• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

畝山@Isisのブログ一覧

2010年06月26日 イイね!

鈴木亜久里氏裁判その2

鈴木亜久里氏らに16億返済命令 F1活動資金、東京地裁
2010年6月24日(木)21:57

(共同通信)
 08年に自動車F1シリーズから撤退したチーム「スーパーアグリ」の代表だったレーサー鈴木亜久里氏や運営会社「エー・カンパニー」などに対し、ばんせい山丸証券がレース活動資金や利息計16億2千万円の返済などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は24日、請求全額の支払いを命じた。これとは別に、ばんせい側と結んだ財務アドバイザリー契約料4725万円については、鈴木氏だけに返済を命じた。

F1の鈴木亜久里氏らに16億円支払い命令 東京地裁2010年6月25日0時1分

(朝日新聞)
 自動車レースF1の元レーサー鈴木亜久里氏らが率いるレーシングチームの活動資金をめぐり、東京都内の金融業者が約16億円の返済などを求めた訴訟で、東京地裁(浜秀樹裁判長)は24日、請求を全面的に認めて同額の支払いを鈴木氏らに命じる判決を言い渡した。

 ほかに敗訴したのは、鈴木氏が取締役を務めていた「エー・カンパニー」(東京都)と同社の代表取締役。

 判決によると、同社は2007年2月、原告とは別の金融業者と15億円の貸借契約を締結。鈴木氏らは連帯保証人となり、その後、原告が債権を譲り受けた。判決は「だまされて契約した」などとする主張を退け、鈴木氏らに元本や利子などの支払い義務があると判断した。

鈴木亜久里氏が敗訴=F1資金17億円返済命じる―東京地裁
2010年6月24日(木)21:03

(時事通信社)
 元F1ドライバーの鈴木亜久里氏らがレース活動のために借り入れた資金について、債権を譲り受けた「ばんせい山丸証券」(東京都中央区)が返済などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は24日、鈴木氏らに計約16億7000万円の支払いを命じた。

 判決によると、鈴木氏らは2007年、F1チームのスポンサー企業から支援を得るまでのつなぎ資金として、都内の会社名義で融資を受けた。その後、同証券が債権を譲り受け、鈴木氏側も返済を約束したが、スポンサー料が入らずに未払いとなっていた。

 裁判で鈴木氏側は、スポンサー企業を紹介したのが同証券だったことから、「資金を出す気のない企業とスポンサー契約を結ばされ、だまされた」と主張。しかし、浜秀樹裁判長は「単に紹介しただけで、だました事実はない」と退けた。

鈴木亜久里さんらに16億7千万円返済命令

2010年6月25日(金)0時4分配信 読売新聞

 元F1レーサーの鈴木亜久里さん(49)らが借り入れた資金について、債権者の「ばんせい山丸証券」(東京都中央区)が返済を求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であり、浜秀樹裁判長は鈴木さんと「スーパーアグリF1チーム」運営会社などに請求通り計約16億7000万円を支払うよう命じた。

 判決によると、鈴木さんらは2007年2月、スポンサー料が入るまでのつなぎ融資として、都内の金融会社から約15億円を借り入れ、債権を譲り受けた同証券が返済を求めていた。同チームは鈴木さんが元代表で、F1世界選手権から08年に撤退した。

鈴木亜久里氏らに16億返済命令 F1活動資金、東京地裁
2010年6月24日 22:10 西日本新聞

鈴木亜久里氏 2008年に自動車F1シリーズから撤退したチーム「スーパーアグリ」の代表だったレーサー鈴木亜久里氏や運営会社「エー・カンパニー」(東京)などに対し、ばんせい山丸証券(同)がレース活動資金や利息計16億2千万円の返済などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は24日、請求全額の支払いを命じた。

 これとは別に、ばんせい側と結んだ財務アドバイザリー契約料4725万円については、鈴木氏だけに返済を命じた。

 鈴木氏らは、ばんせい側の紹介で石油貿易企業と07年3月に3千万ドルのスポンサー契約を結んだのに、一切入金されず損害を受けたとして、請求全額との相殺を求めていた。

 浜秀樹裁判長は、チームはレース活動資金に窮していたと判断、「スポンサーが契約料を支払う意思がないと分かっていれば、金融会社から借り入れしなかった」とする鈴木氏側の主張を退けた。

 判決によると、エー社は07年2月、ばんせい側を通じて金融会社「野村エステート・ファイナンス」(解散)から15億円を借り入れ、鈴木氏らが連帯保証。野村エステート・ファイナンスは同4月にばんせい側に債権譲渡した。




