昨日、晩飯を食べていたら、階下からお袋の声が聞こえてきた。誰かと電話で話している様子。聞くとはなしに聞いていたら、どうやらリサイクル業者の営業電話らしい。「どんなボロでもいいんかね?」「じゃあ、こちらから電話するから、会社名と電話番号を教えてくんない。」などと言っている。まさか、変な業者と約束を交わしたわけじゃあるまいな…と思い、食後に事情を聞いてみた。
お袋曰く、「『古着はないか?』って聞くから『あるよ』って答えたら、どんなボロでも、破れていても必ず買い取るって言うからさ。ただ捨てるよりいいかと思ってね。『連休中は予定があるだろうから、連休明けに買い取りに行く』っていうから、日時の相談をするために会社名と電話番号を聞いたんだわ。」とのこと。…嘗てのお袋なら、こんな胡散臭い電話には決して引っかからなかったのにな。私宛にかかってきた営業電話を断るため、あるときは海外出張に出ていることにしたり、またあるときは半年前から失踪していることにしたり、極めつけは先月交通事故で亡くなったことにしたり…と相手を軽くおちょくるくらいの人だったのだが、やはり寄る年波には勝てないようだ。ちょっと寂しい気持ちになってしまった。
感心なことに、先方が伝えた社名も電話番号も実在するものだった。ここに晒すわけにはいかないので、仮名「KYダンディ」とでもしておこう。大阪や川崎に拠点をもつリサイクル業者らしい。社名や電話番号で検索してみると、迷惑業者であることがうかがえる口コミの数々…。それをお袋に示しつつ、今後は知らない電話番号からの着信は無視すること、留守電にしておいて、相手が何かを喋ってから出るかどうか判断すること、決して自分から連絡を取らないことを伝えた。これまでは、そんなことは言うまでもなく実践してくれていたんだけどね。
ま、冷静に考えてみれば、大阪だの川崎だのからわざわざ古着、それもヴィンテージ物でもない単なるボロ着を買い付けに来るわけはない。それを口実にして家に上がり込み、あれこれ物色して安く買いたたいたり、家人の目を盗んで勝手に持ち去ったりする悪徳業者臭がプンプンである。お袋は「家になんか上げる気はないわね。」と言っているが、そういう業者がこちらの心積もりなどを斟酌、忖度などしてくれるはずはない。若い兄ちゃんを年寄りが制止できるはずもない。現にそういう
被害の報道は少なくないのだ。
…というわけで、お袋には納得してもらった上で、KYダンディに関すると思われる電話番号全てを着信拒否にさせてもらった。もちろん、訪問買い取り業者の全てが悪徳業者だと言うつもりはない。中には優良な業者もあるかも知れない。ただ、そんな一か八かのリスクを冒すくらいなら、ハードオフとかオフハウスみたいな店で引き取ってもらった方が安心だ。引き取ってもらえないようなものであれば捨ててしまえばいい。ただ、戦中・戦後を知る世代は物を捨てることを罪悪と捉えがちなんだよなあ。
Posted at 2022/05/02 20:17:33 | |
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日々の徒然 | 日記