
仕事帰り、フラッとTSUTAYAに立ち寄った。自宅でのお籠もり生活をしている親父に車雑誌、お袋に漢字パズルの本を買って帰るためだった。会計しようとレジ前に立ったところ、レジ脇にしれっと写真のマスクが陳列してあった。お一人様1箱限定、5枚で297円だった。1枚当たりで考えれば安いわけではないし、平時であれば併設されているダイソーで扱っている商品なのかも知れない。それでも、マスクが普通に売られているのを見るのは2ヶ月半ぶり。何だかホッとした。
私の世帯ではまだマスクが枯渇したわけでもないので、親父とお袋にあげることにした。本当ならもう一箱ぐらいほしかったが、一旦店の外に出て再びレジに向かうようなことは私にはできなかった。他の客も行儀良く行列を作り、マスクを一箱だけ持って立っていた。全員がマスクを持っていることを除けば、ごくごく普通の光景である。こんな風に、少しずつ色々なことが元に戻っていってくれるのだろうか。きっと戻る。戻ってほしい。
今回の新型コロナ騒ぎでは、人間のイヤらしい面があちこちで噴き出していたように思う。マスクの高額転売、消毒液の買い占め。この非常時に政争の具として与党の揚げ足取りに精励する野党。散々不安を煽り倒しながら弱者の味方を装うマスコミ。自粛しろと言われているのに目先の快楽を求めて旅行に行って感染するお馬鹿さん。帰省するなと言われているのにウイルスを寄生させて帰ってくる帰省者。感染者に関するデマに基づいた個人攻撃。日本人(勿論、自分も含む)ってこんなに愚かで醜い民族に成り果てたんだなあ…と寂しい気持ちになった。
何時になるかは分からないが、新型コロナの流行が終息すれば、私達の生活は(見た目上は)元に戻るだろう。しかし、失われたまま元に戻らないものもでてくるかも知れない。それどころか、元に戻らなかったものに気付くこともなく日々が過ぎていってしまうかも知れない。身勝手な言いぐさになるが、家族、そして大切な友人達の無事を心から祈りたい…。一箱だけ買えたマスクを見つめながら、そんなことを考えてしまう私だった。
Posted at 2020/04/22 20:50:37 | |
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