これらを見ると、昨夜に書いたブログでの予想に近い争点だったことが分かる。

①某証券会社は、亜久里氏らとFA(フィナンシャル・アドバイザリー契約)を締結し、スポンサー企業と貸し手を捜し、その契約についてのアドバイス業務を行った。

②某証券会社は、後日、亜久里氏らへの15億円の債権譲渡を受け、債権者となっている。

③亜久里氏らは、SSユナイテッドがペーパーカンパニーとは知らずに契約し、一切支払われなかった。

④某証券会社は、債務の支払いを求めて訴訟提起した。これに対して、亜久里氏らは、これらの事情から騙されて契約したのだから、契約は「無効」、スポンサー・フィーとの相殺を主張した。

…ということになりますね。

亜久里氏らの主張は、①アドバイス業務の信義則違反、③SSユナイテッドの詐欺行為について因果関係があり、某証券会社には、SSユナイテッドと並んでスポンサー・フィーの支払い義務がある、というような主張をしたと考えられます。

そうでなければ、相殺の主張をするのは大変難しい。相殺の要件は、当事者が同じで、相対する債権を両者が持っていること、請求できる状態(支払期限が到来している)であること、なので、本来、SSユナイテッドと某証券会社は全く違う当事者ですから、そもそも相殺の対象にはならないんですから。

ただ、全般的に大変ブラックな印象を持ってしまいます。



貸し手は、後に解散→親会社のグループ企業が大変ブラック。「エステート」とあるように不動産を対象とした貸金業者であったのにも関わらず、何ゆえスーパーアグリに??疑問は尽きない。

貸し手の債権を譲り受け→解散会社から買い取るのであれば、おそらく買い叩いている。回収の見込みが薄ければ、その価格以上で回収できれば御の字だからだ。貸金業者の債権譲渡というのは、契約書を見ると大体そんなもので、どういう意図かがオブラートのように透けて見える。

ただし、これらの事情についてみると、裁判所は、相手の無知につけ込んだ点について、何らの心証も得なかったことになる。通常、このようなケースにおいて、契約当事者が契約相手方の無知につけ込み、いいように契約させた場合、あまりいい印象を持たないことも多いと聞く(その道のプロの弁護士・談)。ただし、その場合であっても、それはSSユナイテッドの話で、アドバイザーのアドバイス業務については、契約内容はあくまでもアドバイス業務で、平たく言えば使者に近い。裁判所は、そのように解釈したのは間違いない。

とはいえ、某証券会社には問題が無かったのか?と言えば、そうではない。相手方のSSユナイテッドがペーパーカンパニーであることの調査義務が、契約上また信義側上、当然考えられるからだ。では、その場合に不法行為責任またはアドバイザリー契約の債務不履行責任が認められたとして、損害賠償の範囲は?これが、おそらく亜久里氏らの主張の一部だったのではないか。ここに相殺の根拠を持ってきたのだろうか←某証券会社は、融資目的も知っている上、スポンサー企業の紹介も行っている。だから損害賠償の範囲は、これら当事者間の特別事情により予想される範囲であるスポンサー・フィーと同額であると主張しうるからだ。

ただし、これらの事情につき、某証券会社の完全なる悪意(※知っていたこと)の立証を亜久里氏らは行わなければならず、詐欺や錯誤無効などと同じで、これは泥沼に陥る地獄の立証になる。

裁判所は、この点について亜久里氏らの主張を完全に切り捨てている。
その心証を与える立証活動が出来なかったからだ。



とすれば、当然亜久里氏らは負けるわな~。
Posted at 2010/06/26 08:26:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | モータースポーツ | ニュース
2010年06月26日 イイね!

鈴木亜久里氏裁判その1~詐欺??

何でも、鈴木亜久里氏らに16億7,000万円の返済命令があったといいます。

ところで。
この記事について、皆さん、何だか物々しい事を書いていることが多い。

曰く。
「詐欺」だと。

う~~~~~~む…

民法上、詐欺(による意思表示)ということは、「亜久里さんが」某証券会社から騙されて(欺罔(ぎもう))、「契約締結した」(意思表示)ことが必要となる(民法96条)。

ここに言う「ぎもう」とは、亜久里氏らにわざと誤解を与えて錯誤(勘違い)を起こさせ、そのような行為が無かったら、そのような意思表示(具体的には借り入れの契約締結)をしなかったであろう、といえるほどの勧誘行為があったということができないといけない。具体的には、「アナタにスポンサーを『紹介する』から、『必ず』お金が入りますよ。だから、うちの会社から、この繋ぎ融資でこの金利(※きっと銀行よりも高い)でお金を借りておいても損は無いので、借りといてね♪」と言い、「それだったら」ということで借りた、というところでしょうか?(ただし、最初に貸したのは都内の会社名義で、後に某証券会社が債権譲渡を受けているところがなんともブラックな雰囲気。何故なら、返済できないのを知っているのであれば、おそらく、債権譲渡の対価に影響がある(安く買い叩いている)可能性も否定できない。そのあたりも争われたのだろうか?)

