キン肉マンを知らないという人は多くないのではなかろうか。仮にキン肉マンを知らずとも、額に「肉」の字を書いたり書かれたりするのを見聞きしたり、体験したりした人は少なくないだろう。1979年から1987年まで週刊少年ジャンプで連載していた「キン肉マン」だが、「キン肉マンII世」を経て、週刊プレイボーイ誌で再び連載が始まって久しい。私が大学時代に読んだキン肉星王位争奪編が終了したところから連載が(同じ時間軸で)再開されたというのは、既にオッサンになっている嘗てのファンを大切にしているんだな…と感じられる。
私の記憶にある「読み切りのキン肉マン」世界では、キン肉マンは泥酔したウルトラの父が外で浮気をして作った子供という設定で、ウルトラ兄弟(含むウルトラの母)が総出でキン肉マンをいじめる…という、今からすると考えられない展開だった。連載に移ってからしばらくは純粋なギャグマンガだったが、超人オリンピックなるものが始まってからは、割とシリアスなバトル物になっていった。ジャンプで長期連載に持ち込まれる作品の多くはバトル物になっていくのだが、キン肉マンについては違和感なくそれを受け入れることができたように思う。
ギャグマンガのキャラクターだったキン肉マンが、シリアスなバトル物の主人公を違和感なく務め続けているというのは、作者の力量の高さなんだろうなと感心することしきりである。ただ、初期のギャグマンガ時代も好きだった人間からすると、シリアス路線をひた走るキン肉マンに、ちょっと物足りなさを感じることもあった。
そんな私だが、
今週号のキン肉マンを読んで、軽く感動してしまった。キン肉マンの代表的な台詞
「へのつっぱりはいらんですよ!」が炸裂していたからだ。

これはギャグマンガ時代に頻出の台詞で、聞いた人が
「おお、言葉の意味は分からんが、とにかくすごい自信だ。」と応じるのがお約束だった。まさか、このシリアス路線の中でこのやりとりに出会えるとは思わなかった。しかも違和感なく収まっている上、深い味わいを出しているではないか!
このところ、結構仕事が込み入っていて、しんどく感じることが増えてきている。周囲からも「大丈夫ですか?」とか「大変そうですね。」などと労われることも少なくない。そんな時、この台詞を使ってみようかな。…ってなことを感じた一時であった。
Posted at 2020/07/13 20:31:55 | |
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