MOTEGI〜嵐を呼ぶ男

その日、モテギには朝から不穏な空気が流れていた
晴れているのか曇っているのかそれとも嵐が迫りつつあるのか…
そんな僕の不安を見透かしたかのよーにMr.シンは言った





甘いコーヒーとお菓子をどーぞ
どー見てもおばあちゃんちの台所から勝手に持ち出してきたとしか思えないピンク色のポットからお湯を注ぎながらMr.シンは不気味に微笑んでいた…





甘いコーヒーを飲み下し
蛇に睨まれた蛙さながら責め立てられるようにピットを飛び出し
焦る気持ちのままコースイン
少しでも早くレコードラインに乗せようとスロットルを開けた





肝冷やしたし
これが狙ったラインならたいしたもんだが、んなわけない
すっかり戦意喪失
その後は遠去かるMr.シンの後ろ姿をただ眺めることしかできず





Mr.シンの言葉が頭の中でリフレインしやがる
甘いコーヒーをお飲み…





走行を終えてピットに戻りふと空を見上げる
あまりにも不甲斐ない走りに天が怒っている！
車に避難した直後…





嵐を呼ぶ男、その名はMr.シン
奴を怒らせるな

甘いコーヒーをお飲み… (((;ﾟ;Д;ﾟ;)))ｶﾀｶﾀｶﾀ