
スズキの新型ワゴン『スウェイス』、トヨタ カローラ ベースのOEM…欧州発表
2020/09/18 17:26 レスポンス
《photo by Suzuki》スズキ・スウェイス
スズキの欧州部門は9月15日、新型ワゴンの『スウェイス』(Suzuki Swace)を発表した。トヨタ『カローラ・ツーリングスポーツ』(欧州向け『カローラ・ツーリング』)のOEMとなる。
スズキとトヨタは2017年2月、業務提携に向けた覚書を締結した。両車の業務提携の内容のひとつが、トヨタの電動化技術や電動車のスズキへの供給と、スズキの強みである小型車や小型パワートレインのトヨタへの供給だ。
両社の業務提携の具体的成果として、欧州市場でトヨタはカローラ・ツーリングスポーツをスズキにOEM供給し、スズキはスウェイスの車名で、欧州市場で販売する。なお、今回のOEM供給は、トヨタが『RAV4 PHV』をスズキにOEM供給し、スズキは『アクロス』の車名で、欧州市場で販売することに続くものだ。
◆フロントグリルやバンパーが専用デザイン
スウェイスのエクステリアは、ベース車両から一部変更された。フロントは、グリルに配されていたトヨタエンブレムをなくし、その上方のボンネット先端に、スズキのエンブレムを装着する。
フロントバンパーも専用デザインとした。バンパーグリルは3分割として、カローラ・ツーリングスポーツとの違いを強調している。
大容量の596リットルのラゲッジコンパートメントは、さまざまな荷物やレクリエーションアイテムを積むのに充分なスペースを持つ。カーペット敷きのフロア板は、高さ調整が可能だ。また、汚れたアイテムを積む時には、フロア板を裏返して、表面が樹脂側に積載できる。レバーを使用して後席を折りたためば、完全にフラットなスペースに拡大する。ワンタッチで格納できる取り外し式トノーカバーを採用した。トランクルームには、自動ライトとDC12Vアクセサリーソケットが装備されている
◆1.8リットルのハイブリッドのみ
カローラ・ツーリングスポーツのパワートレインには、1.8リットルと2.0リットルの2種類のハイブリッドが設定されるのが特長だ。
一方、スワイスのハイブリッドは、1.8リットルのみとなる。1.8リットルのハイブリッドは、1.8リットル直列4気筒ガソリンエンジン(最大出力72hp/5200rpm、最大トルク14.5kgm/3600rpm)に、モーター(最大出力72hp、最大トルク16.6kgm)を組み合わせたものだ。トランスミッションはCVTで、0~100km/h加速11.1秒、最高速180km/hの性能を発揮する。
1.8リットルエンジンは、摩擦低減対策、より大容量のEGR(排気ガス再循環)システム、熱管理の最適化などの改良を実施した。出力や静粛性に影響を与えることなく、トヨタの「GA-C」プラットフォームに適合するように小型軽量化された。また、バッテリー(二次電池)は、蓄電容量3.6kWhのリチウムイオンとし、燃費のさらなる向上を目指している。欧州市場で重視されるCO2排出量は、78g/km(NEDC:新欧州サイクル)に抑えられた。
◆ハイブリッドに3種類の走行モード
スウェイスには、「NORMAL」、「ECO」、「SPORT」の3つの走行モードが用意される。NORMALモードは、乗り心地、走行安定性、燃費の最適なバランスを提供し、通常の運転に適したモードだ。
ECOモードは、環境に優しい方法で加速し、より緩やかなスロットルレスポンスとしているのが特長だ。エアコンの使用を最小限に抑え、燃費を向上させる。このモードは、ストップ&ゴーの多い都市走行に適している。
SPORTモードは、ハイブリッドシステムを制御して、素早く強力な加速を可能にする。ワインディングロードなどで、俊敏なレスポンスが必要な場合に適しているという。
carview
トヨタ・カローラツーリング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カローラ ツーリング(COROLLA TOURING)は、トヨタ自動車が生産しているステーションワゴン型の乗用車である。トヨタ・カローラとしては12代目のモデルとなる。
本項では、プラットフォームとデザインの一部を共有したステーションワゴンタイプのヨーロッパ諸国向け仕様「カローラ ツーリングスポーツ」(COROLLA TOURING SPORTS)についても便宜上、詳述する。なおこの代のカローラのステーションワゴンタイプは、日本、ニュージーランド、欧州のみでの発売となる。
1 歴史(日本仕様)
1.1 初代(シリーズ通算12代目) E21#W型(2019年-)
-自動車のスペック表-
トヨタ・カローラツーリング(初代)
NRE210W/ZWE211W/214W/ZRE212W/MZEA12W型
販売期間 2019年9月17日 -
設計統括
・小西良樹
・上田泰史
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン
