき方向に持っていける。何とか東日本大震災前の水準に戻し、12年度は黒字を目指す。
―社名変更の考えはあるか。
自分が社長の任にあるうちは変えない。廃線にはなったが、十鉄は鉄道から始まった会社。思い入れがある。
デーリー東北 より
十鉄線は
開拓鉄道の趣だ。新幹線七戸十和田駅開業直前までは「十和田市-三沢」の通し旅客が望めた。現在は真の"三本木-古間木"でしか望めない。青森県・十和田市・六戸町は民間バス会社で維持できると、本気で思っているのか・・。
Posted at 2012/03/30 08:17:58 | |
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さよなら、十鉄線 | ニュース