※民法上の話。刑法上は、騙されて財物の処分または相手方が不法な利益を得ることが必要。この場合、彼らは、入らないことを知りながら必要も無いのに騙して借りさせ、労せずして元金と利息を得るということになる。もしも、これら刑事の責任が成立する場合、亜久里氏側に渡したお金は民事上は不法原因給付(民法708条)となり、返す必要が一切無くなる。

問題は、「紹介」とするところ。

これは、「契約締結上の責任は、あくまで亜久里氏らにある」ということで、入金するかどうかについて、某証券会社には感知する義務も、入金を必ずさせる法的責任もない、と判断されるところ。

これについて、民法上の詐欺の故意を認めうるかどうかと言うと、これは相当難しい。

何故なら、あくまで紹介に留まるからだ。

まず、亜久里氏らが陥った「錯誤」は、あくまで「15億円を指定金利で借り入れる」ということに対する「動機」の点で、これを単なる意思の無効(民法95条)と主張すると、単に契約が無効であれば、返金義務はそのまま発生するので、不当利得で利息が発生せず、かつ、現在残っているだけを返金することになると思われる(民法703条(善意の受益者の責任))←ある筈無いので現実的には返金の義務がなくなってしまう。ただ、これは相当成立の条件が飛躍的に上がる。「もしもスポンサーと正式契約が締結され、尚且つ期限どおりに入金されることを担保として借り入れる」ということが、契約上明言されているならば問題ないが、そうでない場合、単なる動機の錯誤として錯誤は成立せず、無効の主張は大変難しい。

とすれば、契約までの経緯と、その動機付けを某証券会社が主体的に行い、スポンサー候補を紹介するが契約が成立するとは思えないことを知りつつ貸したというこであれば、確かに詐欺が成立しているので、この意思表示を取り消す(民法96条)などということを証明しなければならないことになる。

刑事事件となると、某証券会社は、スポンサーとして紹介する企業は契約しないかしても入金されない可能性は高いが、スポンサーと言う「ニンジン」を亜久里氏らの鼻先にぶら下げれば、自分たちと契約して金を借りてくれる蓋然性が高いことを知って紹介した、という某証券会社側の勧誘の意図に不法原因給付の意思も含まれていなければならないし、彼らの勧誘と亜久里氏らに、それ相当の因果関係が必要となる。

…これらの事情を契約書からだけでは勿論説明など出来ないから、そのやり取りを示したFAXなど、かなりの明示性の高い証拠を取り揃え、傍証を積み重ねて心証を得る、というかなりの寝技が得意な弁護士が、ワタクシの経験上は必要になるように思える。

このようにつらつらと考えてみると、亜久里氏らと某証券会社とは、あくまで「金銭消費貸借契約」を締結したにとどまり、その動機付けについて、確かにスポンサーを「紹介する」ということはあるにはあるけれども、スポンサーとの契約については、亜久里氏らと相手方が当事者であるに過ぎないから、ぎもうの範囲ではない…と単純に構成できるし、実際、立証活動について、亜久里氏らにはあまり主張する材料はなかったのではないか、と想像する。


つまり、亜久里氏らの主張と言うのは、彼らが意図する詐欺などの事実が立証できない限り、

「オマエんところが紹介してきた客は、金も払わんでスポンサーの表示をさせるようなロクデナシやったぞ!!紹介したのはオマエやから、オマエが落とし前つけんかい!!」

…という主張に他ならないことになる。

亜久里氏らが、某証券会社のスポンサー企業の斡旋を依頼し、かつ、その入金にいたるまでの契約履行までを保証してもらうような契約であったならよく分かる話ではあるけれども、そんなことをする筈も無いので、この場合、確かに裁判所の判断について言えば、亜久里氏らの立証活動次第では、このような判決も当然ありうる。

