
30年ぶりに日産首位奪還!
「ノートvsプリウス」の販売台数対決で2017年は「トヨタvs日産戦争」が見られる!?
2017.01.01
清水草一×渡辺敏史両氏による恒例のゆく年くる年自動車放談は、今回で14回目。愛すべきクルマバカの2人が2016年の自動車業界を振り返り、2017年に思いをはせる。
◆自動車業界ゆく年くる年クルマバカ新春放談2017
自動車ライター・清水草一 × 自動車ライター・渡辺敏史
――前回の2016年上半期放談では、走行用バッテリーを充電する世界初のソーラー充電システムを搭載するプリウスPHVの10月発売予定を受けて「無銭走行で生活防衛しよう!」という内容だったんですが。
清水:発売延期になっちゃったんだよ。
渡辺:夢の無銭走行は春までおあずけですね。
――では、2016年の自動車業界を振り返ると。
清水:なんといっても最大の話題は、高齢者の暴走でしょ。
渡辺:確かに。
清水:これは日本自動車業界の総力を挙げてなんとかしなきゃいけない問題だよ! 町工場が開発したナルセペダル(アクセルとブレーキの踏み間違い事故を防ぐワンペダル)っていうのはあるけど。
渡辺:ほとんどのクルマに後付けできるらしいですね。あとオートバックス(ペダルの見張り番)も出しましたし。
清水:なにしろ俺、20代の頃レース中にやったことあるんだよね。コーナーの立ち上がりでアクセル踏み始めてるときに後ろから追突されて、その瞬間、強い衝撃でわけわかんなくなっちゃって、そのままアクセル全開にしちゃったの。俺は20代でやっちゃったんだから、他人事じゃないんだよ。それにしても、大メーカーから解決案が何も出てこないね。
渡辺:ステーメント出しにくいですよね。暴走事故で一番多いのはトヨタ車だと思うけど、それはシェア50%、2台に1台はトヨタ車だから必然的にそうなるわけで。
清水:我々にはどうしようもないから、とにかくなんとかしてほしい!我々が高齢者になって、踏み間違いする前に、なんとかなってるといいけどね。
渡辺:あと20年たてば我が身ですから。
◆30年ぶりに日産首位奪還!
清水:もうひとつ、俺が挙げたい最大のニュースは「日産ノート、30年ぶりの首位」(2016年11月の月間販売台数1万5784台で1位獲得)でしょ。
渡辺:僕も同意します。1位かよって、びっくりしました。
清水:ナベちゃん、ノートe-POWER(電動駆動モデル)乗った?
渡辺:広報車、予約いっぱいでまったく借りれないんです。
清水:広報車も大人気か。試乗会に行っておいてよかったよ。それにしても、あれが首位になるなんて、考えもしなかったよ! なんでウケたんだろう?
渡辺:マイナーチェンジだけだし、カッコもどうでもいいじゃないですか。それでもアクアとプリウスにかぶせることができたのは、乗ると少なからずいいところがあるんでしょうね。
清水:乗った感じは新しいよ。テスラやBMWi3みたいな強力な回生ブレーキが効いて、ブレーキ踏まなくても運転できちゃうのがおもしろいし、セレブ感がある。でもそれってマニア向けだし、まさか一般大衆に広くウケるとは思わなかった。だいたい一般大衆はテスラもi3も乗ったことないだろうし、e-POWERだって試乗して買ってないでしょ。
渡辺:じゃあ、日産レンタカーにめちゃめちゃ押し込んだとか(笑)。
清水:とりあえず1位獲るぞって(笑)。なるほど、思い切り自社登録して30年ぶりの快挙を演出した!? ホントですか?
渡辺:1万5000台以上売れてんですよね。こんな数字は日産では久しくなかったですよ。
清水:自分のブログにも書いたけど、とにかく内装のセンスがひどい!
渡辺:でも今回のマイチェンでちょっとよくなりましたよね。
清水:全然だよ! もう死にたくなるような内装だよ! 運転席に座って「これ買おう!」と思うこと自体すごいなあと思う。外見はあのクラスのクルマはあの程度だから。そんな悪くないと思うけど。
渡辺:そんなノートでもe-POWERっていうデバイスひとつでアクアとプリウスをうっちゃったわけですよ。快挙ですよ!
