2011年12月04日
みんカラのお友達のところで、トヨタ86はいじれないと思うと意見しますと、そういう考え方はつまらん!とのお叱りを受けました。
まあ、現段階で発売もされていないクルマですから?ワタクシのような予想も何なのでありますが。
ワタクシとしては、現在のトヨタに、それほどの信頼を置いていないので。
今のトヨタは、必要以上のことを想定して設計しないという姿勢が貫かれているからです。
ワタクシたちが若かった頃。
各メーカーは、当時の設計レベルではありますが、一応、駆動系などに設計上かなりの余裕を持たせてあったのは間違いありません。
…まあR32GT-Rのナトリウム封入バルブとかは、完全にグループAのみを考えていたんですけどね(笑)。
この中で、まだ日産などは、これくらいでいいだろうというのも見えていたんですよね。
それでも、R34スカイラインまでは、GT-Rの遺産である駆動系をある程度使用して強化していましたし、何しろ互換天国・日産ですから、GT-Rの駆動系をそのまま使えるといったメリットがありました。
また、そうはいっても、シルビアなどにもある程度の余裕はありました。だから、いじる余裕はあったんです。
トヨタも、110系マークⅡまでは、駆動系に相当な余裕が持たされていました。ドライブ・シャフトなど、最初からGT-Rと同じ太さと強度が与えられていましたし、ギア・ボックスも然り。全般的に強かった。
でも、それは、設計を最初からそうしていたからではない。
ただ単に、90系から駆動系を変えていなかっただけの話で、アルテッツァその他トヨタのスポーツ系は、みんな設計はギリギリしか与えられていなかったですよ。
何故なんでしょ?
何時の間にか、トヨタは、むしろいじらせないつもりなのか、事実、仕様に必要な設計はしてある(それ以上の能力は与えない)という言葉が出てきますし…多分一番はコストと利益だと思いますが、こうした考え方が一般的です。
トヨタ系大メーカーのトップ経験者とお話をしても、サラリと「そのレベルは、この市販に必要ない」というお言葉が連発されますからね。
そういう効率を考えているのは間違いないです。
そして、各メーカーも、トヨタと同じパーツ・メーカーを使うようになって、お蔭で駆動系の強度が落ちてしまうという事態になっています。
今回のトヨタ86に関しては、もうちょっと心配な点も。
というのは、トヨタには、既にスポーツ系のパーツが無かったからです。
ホンダS2000など、最初からFRのパーツがないので、FD3Sの足回りをマツダ系メーカーにお願いして持ってきて、そのまま設計に使っていた、という”噂”があります(多分本当だと思う。なるほど、マツダの前のめりなセッティングそっくりだもんな)。
トヨタには、ゼロクラウン(IS250&350)の駆動系があります。輸出用だと6速MTもあるので、これを持ってきているのかなあ、と思いましたが、”流出”した販売マニュアル等で写真を見ると、リア・メンバーの形は、現行インプレッサそっくり(一致しない点もある)。
とすれば、駆動系は大丈夫かな?でも、伝統的にスバルの駆動系って弱いんだよな(汗)。ギアボックスは大分強くなっているみたいだけど、FR化を単純にやったクルマって、ドライブ・シャフトが結構捩じ切れるトラブルがある(エンジンのチューンの度合いにもよる)。あれは凹むからねぇ。
NAでは大丈夫だから…とそのままであれば、多分ターボ化はしんどい。
エンジンはどうかなあ。
最近のトヨタは、特にエンジンにこそ余裕や余地を残さない設計が目立つ。
その証拠に、ほら、エンジン・ルーム。
いじんなよ!と言わんばかりに隙間がない。
あれじゃターボ化って難しい(できんことないけど)。
それと、元々水平対向って、ロータリーの次くらいにトラブルが多い。ターボ化がどこまでいけるか、どこかのショップに人身御供になってもらうしかない(笑)。
さてさて。
ワタクシが何故強度強度!!と五月蠅いのか。
それには、ちゃんと訳があります。
ワタクシがショップで仲良くなった人で、R32タイプMにRB26を搭載した人がいます。
この人のクルマ、大変良いのは良いんですけど…
ご想像通り、ドラシャ捩じ切れが多発(大汗)。
サーキットに、ドラシャを何本も持ってきておくんですよ。
何しろ、コースを走る前に、高速道路で捩じ切れることもあったから。
最初からドラシャを何本も持ってきては壊れ、すぐに交換してまた走るっていうのを見ていると、本当にしんどいみたいで、楽しさも半減していたように思えました。
