
3年前、キャンプに来ていた小1女児が行方不明になった現場付近で、子どもの頭骨の一部と靴が見つかったそうだ。事件当初から「母親が怪しい」といった陰謀説がまことしやかに流布されていたし、昨年はSNSなどで母親を中傷した男に執行猶予付きの実刑判決が下っていた。確かに母親のメディア露出のスタイルは、視聴者から同情以外の感情も引き出してしまう部分があったかも知れないが、それにしても酷い話だなと思った覚えがある。
今回、頭骨や靴が見つかったというニュースにも「散々探した場所で今頃見つかるのは不自然だ」「女児が向かった方向と違う」「声が聞こえない距離ではない」などなどのコメントが付いている。恰も、みんなホームズかポワロか古畑任三郎にでもなったかのようだ。もちろん、女児のものだと決まったわけではなく、DNA鑑定待ち(鑑定の可否も含めて)だが、「3年振りにやっと見つかったんだね。」「せめて家族の元に戻って安らかに…」などという気持ちにはなれないんだろうか。
約6年前、北海道の山中で小2男児が行方不明になったことがあった。
捜索隊が捜索対象外としていた自衛隊演習場の小屋で発見されたよね。約4年前にはスーパーボランティアとして一世を風靡した男性が、
行方不明の子どもを想定とは逆の方角を探して発見したこともあったじゃない。子どもの行動範囲やパターンを大人の尺度で測ってはいけないという教訓を残した事例だったと思う。今回の頭骨や靴は、女児の最後の目撃現場から600m程の場所で見つかっているが、人間のやることに「絶対」とか「完璧」はないと思う。思い込みや見落としがあったとしても不自然ではない気がするのだが…?
酷い物言いになるが、知床遊覧船沈没は現時点で新たに報じるネタが出尽くした感がある。マスコミは「サプライズプロポーズ」「最後の電話」「元社員の証言」「土下座の時間」「ネクタイの色」など、あの手この手を講じて、視聴者の興味関心を引きつけようと躍起になっている。そこに出てきた「頭骨と靴発見」のニュースだ。不自然だと思える点を列挙し、何らかの犯罪である可能性を匂わせることで大きな話題にしようとしている…。悪いけれど、そんな風にしか見えない。
いい人ぶるつもりは毛頭ない。私も俗っぽくて噂話が好きな田舎の爺の一人に過ぎない。しかし、親の端くれとして、子どもを思い続ける親の気持ちは十分理解できる。推理ごっこをしたければすればいい。ただ、その名推理とやらは自分の胸の中だけに留めておいてくれないかなと思う。当たったからといって、賞品や賞金が出るわけではないし、誰かに「すごいね~」って褒めてもらえるわけでもないんだから。
Posted at 2022/04/29 19:15:08 | |
トラックバック(0) |
爺放談 | ニュース