
二酸化塩素で除菌消臭…。家庭用、カー用品など、数多くの製品が溢れている。先月、その草分けと言うか牽引役的ポジションの「クレベリン」に対して、消費者庁が景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして再発防止命令を出した。そして昨日、
大幸薬品が優良誤認を認める見解を公表したそうだ。個人的にはクレベリン(二酸化塩素系商品)には割と好意的だったので、ちょっと気の毒と言うか残念な気持ちである。あの塩素臭を嗅ぐと、子どもの頃のプール授業を思い出し、何となく安心するのだ。車内でもカーメイトのDr.DEOシリーズを愛用しているが、甘ったるく吐き気を催す芳香剤などより余程マシだと思っている。元々、除菌効果には過度の期待をしていなかったので、恐らく今後も使い続けるんじゃないかと思う。
所謂「似非科学」が嫌いな人たちが、挙ってクレベリンの販社や愛用者を叩くようなコメントを並べている。ま、どんな風に感じようが自由なのだが、自分自身が信じておらず、使ってもいない製品をどうして精力的に叩こうと思うのか疑問である。似非科学なんて書いたが、二酸化塩素に除菌効果があるのは嘘ではない。もちろん、消費者が求めるレベル、広告から期待されるレベルには到底及ばないからこそ再発防止命令が出たわけだが、似非科学呼ばわりするのは馴染まないように思う。
似非科学と聞いて真っ先に思いつくのが、嘗て一世を風靡した「燃費向上グッズ」であろう。効能書きはこんな感じだったっけ。
「金属メッシュみたいな物をガソリンタンクの中に入れると
燃料が改質され燃焼効率が上がる。」
「エアクリーナーに巻いたり貼ったりすると、遠赤外線(マイナスイオンのケースも多い)の働きで
空気の分子が細分化され、燃焼しやすくなる。」
「車内やエンジンなどに設置するだけで、その
物質の本来の性能を引き出す。」
「
特殊なエナジー(計測不能らしいw)を封入したアルミ板を車のピラーなどに貼るだけで剛性や燃費が上がる。」
「コンデンサが入った機器をシガーライターに挿すと、
バッテリーの電圧降下によるロスを補い燃費が向上する。」
…書いていて目眩がしてくるし、最早突っ込む気にもなれない。これこそが似非科学である。科学的な裏付けが全くないのだから、科学と呼ぶことすら躊躇われる。嘗て、ガソリン価格が高騰した時期(2006年頃)は上記のような胡散臭いグッズが百花繚乱だった。恥ずかしながら、私も幾つか買ってしまった。反省ではなく後悔している、マリアナ海溝よりも深く…。
似非科学の結晶である燃費向上グッズに比べれば、クレベリンはずっとマシな方だろう。科学的裏付けが皆無というわけではないし、効能が宣伝文句に比べて低かったから問題になっているだけだからね。それに、燃費向上グッズに比べれば実に廉価である。先程列挙した燃費向上グッズはどれもこれも1万~2万円前後していたし、現在も売られているもの(アルファベット三文字のヤツ)はその2~3倍の値段のものもある。それに比べれば、千円~2千円くらい可愛いものである。そして、メディアが今も煽り立て続けている「新型コロナウイルス感染症への恐怖」を多少なりとも和らげることができたのであれば、対費用効果としてはそれで十分ではなかろうか。それに「クレベリンを置いている(携帯している)から俺はコロナには罹らない。だからマスクもしないしワクチンも打たない。三密上等!遊び歩くぜ、GoGo!」なんてバカはいないと思うんだ。クレベリンが効果を誇張したからって、その所為でコロナの感染が拡大するなんてことはないだろう。バカ騒ぎする人はどんな状況でも騒ぐし、慎む人はどんな状況でも慎むのだ。
別に大幸薬品から何かもらっているわけではないし、自分が使っている製品が叩かれて意地になっているわけでもない。ただ「いちいち大騒ぎする必要はないだろ?」と思っている。今回の措置命令と販社の見解を受けて、これまで使っていた人は今後どうするか考えればいい。これまで使っていなかった人はこれからも使わなければいい。それだけのことだ。納得して使っている人間達の蒙を啓いてやろうなどというのは思い上がりだし、激しく余計なお世話なのである。
Posted at 2022/05/04 20:35:34 | |
トラックバック(0) |
無駄遣い? | ニュース