勿論、RB26なんかを積むんだから、そりゃ仕方がないじゃないか!とお思いの方もおられると思います。
そう、その通り。
ここなんです。「境界線」というものは。
R34となると、ギア・ボックスが既にR32・33GT-Rと同形式。このギアボックスが音をあげたとか聞いたことがない。
でも、R32のギア・ボックスは、シルビアのNAなどに使われるもので、やっぱりちょっと弱い。
R32タイプMの人の場合、結局R32GT-Rのメンバーとドラシャ、ハブなどを移植して問題解決(Rのドラシャが折れたというのは聞いたことがない)。
社長のR34スカイラインも、今のもそうですけど、必ずRの駆動系にしています。
他の人の他車種でも、大したクラッチ蹴りなどしていなくても、やっぱりギア・ボックスがドン!と逝ってしまい、大変というものもある。
つまり。
そのクルマが本来持っている『余裕』の範囲でチューニングできなくなってくると苦しい。
こうやればできる!!というがあったとしても、余計な予算が嵩むと、当然しんどくなってしまう。
ワタクシにとって、「できる」と「予算度外視」は一致しません。
だから、クルマのポテンシャルの範囲でいじるのが基本ということになる。
今回のトヨタ86は、シルビアのNAと仕様が数値上近くても、いじってターボモデルと同じパフォーマンスを発揮するのは、ベースのポテンシャルから言えば相当苦しいのではないか?と思っています。
とすれば。
今のところ、86は、ロードスターと同じようなターゲットと考えていいのではないかと思っています。
その目的に沿ったいじり方が合うだろうな、と。
クローズドボディですから、ロードスターよりはずっとマシな剛性はあるでしょうけれど、エンジン・パワーを100馬力以上上げ、クラッチを蹴ってクルマを真横に向ける、なんてことは御法度のクルマではないかなあ…
今は、そういう事もやり始めているので、それができないとちょっと辛い。
おそらく、RX-8のような位置付けかなあ…でも、あれもFD3Sのお蔭で過激なクルマは作れたもんな(笑)。
第一、PCD100の5穴っちゅ~ホイールもちょっとねぇ…
何で今時??と思わざるを得ない。
トヨタの方たちが言っていたのは、ユーザーの喜びそうなクルマと言っていたけれど、こんな基本的なところで躓いているようではちょっとねぇ。
スバルだって、さんざん言われて114.3に換えたくらいですもん。
今回、開発はスバル側ということでしたけど、何故PCDを100にしたのか?自分達だってそんなところで文句を言われるのは最初から火を見るより明らかだった筈なのに。
まさか、スバル系メーカーの余りを処理する予定なのか??
まあ、現行インプレッサの足回りを使用しているのであれば、ハブなんかすぐに交換して次回車検で公認ですけどね(笑)。
とまあ、86に関しては、いじることが許される範囲が残っているのかどうか?がワタクシには今のところ「??」でしたので、揃ってきたところで考えたいと思っています。
…第一、エンジン周りを初めとして、きっとトラブルが多いクルマだと思いますからね。
後期型になったら考えましょ(笑)。
Posted at 2011/12/04 09:31:08 | |
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チューニング | 日記
2011年12月03日
この記事は、
価値観の再構築に期待について書いています。
↑この記事とそれに寄せられた意見に感心しました。
なるほど。
R35GT-Rはガチガチの雁字搦めか。
言い得て妙、というところです。
実は、ですね。
ワタクシの友人(我が盟友・あきんど)が。
「うね、もう我慢ならん!!」
と最近言い出しまして。
曰く。
「おもろない!!」
…との事。
よくよく聞けば、何とも贅沢な悩み。
つまり、何をやっても面白くないとの事。
何でも、ゴルフをやれば、小学生の子供の方が真っ直ぐ飛ぶのだそうで。
おチビさん曰く、「パパ、そんなん力入れたら飛ばんへんで~。力抜いて当たる時だけシュッて力入れたら飛ぶんやで~?」と言いつつ隣で真っ直ぐ飛ばしているのだそうで(コーチまでその言葉に『うんうん♪』と言って頷いていたらしい(笑))。
…そんなに好きな訳でもなく、まして才能が要るものは、やっぱり少なくとも寝食忘れるくらい好きでなければやれないとの事。
それは一理ある。確かに、やっていて興味があまり湧かないものは、やり続けるのも苦痛というもの。
義務になったら終わりだんもねぇ~。
