仏事に参加し、住職さんから卒塔婆について講話を伺う機会を得た。語源はサンスクリット語の「ストゥーパ(塔)」であることは大学の宗教学で学んだ記憶が残っていたが、五つの刻みが何を意味するのかということは失念してしまっていた。講話中では、五つの刻み一つ一つの意味については触れられなかったので、帰宅後に調べてみたところ、宇宙の生成要素である「地・水・火・風・空」の五つを表すとのことだった。そうそう、講義でも聞いた覚えがある。「
孔雀王」や「
天空戦記シュラト」などで出てきた呪文「オン・アビラウンケン・ソワカ」の「ア・ビ・ラ・ウン・ケン」が前述の五要素のことだと知ったときは、意味もなく気分が高揚したモノだった。
閑話休題。卒塔婆についての講話を聞いているとき、昔の特撮番組のことを思い出してしまった。ご存じの方は多くないだろう「
シルバー仮面」という番組である。別ブログ(現在は更新終了状態)で12年以上前に話題にしたこともあるのだが、火だるまになった宇宙人の中の人が大やけどを負ったとか、商店街でシルバー仮面が宇宙人を追いかけるゲリラ撮影をしたとか、宇宙人を必殺技ではなく崖から突き落として倒したとか、何かと話題の多い作品である。その作品の中で、シルバー仮面と宇宙人が何故か墓地で戦うシーンがあるのだ。

画質が悪いのでよく見えないかも知れないが、左側にいるのがシルバー仮面である。そして、剣のようなモノを持って戦っている。しかし、彼にはそのような武器は備わっていない。そう、剣ではなく卒塔婆なのである。もちろん、本当の墓地ではなくセットを組んだのだと思うし、仮に本物の墓地をロケ地に選んだとしても、卒塔婆は小道具として用意したモノだと思う。そうであってほしい。それにしても、何と罰当たりなヒーローであろうか。やれコンプライアンスだ、自主規制だと喧しい現代では、とても制作や放送はできないだろう。
このシルバー仮面は番組として当たったとは言えなかった(罰が当たったからか?)ようだ。しかし、色々なものに囚われず、勢いで突っ走ってしまうような時代の勢いが感じられなくもない。閉塞感に支配されている昨今、こういうモノをみて笑い飛ばせるような豪快さ、いい加減さも必要なのではないか…なんて思う今日この頃である。
Posted at 2022/03/13 16:58:55 | |
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