※亜久里氏らの主張には、某証券会社との間で、必ず入金させる法的義務が発生していたと主張していたように思われる。報道では「無効」も主張していたが、どれが主位的請求かは不明だけれども、某証券会社も、このスポンサー企業との契約については保証人の地位があるか、信義則上の義務か、とにかくも、契約当事者またはそれに近い地位にあるように主張していたのではないかと考えられる。その証拠に「支払われる筈だったスポンサー料と相殺する」という主張をしたと記事にはある。とすれば、彼らはかなりの「地獄の立証」(理論上は立証が出来れば法的効果は発生するが、事実上そのような立証は不可能に近い事実認定での立証のこと)をしたように思えてならない。

※しかしながら、このような主張は殆ど不可能の筈。証券会社等が、このようにスポンサーの「紹介」を行う場合、大抵がFA(フィナンシャル・アドバイザリー)契約を締結して行う場合が多い。というか、そのような業務も、金融機関などは行っている(勿論、それ以外の専門会社もしかり)。今回、某証券会社も、同じような契約を締結していると思われる。ここで、問題となるのが、アドバイザリー契約の法的性質。これは、代理契約ではないと言われている。何故なら、アドバイザーは、確かに交渉なども行うように思われているが、実際は弁護士・公認会計士などをチームに加え、「仲介」に近い立場となるからだ。日本の民法には載っていない契約(無名契約)だが、準委任契約や、「代理権無き委任契約」などとも言われる。したがって、保証人のように債務を負わなければならないという義務は、当然発生しない。勿論、この契約をするにあたって、バスケット条項(表明保証)を入れる場合も考えられるが、それをするのは基本的に相手方がするものなので、アドバイザーには関係が無い。ワタクシたちも、M&Aでアドバイザリーを取ることがあるので、その法的性質には細心の注意を払う。このような業務に長けた専門の大手法律事務所のお話を伺えば、それはそれは凄まじく細心の注意が払われている。正直、亜久里氏らが、この契約を行うに際し、このような契約に無知または無知な弁護士を介入させたなどの事情があったのなら、正直、最初から勝ち目は薄かったと思う。ちなみに、アドバイザリー契約の成功報酬は、結構バカにならない。受けた利益の5%~で、5億を超えたら1%~というようなものが多いので、30億円ともなれば、場合によっては億単位となることもしばしば。そんなM&Aとかやってみたいね。苦労も半端ではないけれど(笑)。

※今回、「無効」の主張は、錯誤でも詐欺による意思表示の取り消しでもなく、単に信義則違反や公序良俗違反が問われていたように思える(民法1条、90条)。


とにかく。

鈴木亜久里さんだからといって、資料も見ずに、簡単に訴訟が不当というイメージを持てないですね。

「判断が単純すぎる」という批判が、みんカラでは数多く載っているけれど、逆に言えば、必要な立証・主張を彼らができなかったことに他ならないのであって、もっと言えば、それ程度の契約概念しかなかったことになると思う。

※普通の弁護士なら、こんな契約はバカバカしいと感じる筈だし、危険性もよく分かると思う。結局、亜久里氏らが切羽詰ってお金を優先させたことが、リスクマネージできなかったと言えると思う。

面白そうな裁判なので、訴訟資料を見てみたいなあ…
Posted at 2010/06/26 00:25:03 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記
2009年04月26日 イイね!

たった一戦で

たった一戦で、スーパーGTでは例のパドル・シフトについて、扱いが分かれてきました。

それも、同一車種でも、またコースごとにも違いが出ているようです。

例えば、NSX勢
第一戦では、どうやら全車シーケンシャルに戻してきたようです。

岡山は、コースとしては中低速が多かったからではないかと思います。

今期からスーパーGTは、フロントのダウン・フォース削減(フロント・カナードの禁止など)となり、ミッド・シップのNSXは加重移動で非常に苦労していたようで、第一線は、少なくとも全車シーケンシャル・シフトとなっていました。

しかし、第二戦では、ARTAなどはセミ・オートマ(パドル・シフト。以下『セミAT』)にしていました。

高速コースだったからでしょうか?