清水:快挙だよ! よくやった! でもナベちゃん、乗ってないのはダメだよ。時代に乗れてないね。
渡辺:すみません、完全に出遅れてます(笑)。
清水:俺もわざわざ試乗会に行ったのに、まだどこにも書いてないけどさ(笑)。
渡辺:燃費はアクアくらい出てますよね?
清水:『ベストカー』のテストだと、アクアよりちょっと落ちるみたい。
渡辺:でもまあ、我々のカー・オブ・ザ・イヤー2016はノートe-POWERで決まりじゃないですか、乗ってないけど(笑)。
清水:日産はセレナの自動運転もよかったし。
――三菱自動車の再建も引き受けました。
渡辺:2016年はだいぶ日産がやっちゃってる。思えば2016年は日産イヤーだったわけですね。
清水:最後に月間1位を獲った。国内市場をとことん軽視してきたイメージのある日産がすばらしいじゃないですか! GT-Rもちゃんと年次改良したし。
――GT-Rといえば、日本が誇るスーパーカーのもう1台、ホンダNSXも26年ぶりにフルモデルチェンジしましたが……。
清水:しまった、忘れてた(笑)。そういえば、あったね。
渡辺:ノートe-POWERにかき消されちゃいましたね。
◆2017年トヨタvs日産戦争勃発!?
――2017年注目の新車は?
清水:レクサスLCはカッコいいよね。
渡辺:秋にはLSも出ます。
――2017年はトヨタイヤーになりますか?
渡辺:我々の期待の星プリウスPHVもようやく出ますし
清水:初期投資はかかるけど、陽に当てれば走れる。庶民の夢だね
渡辺:日産でいえば、可変圧縮比エンジンが2017年から実用化されるんじゃないかと。それが果たしてどのクルマに積まれて、日本で売られるか否かがポイントかもしれませんね。可変圧縮比エンジンこそ、僕的には2016年の日産で一番びっくりしたことかもしれない。ずっとやってたんだって。10年くらい前(2005年2月)に発表された先進技術なんで。
清水:日産、恐るべし!
渡辺:日産ってコソ練が多いんですよ(笑)。
清水:隠れて頑張っている。ということは、高齢者問題も日産だね。サプライズでドーンと抜本的対策を出してくれることを期待したい。
――2017年、トヨタはプリウスPHVにレクサスの2台。日産は可変圧縮比エンジンの実用化とサプライズに期待ですか。
渡辺:ノートvsプリウスの販売台数対決も見ものですよ。2017年は、20年ぶりくらいにトヨタvs日産戦争ですね。
清水:懐かしいね。中高年は燃えるよ! でもその前に、12月のノートの販売台数(1月11日発表)がどれくらい下がるかを見なきゃいけないよね(笑)。
◆新車発売スケジュール予想
1月
スズキ・スイフト
VWティグアン
東京オートサロン2017(1/13〜15)
2月
トヨタ・プリウスPHV
マツダCX-5
プジョー3008
マクラーレン・ホンダMP4-32
3月
レクサスLC
スズキ・ワゴスンイR
メルセデス・ベンツGLCクーペ
ボルボS90
シボレー・カマロ
4月
スバルXV
ボルボV90
6月
ホンダN-BOX
8月
レクサスLS
ホンダ・シビック
10月
第45回東京モーターショー2017(10/27~11/5)
写真/NISSAN VW TOYOTA MAZDA Mercedes-Benz PEUGEOT VOLVO GM HONDA
日刊SPA!
≪くだめぎ?≫
10㌧車に"オートマ"の時代である。ハイエースでも大半はAT車なのだろう。MT車で免許習得し、10年以上に車通勤してから初めてAT車にさわった私にとっても、クラッチペダルだけでなく、アクセルペダルの動かし方が微妙に違うことに今でも戸惑う、将来ブレーキペダルと踏み間違うかも・・・と心配。初めてのオートマが「フォークリフト」だったから、仕事場・倉庫の"電動フォークリフト"と同様なモノと考え慎重に運転すべき、と個人の感想だ。
"ノートe-POWER"って、以前のコースターハイブリッドEVと同様では。なら、新型コースターでも楽しみであるが・・。