テレ朝「グッド!モーニング」で真逆報道があったというニュースに接した。昭和時代に比べれば、テレビの影響力は大きく低下している。しかし、未だにマスコミの代表格であり、そこで垂れ流される情報を盲信する人も少なくない。善良な人は「テレビで言っているのだから間違いなかろう。」とか「多少のやらせや誇張があるにせよ、嘘までは吐くまい。」と考えているかも知れないが、決してそんなことはないのだ。
今回の一件は、心臓外科医の澁谷泰介氏に対して行ったインタビュー中から一部分を抜粋し、澁谷氏の結論(いたずらにPCR検査数を増やすのは得策ではない)とは正反対の結論(直ちにPCR検査を増やすべきだ)を補強する材料に使ったというものである。テレ朝は「受け止めを疎かにしていた部分がありました。」と詫びたらしいが、疎かにするとかいうレベルではないだろう。NoをYesにしてしまったのだから。番組制作意図に合わせて、恣意的な編集を行ったと考えるのが妥当である。仮に読解力不足というのが本当だったとすれば、その程度の読解力しかもたない人間が作った番組が垂れ流されていることに恐怖を覚える。
古い話だし、違う局の話になるのだが、かつてTBSも同じような真逆報道をやらかしていた。
日韓併合についての石原元東京都知事の発言、そして
アメリカのハイド下院議員(当時)の発言に、捏造テロップを添えて真逆報道した件である。
前者は「肯定するつもりはない」という言葉に対して「肯定するつもりだ」というテロップを当てていた。後者は「I don’t feel strongly…(私は強く感じているわけではない)」に「私は強く感じている」というテロップを当てていた。TBSは「語尾が不明瞭で聞き取りにくかったため、テロップミスをした。」とか「単純な誤訳をした。」などと言い訳していたが、発言全体を聞けば、つじつまが合わないのは明白であった。明らかな恣意的な編集、偏向報道であったと考えている。
世の中に中立の報道はない。少なくとも、マスコミが報じるものには、全てマスコミ各社の意図が含まれている。その意図が「正義」「真理」「権力の監視」などであればまだいいのだが、彼らの意図は「視聴者、購読者の興味関心を引くこと=視聴率、購読率の向上=金儲け」でしかない。勿論、慈善事業ではないのだから、そのこと自体を責める気はない。生活のために稼がなければならないのは皆同じである。しかし、彼らマスコミに対して腹が立つのは、金儲け至上主義のくせに、さも「庶民の味方だよ」「正義の味方だよ」ってな顔をして、偉そうに上から目線で語るところだ。正義かどうかは知らないが、少なくともマスコミと呼ばれる新聞社やテレビ局の社員や出演者達は断じて庶民ではない。
最近、「#検察庁法改正案に抗議します」ってのが流行っているらしい。マスコミは挙って「普段は政治的発言をしない芸能人が声を上げています!」ってな感じで煽っている。ただ、ツイートしている人の中で、問題点を正確に理解している人はどれくらいいるのだろうか。また、何故
このタイミングで・芸能人が・一斉に声を上げているのだろうか? ひねくれ者である私は、そっちの方が気になってならない。
何かを見聞きして感想をもち、SNSツールなどを用いて広く発信する。それは(他者の権利や自由を侵害しない限り)自由である。ただ、それを行うのであれば「正しい情報」を入手し「冷静な分析・判断」をした上で…でありたいと思う今日この頃である。
Posted at 2020/05/12 19:58:30 | |
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爺放談 | 日記