
日本で働きたいという書き置きを残し、宿舎を抜け出していたウガンダの選手が保護され、帰国の途に就いたそうだ。まあ、自国での苦しい生活には同情しないでもないが、やはりルールはルールである。日本だって、決して生活が楽な国などではないが、それでも働きたいと思うのなら、きちんと手順を踏んで再度来てくれればいい。
こんなことを書くと、日本まで来る旅費が工面できないとか、ビザの取得が困難だとか、日本は外国の人の受入に消極的な国だから…とか言う人がいる。でも、だからといって違法な入国や滞在を許す理由にはならないだろう。仮に周囲の人と打ち解けて、真面目に暮らしていたとしても、違法は違法だと思うのだ。件の選手だって、在留資格をもたないまま隠れ住みながら働くことが出来たとしても、おおっぴらに妻子に送金することも出来ないだろうし、そもそもそんなお金を稼ぐことも出来なかったかも知れない。自国で生きる以上の困難に直面させられた可能性は高い。帰国するという決断は、きっと正しかったのだと思う。
しかし…だね、宿舎を勝手に抜け出し、一時的とは言え行方をくらましていたというのは、明らかにルール違反だよね。それなのに「逮捕」ではなく「保護」であり、「強制送還」ではなく「帰国」なんだ。日本が非人道的だのなんのと騒ぐ連中もいるが、実に温厚な措置ではないか。温厚よりも弱腰という言葉の方がしっくりくる気さえする。
アメリカの体操選手団が選手村に入らず、ホテルに宿泊することにしたそうだが、それについても制止するどころか「コメントする立場にない」なんて温い談話を出している実行委員会…。まあ、バブル方式なんていうネーミングを使っているところからして、頭が悪い人たちなんだって思うよ。私のようなオッサン世代にとって、バブルってのは「弾ける前提」の言葉なのだから。
明日、開会式らしい。
子供の行事なんかどうでもいい的な発言をしちゃった人もいたようだが、私にとってはオリンピックの方がどうでもいい。敵意を抱いているわけではないが、とにかく全く興味が湧かない。幸い、私は田舎住まいなので見なきゃ済むだけの話だ。しかし、会場周辺で住んだり働いたりしている人にとってはもっと切実だろう。交通規制や行動の制約への不満、大勢の選手、関係者が出入りすることへの不安、それに加えて脱走者や造反者に対する日本政府の弱腰への憤り…。私みたいに五輪に興味のない人にとっては、本当に迷惑な話なんだろうなと思う。
激しい逆風の中、開催しちゃうことにビックリしているが、今さら止めようもないだろう。せめて無事に、速やかに終了してくれることを心から願っている。
14:05追記
アメリカの体操選手団のホテル宿泊を責めるような書き方をしたが、
別記事を読んで考えを改めた。自らが率先して例外を作っていたんだね。それじゃあ、コメントなんか出来っこないよね。やれやれ…。
「日本の卓球、柔道、レスリングなどメダル有望種目の選手らは外部宿泊施設を利用することが明らかになった。これを受け、米国女子体操代表チームも選手村でなくホテルに滞在することを決めた。」
Posted at 2021/07/22 07:29:02 | |
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