大学進学に伴い、月初めから一人暮らしを始めた次女を迎えに行く際の出来事。往復300キロくらいの運転は全く苦にならないのだが、相方は運転手である私が眠くならないように気遣ってか、いつになく色々と話しかけてきた。女性の話というのは、我々男性からすると「前の話題とどうつながっているのだろう?」と思うほど脈絡がなく変遷するものだとよく言われる。そして、うちの相方もご多分に漏れず…という感じ。
どういう流れだったかは失念してしまったが、規則性を感じさせず移り変わる話題の中で、先日売却したレンズの話になり、「あんなにたくさんのレンズが必要なのか」という、私が最も触れてほしくない部分にスポットが当たってしまった。鼓動が速まるのを感じながら、私は次のように応じた。
(1)本数だけはあるが、古いモノが多く、売っても二束三文である。
(2)それぞれに得意とする被写体があり、整理統合するのが難しい。
(3)夜な夜な飲み歩くことを思えば、品物が残るし安上がりである。
もともと私の眠気覚ましのためだったのだろう、詰問口調でもなかったし、それ以上追及されることもなかった。
危険な話題を乗り切って安心した私、一昨日撮った月の写真の話に切り替えてみた。
私「車庫にある天体望遠鏡、あれは焦点距離1000mmなんだ。」
相「焦点距離って何?」
私「簡単に言うと、その数値が大きいほど大きく見えたり写せたりするんだ。」
相「へえ~。」
私「でも、昔はなかなか上手く写せなかった月が、最近は簡単に写るんだよ。」
相「こないだの写真も、クレーターよく見えてたよね。」
私「レンズもそうなんだけど、デジカメ自体の進化も凄いんだよ。」
相「そうなんだ。」
私「昔は、フィルム感度は100が普通で400が高感度だったじゃん。」
相「そうだね。」
私「フィルム感度が高いと、光を蓄える時間が短くて済む。つまりブレにくいんだ。」
相「ああ、なるほどね。」
私「最近のデジカメはフィルムとは桁違いで、手持ちでも月なら楽勝で写るんだ。」
相「桁違いってどんな風に?」
私「うん、最初に買ったデジイチが1600、次のが6400、次のは12800、一番最近のは51200まで上げられるんだ。」
相「…一番…最近? いつ買ったの? また買ったの?」
私「いっ、いや、もう何年も前(実は7ヶ月前)だよっ…。」
相「ふ~ん、ま、お小遣いの範囲でやっててくれれば良いんだけどね。」
元々眠気を感じていたわけではないが、一気に覚醒した気分であった。その後は話題の選択と運転に、それまで以上に細心の注意を払ったことは言うまでもない。

今回の戦犯(Nikon Z fc Tamron 18-400mm 600mm相当 F8 1/500sec)
Posted at 2023/04/29 19:09:48 | |
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