また、GT-R勢

本山選手たちはシーケンシャルに換えていました(それでポール・ポジション)が、他はどうもセミATのままのチームも多かったみたい。

何も換えず、セミATだったのは、放送で見る限り、全てに出来が良かったトヨタ勢だけみたい。



見ていると、加重移動にほとんど苦労していないのはトヨタ勢のみで、後はセミATとのマッチングが良くないような感じを受けました。

まず、NSX勢は、そもそもフロントが軽くなってしまっているから、シフト・ダウンで待ちの時間が強要されるセミATでは曲がらないように感じました。

というのは、スーパーGTは、F1やFニッポンの倍の車重なので、止まるまでに時間がかかる訳で、当然エンジンの回転数の落ちが悪いですから、これらのセミATでできるマシンガン・シフト・ダウンをコンピュータが受け付けないのです。

ですから、急激な加重移動が必要なNSX勢は、岡山のようなコースでは、どうしてもシーケンシャルでなければならないという必要性があるように思えました。


ですが、GT-R勢の場合、ちょっと事情が違うように感じます。

トヨタ勢とは違い、加重移動がまだちょっと中途半端に感じましたし、その上、エンジンのレスポンスがトヨタに比べて鈍い上に、セミATの処理速度(特にシフト・アップ)が遅めに感じました。

セミATは、多分、今のものは、丁度F1の初期からのものと大して変わっていないと思いますが、基本的に、今のスポーツ・カーで使われているDSGやツインクラッチSST、デュアルクラッチトランスミッションとは違って、シーケンシャル・ギア・ボックス(※ドッグクラッチ・ギアの構造。シフトには基本的にアクセル操作だけでクラッチ操作が要らない)を圧縮空気を利用したアクチュエーターでシフトさせ、その際回転数を瞬間的に抑えるために点火をカットしたり、ブリッパーでアクセルを自動的にあおり回転数を合わせたりするものだと思います。実は、最近ヨーロッパからの輸入される少量生産スポーツ・カーで、日本製バイクの高性能エンジン(とギア機構)をそのまま利用しているものに使っているシステムも同じようなもので、流石、本場ヨーロッパですね。

で、日産は、このようなシステムを持っていないのか?というと、90年代半ばでル・マンで採用していましたから、その基本的なメカニズムはある筈です。


ですが、トヨタやホンダなどに比べると、開発も遅かったのかな?と思いました。

彼らは、F1での開発データがありますから。

もしかすると、90年代のままだったのでしょうか?

それくらい、オン・ボード・カメラでのセミATの処理は、どこか野暮ったさがありました。

※よく勘違いされているが、トヨタは金を出しているだけではなく、特にエンジンやクラッチその他のものを本社で本当に開発していた。ただ、ギア・ボックス関係はヨーロッパのものの筈。ただし、そのデータを利用できる場合もあると思う。


とにかく、あらゆる点で、今年はトヨタ勢が良さそうです。
Posted at 2009/04/26 20:12:13 | コメント(4) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記
2009年03月10日 イイね!

パドル・シフト。

今度、スーパーGTでは、パドル・シフトの導入が可能になりました。

さてさて。
このパドル・シフトですが…

この単語をお聞きになった方々は、違和感がありますか?全然ありませんか?

まあ、違和感というのは大げさな言い方ですが、「ちょっとしっくり来ない…」と仰る方。

その方は、間違いなくワタクシとさして違わないオッサン中年紳士ではないかと思います。

というのは、我々が初めてこのようなシステムを見たのは、間違いなく89年のF1フェラーリで、その頃は、

セミ・オートマチック・システム(セミ・オートマ)

と言われていて、その後、この言葉でずっと通されてきたからです。


このセミ・オートマですが、若い方々が知るものは、シフトをパドルで押せば良いものと思っていらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、最初はそうではありませんでした。

89年の頃のものは、せいぜいシフト操作でハンドルから手を離さなくても済むといったものでした。

つまり、シフト・ダウン時にはドライバー自身がアクセルをあおって回転数を合わせなくてはならなかったのです。

それが、ブリッパーの投入でほぼシフト操作が簡略化され、アクティブ・サスペンションと相まって、しまいにはどのコーナーでどのボタンを押せば、ブレーキから変速までほぼ全自動などという時代になりました(91~93)。

