
第82回 ル・マン24時間耐久レース
トヨタの久しぶりのポールによって幕を切ったル・マン、レースでは厳しい戦いとなりました。
レースのスタートでは、ブルツが駆る7号車トヨタがトップを悠々走行します。
そんな中注目を集めていた日産ZEOD RCが駆動系トラブルのため、僅か20分程の走行でリタイヤという結果に。デルタウィングでの参戦に続きガレージ56車両の完走はなりませんでした。
7号車がトップを走り、その後ろは接戦を続けている中で一回目のピットのタイミングを向かえます。
その後まず最初の波乱が待ち受けます。
なんとユノディエールから第2シケインまでの間で突然の豪雨が降り出し、LMP2でトップを好走していたKCMGがシケイン後のタイヤシケインにヒット。さらに第1シケインの手前ではペースを落とす3号車ボナノミに戸惑った8号車ラピエールが単独でバリアにヒット、さらにそこへ81号車バードが突っ込みます。
これにより3号車と81号車がダメージを負い復帰を試みますがリタイヤに。
一方8号車はダメージが少なく自力でピットへと戻ります。
この後特に大きなアクシデントは起こらず、7号車トップで推移していきます。8号者は修理を終え走行を再開しますが、ほぼ最後尾まで落ちてしまいひたすら完走を目指します。
そしてル・マンは夕方から夜へとステージを移してきます。
しかしスタートから14時間経過後に大きなドラマが待ち受けます。なんとここまで無風の独走劇を見せていた7号車が電気系のトラブルに見舞われます。復帰を試みますが、電源が再び入ることはなく正式にリタイヤとなりました。
これにより2号車がトップへと浮上します。
ただトップに浮上した2号車にも数時間後にトラブルが襲います。ターボのトラブルに見舞われ、リードを1号車へと奪われ周回遅れへと後退。しかし今度は1号車へもトラブルが発生しガレージイン、ポルシェ20号車がトップへ浮上するという数時間のうちに大きな展開が。
トップに躍り出た20号車と2号車のバトルは、後ろの2号車ロッテラーが意地の追い上げを見せグングンとタイム差を縮めていきます。ピットでの順位変動はあるものの、一騎打ちに様相になるかと思われましたが、20号者はウェバーがドライブ中に突如ペースダウン。EVモードでどうにかピットへと帰還するもののトラブルは深刻なものであり残り僅かというところで無念のリタイヤに。
またトラブルを抱えながらも走行を続けていた14号車のポルシェも同様にトラブルを抱えピットへ。
ポルシェは復帰戦をリタイヤと11位に終わり現実を突きつけられました。
これにより敵がいなくなったアウディ勢はしっかりとしたペースで走りきり、2号車のファスラー、ロッテラー、トレルイエのトリオが見事今年のル・マンを制しました。
2号車の3人にとっては3度目のル・マン制覇となりました。2位にはプラクティスで大破した1号車となり、アウディは3メーカー対決をワンツーフィニッシュを決めました。
ペースでは圧倒的に差をつけていたトヨタですが、後方から粘り強くポジションを上げた8号車の3位という結果に終わりました。P1-Lクラスのレベリオンがプライベーターらしい安定した走りで見事な4位入賞。
LMP2では、序盤KCMGがトップを走るなど好走を見せましたが、雨でクラッシュ。その後復帰を果たしますが、サスペンショントラブルにより再びクラッシュしリタイヤに終わります。
優勝争いは34号車レースパフォーマンス、35号車OAKなどがトップに躍り出ますが、終盤トップ争いを繰り広げたのはJOTAとティエリーbyTDSの2チームに絞られ、最後のピットを終えても差は大きくありませんでしたが、最終的にはJOTAが逃げ切りに成功。
ドーラン、ティンクルそして急遽代役参戦となったターベイが勝利を飾ります。井原慶子は総合12位、クラス9位で初めてル・マン完走を果たしました。
GTE Proクラスでは、フェラーリ、アストンマーチン、ポルシェ、コルベットの接戦となり、各ワークスがそれぞれラップリードを奪うなど、激しい戦いとなります。
しかし徐々にトラブルにより姿を消すマシンが。結果ポールを獲得した51号車フェラーリのブルーニ、バイランダー、フィジケラが優勝を飾りました。
コルベットも新車C7でトップ争いを展開しますが、2位。去年ウィナーのポルシェは3位となりました。
Amクラスでは、ドライバーラインナップが強力なアストンマーチン勢が上位を争い、95号車が去年レース中の事故でなくなったシモンセンに捧げる勝利を飾りました。
日本から久しぶりにル・マンへと参戦を果たしたタイサンは、トラブルもなくクラス8位で完走を果たし、来年の出場へ既に準備を行うようです。
情報 LeMans 24h
オートスポーツweb
1 (P1-H
1st) アウディ R18 e-tron quattro ファスラー/ロッテラー/トレルイエ
2 (P1-H
2nd) アウディ R18 e-tron quattro ディグラッシ/ジェネ※1/クリステンセン
3 (P1-H 3rd) トヨタ TS040 Hybrid デビッドソン/ラピエール/ブエミ
4 (P1-L
1st) レベリオン Oreca R-One -toyota プロスト/ハイドフェルド/べシュ

5 (P2
1st) JOTA Zytek Z11SN-Nissan ドーラン/ティンクネル/ターベイ※2
6 (P2
2nd) ティエリーbyTDS Liger JS P2-Nissan ティエリー/バッディ/ゴメンディ
7 (P2 3rd) アルピーヌ ALPINE A450 - Nissan シャティン/パンチアッティ/ウェブ
8 (P2 4th) S.ローブ・レーシング Oreca 03R-Nissan ラスト/チャローズカピラッリ
9 (P2 5th) OAK Liger JS P2-Nissan ブランドル/マーデンボロー/シュルツスキー
10 (P2 6th) モランド Morgan LMP2-Nissan クリエン/ハイラシュ/ブランデラ
11 (P1-H 4th) ポルシェ 919 Hybrid デュマ/ヤニ/リーブ
14 (P2 12th) ラルブル Morgan LMP2-Nissan レガス/井原/テイラー

15 (GTE Pro
1st) AFコルセ フェラーリ 458GTE ブルーニ/バイランダー/フィジケラ
16 (GTE Pro
2nd) コルベット コルベット C7 マグヌッセン/グラシア/テイラー
17 (GTE Pro 3rd) ポルシェ ポルシェ 991 RSR ホルツァー/マコビッキー/リーツ

19 (GTE Am
1st) AMR アストンマーチン V8バンテージ ポールセン/ハンソン/ティム
21 (GTE Am
2nd) プロトン ポルシェ 991 RSR リード/バシェラー/アルクバシ
22 (GTE Am 3rd) AFコルセ フェラーリ 458GTE コンパンク/シオッチ/ベンチュリー

28 (GTE Am 8th) タイサン フェラーリ 458GTE 中野/エレット/リッチ
リタイヤ
(P1-H) ポルシェ 919 Hybrid ベルンハルト/ウェバー/ハートレイ
(P1-H) トヨタ TS040 Hybrid ブルツ/サラザン/中嶋
(P2) KCMG Oreca 03R-Nissan ホーソン/ブラッドレー/インペラトーリ
(P1-H) アウディ R18 e-tron quattro アルバカーキ/ボナノミ/ジャービス
(CDNT) NISMO ZEOD RC オルドネス/ライプ/本山