では何が楽しい?と言ったら、やっぱりクルマ!となったらしい。
で。
先日来、家にあるクルマをいじるにはどうしたらいいか?とか、そもそもいじるのは面白いのか?とか、まあワタクシのあのクルマの現状を知らんから、そりゃもう質問攻め(笑)。
彼も、昔は少しはいじっていたけど、できてしまうと乗ることに集中してしまうので、知識が全くと言っていいほど無いんですわ。
そこで、色々と一緒になって考えていた訳です。
まず。
ポルシェ。
いえね。
以前、乗っているレクサスの買い替え時期を考えて、メルセデス(ヤナセ)にも一緒に行ったんですけど、それは「自分には合わん」と瞬殺(汗)。
今回は、スポーツ・カーにターゲットを絞っていたんですよ。
で、最初がポルシェ
豪儀だねぇ(笑)。
行ってみると、まあ当然ポルシェですよね(笑)。
簡単に言えば、隙が無い。
正に、オールラウンドな完成品。
そして、もう一つの候補を考えるために、ワタクシ行きつけのショップでフルチューンのZ33。
何しろフェンダーまで外装完成のターボ仕様ですからね(笑)。
ところがね。
彼の驚きは、Zが一番だったんですね。
姿に驚き。
社長のドライブでZに同乗して驚き。
何しろ、ポルシェの直後で、いわば走り・曲がり・止まるの究極を感じてきた訳ですが、フルチューンのZでも同じような感触を得てビックリした訳ですね。
こう書いてみると、ポルシェがダメと言っているという勘違いをされると困るのです。
何しろポルシェはポルシェです。悪い訳がないですよ。
ですけど、ここで考えたのは、『欲しい物』とは何だろう?って事でした。
物が売れない物が売れないと言われて大変久しい状態です。
でも、本当はどうなんでしょう?
安い物が売れている?高い物は未だに売れている?
確かに、どちらも当たり。
でも、本当は、『物を買う』とは、その後の『欲しい自分』を買っているんだと思うんです。
物を買うのは、機能だけを買う訳じゃない。
こう使いたいとか、こうなっている自分とか、それを思い浮かべているのは間違いない。
簡単に言えば、物を通じて得られる自分の時間を買っている訳です。
でも、彼にはメルセデスは合わなかった。
そして、ポルシェからは自分が思い描く姿が得られなかったんですね。
彼が何故Zに反応したか?
それは、とても簡単。
成長しながら乗る姿がなかったから。
ポルシェは、お店で特にカレラは運転が難しいなどと言われました。
ただ、それはサーキットでコントロールしきってタイムを出す場合の話。
つまり、ポルシェの奥行きは、既にそれだけ深い訳です。
では、その領域まで乗るか?むしろ、そういう走りもしないのに、日頃の足としてポルシェを買うのか?
勿論、そういうゆったりとした走りでも、ポルシェは秀逸なんです。
しかし、それだと、今持っているレクサスのような使い方のクルマにポルシェを据え、その台数が増えるだけに等しくなってしまう。
彼には、それだと意味が無かった訳です。
つまり、完成しすぎているのも考え物だったといえるかもしれません。
最初はATで、入口を大きく取って入り、思いっきり走って、腕を磨いて、場合によってはMT車にクルマを換えて、また走りを少しずつクルマと共に成長するのも楽しい。
そういう意味では、国産のスポーツ・カーのチューニングというのも悪くない。
そうした延長の末にポルシェ。
そんな使う腕と場所があれば、ポルシェも本望の筈ですから。
ただ、そういう使い方をするのには、ポルシェは、何もかもが高い。
それは、楽しみで乗るには大きなネック。
結局、レクサスの一台をいじるところから始めるか、という話になっています。
ワタクシも一緒に動いてみて、なるほどなあと思うことが沢山ありました。
今のシルビアと共に四年。
面白いことは、全てこのクルマでです。
前よりももっと楽しいことができそうな気がしているからいじってきたようなものです。
超々ボンクラから超ボンクラ程度に成長したにすぎませんが(笑)。
で。
昨日、お店に行ったら、社長に言われる訳ですよ。
「あ!入りましたよ~!」
へ?
ワ、ワシ、何か注文しとったっけ??
「R34GT-R!」
…値段を見ると、一応買えそう。
まして、シルビアにかけたお金だったら余裕で(大汗)。
そうか。
ワタクシも、ポルシェが買えたのか。
こういう時。
考え込んでしまいますよねぇ?(笑)。
Posted at 2011/12/03 15:40:06 | |
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閑話休題 | 日記