この頃になると、あらゆる意味でフル・オートマチック・カーという感じでした。

この流れが94年のレギュレーション変更によって一度絶たれ、それがあのアイルトン・セナの死亡事故の直接間接の原因となったのは、あまりにも有名ですね。


まあ、あれだけの電子デバイスを禁止しても、それ以前の速さをす~ぐに取り戻したのですから、レース技術は凄いものです。


※このたった数年の電子デバイスの化け物時代のF1チャンピオン・カーに乗ったレーサーや経験者は、「これだったらオレでもチャンピオンになれる!」と賞賛(というより、かなりの皮肉を込めた揶揄)をしていたことがあった。よくF1は、本田宗一郎の言葉を借りて、走る実験室などと言われていた時代があったことは有名だが、これは、あらゆる部門の未熟な技術を厳しいレース現場で鍛え上げるといった意味合いだった。まだまだレース現場の技術の方が優れていた部分もあったのだ。しかし、この電子デバイス時代全盛時には、自動車メーカーの技術の方が、レース業界を圧倒するようになり、逆に自動車メーカーの技術無しには何もできなくなりつつあった。つまるところ、この頃から、走る実験室の意味合いが変わってしまったと言っていいのではないだろうか?メーカーの技術陣の夢・希望の実験室になっていたように思える。しかし、それはそれで、何か進歩という意味では凄さと魅力があったことも否めない。とはいうものの、ホンダは、この頃、ヨーロッパのあらゆるフォーミュラーレース界を激変させている時代で、功罪もそれぞれあった。だから、ホンダ一極集中を避けるため、ターボエンジンを禁止するレギュレーション変更が行われたと思える。「もう止めるか」とがっかりした川本氏と桜井氏は、本田宗一郎氏に相談に行ったそうだ。そのレギュレーション変更がホンダにだけ当てはめられると思い込んでいた本田宗一郎氏が、そうではないと知り、「何だそうか。うちだけに適用されるんだったら、頭の良いヤツらだと思ったが、ヤツらバカだな。短期間に一番早く一番いい物を作るというのがうちの特性なのが分からんのだから。ところで、相談というのは何だ?」と語ったという。あまりにも凄まじい純粋な心意気に、彼らは何も言えなくなり、止めようとは思わなくなったそうな。この意味では、まだ走る実験室だったと言えるだろう。しかし、現在のF1は、もはやそんな雰囲気は無くなっている。何だか業務の一環になってしまっている。今のレギュレーション変更に、様々な意見があるようだが、ここ20年のF1の変遷を見ていると、F1らしくない!と単純に批判できるものではないように思えてならない。規制がある方が、それを突破する新たな工夫が生まれ、そこに技術陣にとっての面白さがあるだろうから。丁度、厳しすぎる校則があるほど、それを破る楽しみが大きくなるように、走る実験室という側面には、このような規制も効果的かもしれない。


ともかく、段々とモータースポーツも、乗り物自体が運転が厳しいものになっているので、このパドル・シフトが導入されるようになっています。

…何しろ、今年のスーパーGTのニスモは、何とエアコンまで導入するそうです(汗)。

※プライベーターのラリー車で、当時80歳のドライバーが走ることになった時、日産は、パワステとエアコンを導入した例があった。


トップカテゴリーにエアコン…
時代は変わったものです。
Posted at 2009/03/10 22:01:44 | コメント(3) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記
2009年01月10日 イイね!

やっぱり

歴史は繰り返すのか…

去年、F1のレギュレーション変更問題が持ち上がったとき、80年代後半の第二期ホンダ時代からしかF1だと思っていない方々からは、

「そんなの、『F1』じゃない!」

という批難がよくいろんなところで語られていましたが、ホンダ撤退から時間が経って、様々な、複雑な気持ちが吐露されているようです。



ワタクシは、本音から言えば、

「時代が変わっちまったなあ」

という感じでしょうか。
それと、「やっぱり原点(または昔)に返るのか…」というのも感じます。

ホンダに関して言えば、確かに、よく本田宗一郎氏を挙げて、「彼が生きていたら…」とおっしゃる方もおられますが、さてさて?それはどうでしょうか?

彼が存命中であった時から、藤沢武夫氏という現実派の側近から暴走を止められていました。特に有名なのは、何と言っても空冷エンジン問題だったでしょう。技術者ではなかった藤沢氏ですが、会社の経営、社会への責任という観点から、宗一郎氏の暴走をたしなめ、諦めさせたのは有名な話です。

ホンダがホンダらしくあったのは、本田宗一郎氏だけの功績ではありません。彼一人では、おそらくバイク・メーカーとしてだけではなく、そもそも会社が存続できていたのかどうかすら怪しいものです。

二人一組で、やっと『ホンダ』であったように思えるのです。

宗一郎氏が生きていたら…というのであれば、藤沢氏も傍にいなければならないと思います。

彼らが今、ホンダにいたとしたら、彼らが、このご時世でF1を続けろ!といえたかどうだか分かりません。

何故なら、ホンダとF1の関わり方と、それにかかる費用、そして時代への対応の要請が、彼らがいたころとは全く異なるからです。


やめた理由で、一番に挙げたのは、

「100億じゃきかなくなった」

でした。

ワタクシには、ちょっと無責任じゃない?と思えました。何と言う言い草でしょうか?とも。
このようなF1にしたのは、間違いなくホンダが原因だからです。

ホンダ以前と比べて、間違いなくF1は変わってしまったからなのです。


マッタク・モズレーは、以下のようなことを言い出し、FOTA(フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション)も、あれだけ反対していたのに、丸で手のひらを返したように「削減!」と言い出しています。

これは、とりもなおさず、「『ホンダ以前』の古き良き時代の延長線上に戻して、最高のステージ性も維持しようよ」というところではないでしょうか?

