皆様、お久しぶりでございます。
クルマの事や仕事、家庭のこと等書いてもよさそうなネタがあまりにも無くて(笑)。
マークXは、もうすっかり馴染んでしまい、ツアラーとしての使い勝手もシルビア以上!
長距離が増えてきたのも、クルマが呼び寄せているのかもしれませんね。
シルビアとは打って変わっていじる気になれません。
さて。
ドラマ『半澤直樹』にもハマていた、もう立派な中年オヤジですよね~←今頃言うか?!(笑)
で。
昨日、原作を買ってきて、興味があった三作目『ロスジェネの逆襲』を読みました。
確かに面白い。
分かりやすいといった方がええのかもしれません。
この作品では、敵対的M&Aが題材となっています。
まあM&A、それも敵対的M&Aと言えば、村上ファンドを思い出すと思います。
あれをイメージしても良いかもしれませんね。
ただ、M&Aの世界を少しも知らないで読むと、一体この用語は何?!と思うようなことになるかもしれません。
いきなり
アドバイザリー契約や
デューデリという言葉が出てきて、
「高額報酬だ!」ってな話が出てくる。
ですが、詳しい説明は一切なし。
別に知らなくてもいいんじゃね?という判断を作者がしているのだと思います。しかし、「それ(デューデリ)が抜けている?…何故?」というような疑問点が頭に浮かばないと、半沢がどうしてああいう情報を企業情報から分析して大きな問題点を見抜けたのか?が全く分からないということは十分あることだと思いました。だから、興味がある方は、これを機に少し調べてみると面白いかもしれませんね。
M&Aって、弁護士さんがする業務だと一般にはイメージされていらっしゃるでしょうか?
確かに、それも間違いではありません。確かに渉外事務所と言われるような大手の事務所には、企業法務や国際法務の部署があり、そこが会計法人その他とチームを組んで
アドバイザーとして行う場合もあります。ワタクシも、こういう事務所に身を置いてM&Aに勤しんでおられる方々を何人か存じ上げています(そして、大変優秀です)。
ですが実際に、特に大きな案件で一番多いのは、証券会社、銀行、M&A専門会社(小さなブティックを含む)などが売り手買い手に
アドバイザーとして付いて、交渉が行われ、企業監査、何がしかのスキーム(タイムスケジュールや計画などを一まとめにして手法全般をいう事が多い)に合意した上で買収契約が成立して調印、スキーム通りに実行されてM&Aが完了する…
こういった流れになります。
※アドバイザリー契約の法的性質については、
こちらを参照して下さいませ。
これらは、
売上100億円超の企業での話で、M&Aの世界では、それ以下を
ミドル案件と言ったりして、中小企業M&Aとする位置付けがなされているような感じです。
※ちなみに、売上1億以下だとスモール案件と定義しているアドバイザーもいる。
中小企業M&Aの世界も大体これと同じような流れですが、表立って敵対的M&Aという話には中々なりにくいですね~。
今回の小説の中身は、大型案件を扱ってはいるものの、それほど新しい事案という感じでもない。
毎日毎日あんなのをしていたら、人間がどうかしてしまいそうですよね(汗)。でも、大手銀行や大手証券会社のアドバイザリーチームとの交渉は、天空高くからの上から目線で高飛車な態度で出てくるのも普通の話だそうなので←その上を行くやり方でこちらの落としどころに落とした凄い人を知っている(大汗;;)。
ただ言えることは、こんなアドバイザーの仕事でも、モノをいうのはやはり人脈と情報網、そしてスピードです。
中小企業M&Aでも、情報は生き物で、しかもとても厄介なのは、触り方次第で生きも死にもするビミョーなものだというところ。
これが大型案件だと、
殆ど諜報戦に近い事案もあるらしい。
ワタクシが尊敬する国際法務、特にクロスボーダーも含むM&Aアドバイザーの経験豊かな弁護士さんに聞いたら、サラリと「実務を行う秘密裏の場所を作っても、
まず最初に盗聴器と盗撮カメラのチェック、サーバーやコピー機のデータ管理から始めますが…」と言われたことがあります。つまり、日本国外では、本当に軍人上がりの諜報部隊が登場しているケースなども考えなくてはならない、ということらしいですねぇ。
※このワタクシが尊敬している方を思い描いていたら、ソフトすぎる半澤直樹かもしれない。あんな倍返しなどはしないし、怒鳴ったりしないから。大型M&Aなどでは、価格も必然的に大きなものになる。小説では1500億円があるラインとして描かれていたが、数パーセント違うと、既に何十億円とか場合によっては100億円単位での違いが出てくる。だから、互いの主張も熾烈で、しかも相手の握っている情報の把握も難しいため、かなりの情報戦が行われる場合がある(ワタクシが存じ上げている方は、『スパイのような諜報戦とまではいきませんが、情報戦はありました』と言っていた)。こんな時にその人の
人脈の広さ深さ、そして人格が大きな影響を及ぼすのだと知った。ワタクシが知っている方は、交渉をのらりくらりとしながら、あらゆる人脈などや情報網を使い、
高飛車な相手が握っている情報や(小説に出てくるような銀行などの)利害関係人の意思など彼らも逆らえないある意味での「弱み」を相手に気取られぬようにして大方調べ上げていた。そして、条件が整いながらあえて知らぬふりをしつつ、結局チームと依頼人、その利害関係人の最大公約数の条件に落とし込んでしまった。この第三作目の半澤のような手腕は、全くない話ではなく、
本当にあるところにはある話なのだ。このような海千山千の手練れの仕手戦が行われている世界もあるものなのだわ。ちなみに、ワタクシもこの方の仕事ぶりから学び、様々なところで生かさせていただいている。このような方々に出会えたことは、ワタクシにとって本当の”財産”なのだと、今も非常に感謝している。
本物の超一流に出会えば、自分の仕事ぶりを『一流だと自負している』などと言える筈もない。世の中、怒らせたり本気にさせると手が付けられない人がいるのだと知っておかねば。こういう方の考え方や仕事の手順を少しでも取り入れて、少しずつ色んな事を勉強していると、大昔から古典として伝えられているもの、例えば孫子などは、現代でも生きているし、この世の実相や原理原則は全く変わっていないことに気が付く。ただ、ワタクシたちなどの場合、
人格が伴わない(大汗)。相手方から自分を棚に上げて『悪魔!』などと言われた例もある。こんな遠吠え、勿論、
何と心地良いことよ。そんなに褒めないでくれ、と言いたい(笑)。これこの通り、一歩間違えるとこれまた下品な行為になってしまう。彼らのようなスマートさとは縁がない。自分の品性のなさには呆れてしまうな(汗)。
やっぱ倍返しだよ人生は(笑)。
こういう本を通じて、他の世界の一端を知れる。
読書の醍醐味を端的に表した一冊だと申せましょう。
一度お試し下さい。
夜中まで読んでしまいましたが、本に飢えていたところがあったので、何だかとても楽しかった一夜でした。
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Posted at
2013/10/07 13:51:38