エンジン
・8NR-FTS型 1.2L 直4 DOHC(ガソリン前輪駆動の6iMT車専用)
・2ZR-FAE型 1.8L 直4 DOHC
・2ZR-FXE型 1.8L 直4 DOHC(四輪駆動を含むハイブリッド車専用)
・M20A-FKS型 2.0L 直4 DOHC
駆動方式
・前輪駆動:ガソリン車・ハイブリッド車
・四輪駆動:ハイブリッド車(e-Four)のみ設定
モーター 1NM型 交流同期電動機(ハイブリッド車)
変速機
・Super CVT-i(1.8Lのガソリン車専用)
・Direct Shift-CVT(2.0Lのガソリン車専用)
・6速iMT(ガソリン車の1.2Lの前輪駆動専用)
・電気式無段変速機(四輪駆動を含むハイブリッド車専用)
サスペンション
・前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
・後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
全長 4,495mm
全幅 1,745mm
全高 1,460mm
ホイールベース 2,640mm
ブレーキ
・前:ベンチレーテッドディスク
・後:ディスク
先代 トヨタ・カローラフィールダー
プラットフォーム GA-Cプラットフォーム
・2019年8月2日
日本市場向けカローラシリーズのセダンモデル、およびワゴンモデルを同年9月17日にフルモデルチェンジすることが明らかとされた[1]。
・2019年9月17日
予定通りフルモデルチェンジが発表された[2]。ワゴンモデルは従来の「カローラフィールダー」から一新し、「カローラ ツーリング」と命名された。キャッチフレーズは「あなたの真ん中へ。この世界の真ん中へ。」で、2020年8月からのCMには菅田将暉[注釈 1]とOKAMOTO'S[注釈 2]が出演している。
グレード体系はガソリン車・ハイブリッド車共通で、「G-X」・「S」・3代目フィールダーから継続の「W×B」の3グレード[注釈 3]となった。
プラットフォームは後述する欧州向けモデルと同じGA-Cプラットフォームが採用されて3ナンバーとなったものの、ボディは日本国内専用設計となり、全高は国外向けモデルと同じだが、全長で155 mm・全幅で45 mmそれぞれ小さく、ホイールベースも60 mm短くなっているほか、同時発売されたセダン同様、前後オーバーハングも当然、短縮されている[注釈 4]。また、ドアミラーの取り付け位置を変更することでミラー格納時の全幅は3代目フィールダーと同等としている。
外観はフロントフェイスにおいて大型台形のロアグリルフレームとメッシュグリルに統一され、ヘッドランプは光源をLED化してラウンドを強めた一文字形状とした。また、立体的な造形を実現するため、バックドアは樹脂製となった。ボディカラーは「G-X」系グレードと「S」系グレードは新規開発色の「セレスタイトグレーメタリック」を含む7色展開、「W×B」系グレードは新規設定色の「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」を含む3色展開としている。内装はインストルメントパネルが薄型・ワイド化され、Aピラーは細形化された。荷室にはリバーシブルデッキボードが設定されており、上段にセットして後席を倒すとフラットなスペースが、下段にセットすると背が高い荷物の積載が可能な2段式[注釈 5]とし、裏面はタフユースに対応した樹脂とした。
パワートレインは全面刷新され、ガソリン・CVT車とハイブリッド車は排気量を3代目フィールダーの1.5 Lから1.8 Lにアップし、ガソリン・CVT車はバルブマチックエンジンの2ZR-FAE型に、ハイブリッド車は2ZR-FXE型にそれぞれ変更。ガソリン・MT車は反対にダウンサイジングされ、カローラスポーツと同じ1.2 L直噴ターボエンジンの8NR-FTS型に変更された。また、ハイブリッド車は3代目フィールダーでは設定されなかった4WDが新設され、電気式4WDシステム「E-Four」を搭載。ガソリン・MT車はカローラスポーツと同じ「i-MT」となり、6速に多段化された。
中間グレードである「S」グレード、上位グレードである「W×B」系グレードでは電動パーキングブレーキ(ブレーキオートホールド機能付き)が装備され、下位グレードの「G-X」グレードではレバー式となっている。
さらに、日本国内のトヨタ車で初となるディスプレイオーディオが全車標準装備されており、SmartDeviceLink・Apple CarPlay・Android Autoに対応してスマートフォンとの連携が可能なほか、エントリーナビキットまたはT-Connectナビキットを選択することで車載用ナビ機能を利用することが可能である。カローラスポーツ同様にDCM(車載通信機)も標準装備されており、コネクティッドサービスの利用も可能である。