「FOTA実行委員会は、これまで進めてきたコスト削減の取り組みをさらに進めるべく、本日ヒースローで会合を行った。全メンバーが全会一致で多数の重要な原則において合意し、FOTAにおいて確立されたプロセスを支持した。
 チームは、2009年に実施される包括的な空力テスト制限協定の詳細を検討した上でサインした。
 さらにチームは、2010/12シーズンにおいて低コストのトランスミッションを開発、凍結することに合意した。このトランスミッションは6レース使用され、1チーム1シーズンあたり150万ユーロとなる。
 FOTAは2010年からインディペンデントチームへのエンジン供給を500万ユーロで行うことを再度明言した。インディペンデントチームは、この取り決めに同意し、支持することを表明した。
 FOTAテクニカルレギュレーション作業部会は、高価な原料を排除することに決め、パフォーマンスの差別化を生まないコンポーネンツおよびシステムのコストを削減するためのさらなる機会を特定する。
 出席した全チームは、現在ホンダとしてエントリーしているチームへの支持を表明、いかなる名称変更の登録にも合意する。
 全チームは、FOTAの枠組みの中で、F1に関するコストを効果的に削減すべく、合理的かつ組織的に、手を携えて取り組んでいる。また、FOTA受託のマーケットリサーチの結果を受け、このスポーツの活発性を向上させるため、同様のアプローチをもってあたることとする」
AUTOSPORT WEB

FIA会長、さらなるF1コスト削減を求める
1月9日19時20分配信 ISM

FIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレー会長は、現地時間(以下、現地時間)8日の会合を前にFOTA(フォーミュラ・ワン・チーム・アソシエーション)へ書簡を送り、これまでの一連の合意は相当な救済策となるだろうが、2009年はさらなる対策を講じる可能性があるだろうと訴えた。同日、『ロイター』通信が報じている。

M.モズレー氏は5日、世界的な金融危機に直面する中でこのスポーツを堅実な基盤に基づいて立て直すために、その詳細の大半は未だ議論し尽くされてはいない「真に大きな変革」を2010年に行なわれなければならないとして、「我々のチャンピオンシップは、F1レーシングに莫大な費用を使い続ける世界的な自動車産業の意志に頼り、そして億万長者たるオーナーたちの出資の気前のよさに完全に依存する数少ない残りの独立系チーム(例外が1チームあるが)に頼ってきた。現在の状況で、このまま続けていけると想定するのは馬鹿げている」と書き綴った。

さらに、「経費はある状態にまで削減されなければならない。順調な経営をする独立系チームがFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)とスポンサーから得る適度な資金によって、しっかりと利潤を得て運営できるまでだ。これがチャンピオンシップを守るとともに、撤退したチームに代わって、そのすきまを埋めるために新チームが参入することを可能にする唯一の方法なのだ」と述べている。

2008年、F1はシーズン中にHondaの支援を受けていたSUPER AGURI F1チームを失い、さらに12月、HondaのF1撤退という事態に直面した。Hondaは未だ買い手を見つけておらず、現状では12チーム24台用のスペースがあるスターティンググリッドに並ぶのは、わずか9チーム18台のみとなる。自動車産業は経済危機に苦しんでおり、メーカー系チームがさらにF1から離脱するのではないかとの懸念もある。

M.モズレー氏は予算制限案についても言及し、「各チームの予算を同額にすべきというこの考えは、成功することが知的な能力次第となるため、すばらしいアピールになる。もし適切に実施されれば、非常に公正なシステムになるだろう。実際、見方によっては、ライバルチームよりも多大な資金を持つことは、より大きなエンジンを持つのとまさに同じくらい不公平だ。我々はこの件について、FOTAとさらに話し合いたいと思う」と採用に前向きな姿勢を見せた。また、現時点では任意の予算制限でも有効だろうと語っている。

