やっちゃいけない事、判っててもやっちゃうってのは遊びでも良くある事でゴザイマス。
油温110℃越えてると判ってても、130℃までは大丈夫だっぴ。
とか
レブリミット上げてるからと、ばんばんレブに当てちゃうとか。
次元の違う話ですが、海と毒薬もそういう話と解釈しました(^_^;)
・・・・私ゃその程度の男です(笑)
有名な小説ですし映画にもなってるのでご存知の方も多いでしょうが、戦争末期に九州の大学で行われた、米軍捕虜の生体実験 と言うか生体解剖に携わった関係者の話です。
名誉挽回の為、派閥争いの道具として、自分の株を上げる為、男と女の情の上で。
色んな立場の医者や看護婦が、それぞれのバックボーンの上でこの非人道的な"研究"に臨みます。
主人公の若き医師は、将来は結核医にでもなれればって感じのよく言えば無欲な善人ですが、ある意味ネガティブな主体性の無い男です。言葉知らないので上手く書けなくてすいません(汗)
軍の要請というのも有って件の実験に大学として協力する事となり、主人公も参加するか否かを問われます。
強制的にではないです。少なくとも主人公は断ろうと思えば断れる立場に居ました。
しかし、参加します。
ほんとは心の優しい人です。葛藤は有りました。
しかし、主人公も参加するのです。
キリスト教的な絶対的善悪の無い、日本的な漠然とした倫理観しか持たないが故に周囲に半ば流され、この非道な実験に参加するのです。
他の参加者のような先述の如き利害的・感情的な理由すら無いまま。
そして主人公は後悔します。
"悪"を断罪する話じゃないのが重いです。そんな事を所望する軍の事はさらりと書かれてます。
生きたまま人を実験台にする事は"悪い事"と知りつつも、確たる理由付も無いまま流されてしまう日本人的な倫理感がテーマです。
戦後、開業医として細々と医療に携わり続けていた主人公は言います。
「仕方がないからねぇ。あの時だってどうにも仕方がなかったのだが、これからだって自信が無い。これからも同じような境遇に置かれたら僕はやはり、アレをやってしまうかもしれない・・・アレをねぇ。」
読んでみて、確かに物語の構成として冒頭に出てくる気胸の男の件が確かに?では有りますが、だからといって最後にこの男が最後纏めちゃったら、なんか薄っぺらい終わり方になっちゃうんじゃないかなとは個人的には思いましたです。
完璧な作品じゃないのかもしれませんが、重くてイイ本すね。
既に"沈黙"も読み終えましたが、確かに遠藤周作っていいなと思いましたです。
・・・・・やっぱいい塩梅な男の俺が真面目に書くと照れますね。
いいんです。普段あまりにテキトウなブログばかりなもんでバランスとろうと思ってるだけですので(^_^;)
Posted at 2013/05/13 22:39:19 | |
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