「W×B」系グレードでは専用装備として、2連続のJ字形状のクリアランスランプ&デイライトが追加され、ホイールやミラーカバーなどにはグレーメタリックが施され、フロントシートにはスポーティシートが採用されている。
なお、先代モデルであるカローラフィールダーは2019年9月現在、ビジネスユーザー等に特化したグレード体系に刷新の上、併売されている[3]。
・2019年12月
ニュージーランドで「カローラワゴンGX」発売開始。日本の「G-X」グレード相当の単一グレードのみ展開される。ニュージーランドでは日本と同じようにハッチバック、セダン、ステーションワゴンの3タイプ用意されるが、ワゴンのみ日本からの輸出であるため、ハッチバック、セダンは国外仕様の全長・全幅(1790mm)に対し、「カローラワゴンGX」は日本国内仕様と同じ車両サイズとなっている。
・2020年5月1日(補足)
東京都を除く全ての地域での全車種併売化に伴い、トヨタ店、トヨペット店、ネッツトヨタ東都・ネッツトヨタ多摩を除くネッツ店での販売が開始された。
・2020年5月13日
特別仕様車「G-X"PLUS"」・「HYBRID G-X"PLUS"」・"2000 Limited[注釈 6]"が発表された(「G-X"PLUS"」・「HYBRID G-X"PLUS"」は同日より発売、"2000 Limited"は6月1日発売)[4]。
「G-X"PLUS"」・「HYBRID G-X"PLUS"」は「G-X」・「HYBRID G-X」をベースに、ベースグレードではメーカーオプションとなっているインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]とバックガイドモニターが特別装備され、リアドア・リアクォーター・バックドアガラスはUVカット機能付プライバシーにグレードアップ、メーター周りやステアリングホイールなどにシルバー塗装が施され、エアコン吹出口のレジスターノブはサテンメッキ加飾とした。
"2000 Limited"はエンジンに日本国内向けのカローラシリーズでは初採用となる2.0 LダイナミックフォースエンジンのM20A-FKS型を搭載し、トランスミッションはパドルシフト付10速スポーツシーケンシャルシフトマチックを備えたギア機構付自動無段変速機「Direct Shift-CVT」を採用。ハイブリッド車同様に「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得している。外観は切削光輝+ブラック塗装の17インチアルミホイール、シルバー塗装のルーフレールを装備。内装は既存の上級グレードの内装を採用するとともに、フロントシートはホールド性を向上し、表皮に撥水加工が施された上級ファブリックスポーツシートを採用。インストルメントパネルオーナメントやセンタークラスターなどにレッド加飾、センターコンソールやドアアームレストにグレーのステッチが施された。さらに、シートヒーター(運転席・助手席)、ステアリングヒーター、エアクリーンモニター、ナノイーが特別装備されたほか、ブラック加飾が施された9インチディスプレイオーディオ、オプティトロン3眼メーター+7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、カラーヘッドアップディスプレイなども装備された。ボディカラーは特別設定色の「レッドマイカメタリック」・「ブルーメタリック」を含む4色が設定される。500台の限定販売となる。
2 歴史(欧州仕様)
2.1 カローラツーリングスポーツ(Corolla Touring Sports)E21#LW/21#RW[注釈 7](2019年-)
-自動車のスペック表-
トヨタ・カローラツーリングスポーツ(初代)
NRE210W/ZWE211W/214W/ZRE212W型
欧州専売「カローラツーリングスポーツ」(ZWE211LW型)
販売期間 2019年9月17日 -
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン
エンジン
・M20A-FXS型 2.0L 直4 DOHC ハイブリッド
・8NR-FTS型 1.2L 直4 DOHC VVT-iW インタークーラーターボ
・2ZR-FXE型 1.8L 直4 DOHC ハイブリッド
駆動方式
・前輪駆動:ガソリン車・ハイブリッド車
・四輪駆動:ハイブリッド車(e-Four)のみ設定
モーター 1NM型 交流同期電動機(ハイブリッド車)
変速機
・Direct-Shift CVT
・CVT-iS
・6速iMT 電気式無段変速機
サスペンション
・前:マクファーソンストラット式コイルスプリング
・後:ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
全長 4,650mm
全幅 1,790mm
全高 1,460mm
ホイールベース 2,700mm
ブレーキ
・前:ベンチレーテッドディスク
・後:ディスク
別名 カローラトレック(欧州)