一方、FIA会長からレースウィークエンドのコスト削減と統一シャーシおよびパーツのリストを作成するようにとの要望を受けたFOTAは、8日の会合で今年より空力テストの制限に全チームが署名するなど、さまざまな対応策を新たに決めたという。そのほか、声明を通じて「各チームは彼らが2010~12シーズン用の低コストのトランスミッションを開発し凍結することに合意した。このトランスミッションは6レース連続で使用され、1シーズン1チーム当たりの費用は150万ユーロ(約1億8,700万円)になるだろう。FOTAはまた、2010年から独立系チームに対し500万ユーロ(約6億2,300万円)でエンジンを供給するという公約を改めて断言した」と発表した。

最終更新:1月9日19時24分


※太字部分はワタクシによるもの。

つまりは、やっぱりレースは、自動車メーカーに掻き回されて挙句の果てに放り出されたら、後は荒地になってしまうということが、今も昔も変わらないということでしょう。

「昔みたいに、草レースの延長で、皆さんよろしくやりましょう」

彼らの本音は、間違いなくここにあると思います。


「勝てなかったことが理由ではない」と再三再四言っていましたが、「中途半端」にエンジンだけ…というのは、結局はプライドが許さなかったのでしょうか?

だったら、ホンダもFOTAで合意して、そこで最高の勝負をすればよかっただけの話ではないでしょうか?

上で書かれている案だったら、100億もかからないと思いますけど~?

それに、勝てる可能性も出てきたと思いますけど…

その証拠に、これまでだったら何とか継続していた※エンジンの支援活動も、何と「中途半端だから」という訳の分からぬ理由をつけて、完全撤退すると言っています。

こういう活動は、一旦やめたら、戻るのは極めて困難です。

※第二期以後、無限を通じてエンジンを供給し続けていたからこそ、F1の何たるか?をエンジンを通じて知ることができ、「浦島太郎」にならずに済んだ。

中途半端で良い。続けることが大切。そして、エンジンを失わずに済むから、F1界にも貢献できる。

ホンダがのたまっていたレーシング・スピリットを世界に知らしめることができたでしょう。

したのかもしれませんが、F1担当エンジニアが、何で二輪MOTOGPに回されるのか、ワタクシには見当もつきません。



それに、ワタクシは、完全撤退と聞いて、「そりゃ良かった」と思いました。

今のホンダ社員にとっては、既に、サラリーマンにとっての仕事にしかなっていない感じがします。

昔のような熱を感じません。最後まで感じませんでした。

昔は、殆ど暴走的とすら思えるほど、ホンダ・チームの情熱と進歩はすさまじいものがありました。

でも、イギリスのスタッフに全権を委ね、「自分たちで!」という気迫も何も無かったチームでしたから、何らかの熱を全く感じませんでした。

もしも、本当にレーシング・スピリットがある本物のエンジニアがいたら、なぜ、「やめたら二度とできなくなるぞ!!」と声高に言って、「中途半端」でもレースを続けようとしなかったのでしょうか?

できない理由などは、多分、ワタクシたち外部には見えないものが色々とあるのでしょう。

しかし、昔は北京五輪のソフトボール・チームのような熱を感じたのに、同じ北京五輪の野球チームのように、ダラダラとしたウダウタ感が漂っていたように感じたのは、決してワタクシだけではないでしょう。

それだけは、時代の変化を強く感じましたね。

※第二期をやめた理由に、こういうサラリーマン的な感じ、中世的停滞感が漂い始めていたからということを理由に挙げていた。なるほど、レーシング・スピリットも、大企業中の大企業では、もはや維持し得ないのかもしれない。



時間が経てば経つほど、何だかホンダの言い分が不可解に思えてきてしまい、今回、批判めいたことを書き散らしてみました。
Posted at 2009/01/10 02:18:05 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツ | ニュース

プロフィール

「謹賀新年 http://cvw.jp/b/435757/40940777/
何シテル?   01/04 15:02
四十路にしてピッタリのクルマに収まったオッサンです。 もはや、目指すは外道しかありません(笑)。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/9 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

リンク・クリップ

畝山社中発起人組合 
カテゴリ:運営サイト
2008/09/21 19:48:09
 

愛車一覧

トヨタ アイシス トヨタ アイシス
ついに! 禁断のミニバンに突入しました!! 予算の関係上、当然の中古。 平成18年式の ...
トヨタ マークX トヨタ マークX
ついに、オッサンの道を邁進します。 …目指すは外道セダン! 平成28年5月26日、追突 ...
マツダ RX-7 マツダ RX-7
大変いいクルマでした。 …燃費と熱に負けて、手放してしまいました(涙)。 ※フォトギャ ...
日産 シルビア 日産 シルビア
キビキビ感のあるFRらしいスポーツ・カーを目指して仕上げていきます。 ※2013年3月 ...

過去のブログ

2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation