最近まで、パーツ屋さん(ごめんなさい)の企業関係に全く興味が無かったので、調べてみると、えらく変わっちまっているのに気がつき、かなりビックリしています。
まあ、あまり評判がおよろしくなかった圭オフィスの突然の倒産(よく分からんけれど、計画倒産っぽいなあ。ちなみに、会社の倒産は、いきなりできるものではないから最後は計画してなされるものなので、皆さんこのような非難をなさいますが、通常の場合、それは違うように思いますよ)に始まり、BuddyClub、アルミホイールの鍛栄舎、SSR、最近ではJICまで倒産の憂き目に遭っています。
でです。
何故、これらを挙げたか?と言いますと、これらのブランド(とその商品)は、
何らかの形で現存しているからです。
まあ、圭オフィスの場合は、開発していたサスペンションを他社で出しているのでビミョーといえばそうなのですが、その他のものは、全て生き残っていますね。
しかし。
倒産しても何ゆえ残っているのか?
そのやり方(スキーム)は、何を利用しているのか?
という点に、大変興味を持ちますね。
この中で、BuddyClub、SSR、JICなどは、全て会社そのものはなくなっています。
では?
これは、どうも
事業譲渡を利用したM&Aで事業が生き残っているパターンですね。
どれも、
引き継いだ会社の一事業またはブランドという扱いになっています。
会社のほうは、民事再生を利用したのか、それとも事業譲渡後破産または解散(清算)なのか、それは判然としません。民事再生の場合、トラストなどが有名ですが、この場合、企業そのものが生き残っていますから、これらの場合とは違うものです。
※トラストの場合、自主再建型の再建案であったように聞いている。ちなみに、民事再生の場合、スポンサー型と言われる再建案が多く、M&A専門会社を含めた機関投資家、同業他社などがスポンサーとして株式を買い取って(大変安値)会社のオーナーになり、メインバンクを含めた債権者が概ね90%(ワタクシの地方で有名だったシュークリームのヒロタの場合、95%放棄で残債5億円を5年で完済するものだった)の放棄を得て、金額にもよるが、3~5年程度で完済するというパターンが多いと聞く(その後株式を売却して利益を得るパターンもあるし、そのまま連結子会社化しているものもある)。このようなスキームに隠れ、MBO(取締役たちが会社を買収すること)を仕掛けてまんまと乗っ取ってしまった…なんてケースも過去にはある(酷い場合、企業価値のわずか数百分の一で買収していた)。
大変興味深いのは、鍛栄舎でしょう。
ここは、いわゆる産活法で再生させたものだからです。
鍛栄舎(
現株式会社TAN-EI-SYA。倒産したのは、元の鍛栄舎が株式会社田中商店と商号変更したもの)によれば、これらの流れを全て受け継いで
30年、ということになっているので、このスキームは、殆ど現アペックスと同じ手法を用いた事業再生と言えるでしょう。
※ただし、
帝国バンクの未確認情報←認定が取り消されても記録に残る
経済産業省の記録には残っておらず、またワタクシは、この業界にいると、帝国バンクの信用度は年々下がる一方なので、鵜呑みにできないと考えるようになった。それはさておき、このやり方は、アペックス同様、事業譲渡(新設分割を利用したかどうかは不明)を新会社に移し、その事業売却益をもって債権者への弁済に当てる(清算・破産)を行うというもの。普通は、民事再生やこのような倒産方法を使うと、大体取引先が逃げてしまうから、スキーム計画中に大半が破産になる。
いずれにせよ。
自動車業界は、これから
M&Aをも含む事業再編の嵐になるのは必定ですので、今まで買っていたメーカーが突然無くなる…というのが当たり前と思わないといけないかもしれませんね。
※事実、中古車販売業界は、既に死に体に近いかもしれない。ワタクシの仕事筋でも、そのような情報が良く入ってくる。
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Posted at
2010/08/07 18:46:50