プラットフォーム GA-Cプラットフォーム
・2018年10月4日
パリモーターショーにて発表。従来欧州地域向けに販売されていたオーリスツーリングワゴンの直系の後継車種であり、イギリスで設計・生産される。販売は英国とヨーロッパ周辺地域のみとなる[5]。国内向けワゴンである「カローラツーリング」とはバックドア等一部のコンポーネントを共有するものの、全長、ホイールベースが国内仕様と比較して大柄となっている[注釈 8]他、フロントフェイス等外観の違いもあり、実質的には別車種となっている。
またほぼ同時に、本車をクロスオーバーSUV風に仕立てた「カローラ トレック」も欧州で発売されている。
・2020年9月15日
スズキの欧州部門が、欧州市場向けに「スズキ・スウェイス」の名前でOEM供給を受けることを発表した。[6]
3 脚注
3.1 注釈
[注釈 1]^ 2018年6月から2019年4月までカローラスポーツ、のCMに出演、2020年4月からは「KINTO」のCMに出演している。
[注釈 2]^ 2015年3月から2015年10月までカローラフィールダーのCMに出演していた。
[注釈 3]^ ハイブリッド車は「HYBRID G-X」・「HYBRID S」・「HYBRID W×B」のグレード名称となる。
[注釈 4]^ その結果、欧州仕様のツーリングスポーツに対し後部座席のレッグスペースやラゲッジ容量も縮小された。
[注釈 5]^ ただし、ハイブリッド4WD車やスペアタイヤ・アクセサリーコンセント装着車は1段式。
[注釈 6]^ "2000 Limited"はグレード名称ではないとの但し書きがされている。
[注釈 7]^ 大洋州仕様はE21#RW型、欧州仕様はE21#LW(左ハンドル、英国仕様除く)、またはE21#RW型(右ハンドル、英国仕様のみ)。
[注釈 8]^ 国内仕様のカローラツーリング、およびカローラセダンはいずれも既存のカローラスポーツを基本にフェンダー部分をそのままナローフェンダー化し、日本国内の道路・交通環境に最適化したものである。
3.2 出典
[1]^ “トヨタ、新型「カローラ」発表会を9月17日開催。インターネット中継実施(Car Watch)”. インプレス (2019年9月13日). 2019年9月14日閲覧。
[2]^ “TOYOTA、カローラ、カローラ ツーリングをフルモデルチェンジ、同時にカローラ スポーツを一部改良” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2019年9月17日)
[3]^ “トヨタ新型カローラ発売、新旧車種併売で販売店を支援”. 日本経済新聞 (2019年9月17日). 2019年10月4日閲覧。
[4]^ “TOYOTA、カローラならびにカローラ ツーリングに2つの特別仕様車を設定” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2020年5月13日) 2020年5月13日閲覧。
[5]^ New Toyota Corolla Touring Sports shown at Paris - 2018年10月2日(2019年9月16日閲覧)
[6]^ “スズキの新型ワゴン『スウェイス』、トヨタ カローラ ベースのOEM…欧州発表”. carview! (2020年9月18日). 2020年9月18日閲覧。
4 関連項目
・トヨタ自動車
・トヨタカローラ店
・トヨタ・カローラ
・トヨタ・カローラフィールダー - 先代車種
・トヨタ・カローラトレック - 欧州専売車種で既存のカローラツーリングスポーツのクロスオーバーSUV版にあたる。
・トヨタ・オーリスツーリングスポーツ - オーリスのステーションワゴンモデル。フルモデルチェンジに伴い、カローラツーリングスポーツへと改名。
最終更新 2020年9月21日 (月) 11:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
≪くだめぎ?≫
2013年4月~から投入されている
欧州専用『オーリス ツーリング スポーツ』
(全長4560mm・ホイールベース2600mm)が
2018年10月~に(全長4650mm・ホイールベース2700mm)
欧州専用『カローラツーリングスポーツ』としてモデルチェンジ。
~2018年8月欧州車「アベンシス」(全長4820mm・ホイールベース2700mm)に替わり、2017年7月~に日本版もフルモデルチェンジされた
「カムリ」(全長4885mm~・ホイールベース2825mm)が欧州にも投入された。ただ、セダンのみだ。
欧州専用『カローラツーリングスポーツ』は現行型の
「カローラ」セダン(全長4630mm・2700mm)(海外仕様)GA-Cプラットフォームワイド版を使用して2代目「アベンシス」(全長4715mm・2700mm)に何とか近づけた様である。これを"カリーナ サーフ"として日本投入は無いだろう・・ね。