目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
【現状】
シングルタービン+ウエストゲート方式にしてから、過給圧のオーバーシュートが酷かった為、
止むを得ずブーストコントローラーの制御開始圧や制御GAINを最小にしていました。
使っているブーストコントローラーはTRUSTのプロフェックB-Ⅱで、制御開始圧 0.1Kg/cm2、
GAIN 5%(最弱)の設定でなんとか使えるレベル。
以前のGT2530ツインの時は制御開始圧 0.9Kg/cm2、GAIN 25%の設定で綺麗に制御出
来ていました。
今回のウエストゲート方式への変更に伴い、ソレノイドの配管はNO(ノーマルオープン)から
NC(ノーマルクローズ)に変更しています。
【課題】
上記の設定では目標過給圧(Lo1.2K、Hi1.5K)に達するまでのブーストの立ち上がりが
遅く、目標値に達してからも過給圧がダラダラと垂れたりします。
しかしながら、この設定でもアクセルの踏み方によっては未だオーバーシュートが発生する
場合があり、ブーストによる燃料カットが働いてしまう事があります (^^;
症状としては、オーバーシュートと言うよりも、制御が追いついていない感じです。
具体的には、目標ブーストを1.5Kとした場合、正常に制御できる場合は1.2K位から過給圧
の上昇速度が鈍り1.5Kに安定するのですが、上手く行かないときは一気に2.0K近くまで
ハネ上がってしまいます。
V-PROにより、1.7Kで3気筒分、1.8Kで全気筒の燃料カット、更には1.6K以上で空燃比
を濃く、点火を遅くしブレーキを掛けているのですが、全く歯が立ちません。
尚、ブーストコントローラーをオフにした状態ではゲート開弁圧の0.9Kで安定しており、どんな
踏み方をしてもオーバーシュートは無く、常に安定しています。
【原因推定】
図1は現状のブーストコントローラーとウエストゲートの配管状態です。
⇒制御不能になるメカニズムを考えてみました。
①過給圧の掛かり始め
ブーストコントローラーは制御開始圧に達するまでは過給圧を早く立ち上げる為にソレノ
イドを開けています。従って、P1、P2ともに過給圧が掛かって行きます。
②ブーストコントローラーは実際の過給圧が制御開始圧を超えそうになるとソレノイドを閉じ
てオーバーシュートを抑制し、その後はDuty比率を変化させる事によりソレノイドバルブ
の開⇔閉比率を小刻みに調整し、P2配管内の圧力調整を行います。
③制御不能になっている状態
推測ですが、ブーストコントローラーは過給圧が高まってきた事を検知してソレノイドを
閉じますが、P2への通路を遮断するだけなので高まったP2配管内の圧力がなかなか
下がらず、制御不能に陥っている様に思えます。
ブーストコントローラーで対策するとすれば、3方ソレノイドを使った物や、細かな設定の
出来るHKS EV-5(STM式)等であれば制御可能と思われますが、新たにブーストコント
ローラーを買い直すのも馬鹿らしいので、配管で細工する事にしました。
2
【対策】
図2.は改善後です。
⇒P2の配管に小さな穴を開けたニップルを追加しました。
狙いは「ソレノイドを閉じた際にP2配管内の圧力を素早く下げること」です。
穴の大きさはΦ3.2、Φ2.0、Φ1.5 の3種類をテストした結果、Φ1.5で良い結果が得られ
ました。これでブーストコントローラーの設定値は制御開始圧 0.7K、GAIN 20%(調整幅
5~35%)と正常な範囲に収まり、オーバーシュートも無く、かなり綺麗に制御できる様に
なりました。
因みに、Φ3.2では穴が大き過ぎてブーストが1.0K迄しか上がらず、Φ2.0でもMax1.4K
でした。
ブーストコントロール配管はサージタンクから取り出していますが、RB26のサージタンク
はスロットル上流にあり負圧が発生し難いため、このΦ1.5の穴からエアやゴミを吸う可
能性は低く、また現状はDジェトロなので空燃比への影響も無視できます。
些細な改善ですが、こういう細かい調整の積み重ねが気持ち良さに繋がっていくものと
思っています v(^^)
3
【追伸】
<その後の状況>
・上述ではウエストゲートの昇圧側配管にオリフィスを追加して無理矢理に制御させる
事でなんとかブースト制御が出来ていました。但し、アクセルの踏み方によっては時々
制御不能→オーバーブーストになることが有ります。オリフィスを入れているので最大
でも1.6K迄しか上昇せず、以前の様な燃料カットに当たる事は無くなりました。
しかし、何故完全に制御できないのか?改めて原因を考えて見ました。
・尚、ブーストコントローラーOFFではウエストゲートによってきちんと0.9Kに安定制御さ
れていますし、ブーストコントローラーもタービン変更するまでは正常でしたので、この
2点については正常であるとの前提です。
<基本知識>
・市販のブーストコントローラーに使用されているソレノイドバルブは殆どが3方弁を使
っている様です。因みにRB26純正のソレノイドは2方弁です。
従って、配管方法が異なります。詳細は図3をご覧下さい。
4
<原因推定と改善>
・私は今使っているソレノイドバルブが2方弁だと勘違いしていました。
冷静に考えてみると、社外品では一般的に割り込み配管で接続され、ここで2方弁
を使用したとすればアクチュエータに込めた圧力を瞬時に逃がす事が出来ないので、
上手く制御出来ませんよね。
(昔の話ですが、社外品のソレノイドのINとOUTを逆に接続した事が有って、この
状態では全くブーストコントロールが出来ませんでした。上記の理屈ですね。)
・さて本題ですが、もう一度 図1で説明します。
ブースト圧が掛かり始めるとP1、P2の圧力が高まって行く訳ですが、目標圧力に近
付くとブーストコントローラーがDuty比を下げて、ソレノイドバルブの開弁率を下げ、
圧力制御を行います。この時に(ソレノイドバルブは3方弁ですので)P2の配管内圧
力は大気にリークされますが、実はP1の配管も繋がっているためにP1側の圧力も
同時に下がってしまっていると思われます。
これでは上手く制御できるはずがありません。←これに気付きませんでした(恥)
・そこで図4の様にP1、P2のサージタンクからの取り出し口を独立させる事にしました。
これで完璧!!!
と思いましたが、ウ~ン少し良くなりましたが・・・(T_T)
『 ウエストゲートの配管は独立で 』 ←コレ、たぶん常識なんでしょうね!!
5
【最後の追伸】
これまで苦労してきたブースト制御ですが、約1ヶ月後に控えた走行会に向けてAPEXサイレンサーを外して試走してみたところ、ナントまたもやブースト制御不能 (▼ ▼メ)
「なんで~???? とうとうブーコン買い替えか」  ̄\(-_-)/ ̄
とテストコースから自宅へ戻り、最後の悪足掻き。
図5の様に通常のスイングバルブ式アクチュエータの制御方法と同じ配管にして見ました。
結果は◎ ヘ(^∇^ヘ)ヘ(^∇^ヘ)
以前のGT2530の時の様にバッチリ制御出来るようになりました。
○RUSTの取説には「ウエストゲートは・・・」と書いてありますが、ホントにテストしてみたんでしょうかねぇ???
まぁ結果オーライですが、またまた遠回りのゴキちゃんでした (^^;;;;;;
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