
羽田空港での日本航空機と海保機の衝突事故、少しずつ風向きが変わってきている感じだ。当初は「海保機の解釈ミス」がメインに報じられていたが、徐々に「管制官の見落とし」を云々する論調ができあがってきた気がする。まあ、海保機が地震支援に出動しようとしていたこともあり、責め立てにくいという事情もあるのかも知れない。ただ、こんなことを書くのはちょっと気が引けるが、仮に同じ目的で出動しようとした自衛隊機が事故の当事者となっていた場合、元気いっぱい叩いたんだろうなという気がする。
閑話休題。事故責任の所在や事故に至るまでの経緯も気になるのだが、私が気になっているのは「
飛行機内へのペット持ち込み議論」である。事故の全貌が明らかになっていない段階で、何でそっち方面の話が盛り上がるんだろう? 現在は相方のアレルギーの関係でペットは飼っていないが、我が家では18年ほど犬を飼っていた。服を着せたり、「うちの子」なんて擬人化して扱ったりはしなかったが、家族の一員としてかわいがっていた。だから、ペットが「モノ扱いされること」についてはちょっと寂しい気持ちにはなる。しかし、現時点で
「ペットの機内持ち込みを!」みたいな署名をしたり、SNSでPRしたりする人たちにはちょっと共感できない。
1.動物アレルギーの人が近くに居て健康被害が出た(出ることが懸念される)場合はどうする?
2.ペットの嘔吐、糞、尿などの悪臭が生じた場合、窓を開けての換気ができない機内でどうする?
3.緊急脱出時、飼い主がペットを置いていけという指示に従わず、避難誘導を遅らせた(結果、被害が増大した)場合はどうする?
4.ペットだからという理由で、蛇とかトカゲとか…を持ち込もうとする輩が出たらどうする?
…心配材料はまだまだ尽きることがない。できない理由を挙げているわけではなく、実現に向けて解決すべき条件を挙げているだけである。また、こういうときに希望を通したい輩が良く口にするのは「○○航空ではペットの機内持ち込みを認めている!」みたいな話だ。だったら、その航空会社の便を使えばいいじゃないかって思う。仮に、自分が行きたい方面にその会社の便が運行されていないのであれば、飛行機ではなく自家用車を使うとか、ペットをホテルに預けるとかすればいいだけだ。どうしてもペットと離れがたいのであれば、旅行そのものを見合わせることだってできるはずだろう。ちなみに、機内へのペット持ち込みを認めている航空会社の全てが、緊急避難時にペットと同伴で避難することを認めているわけではないことも忘れてはならないだろう。
ペット機内持ち込み推進派の意見の中には「赤ん坊を抱いて避難していいのなら、ペットを抱いて避難してもいいではないか。」的なモノも存在する。正直、何を言っているのか分からねー。気分は
ポルナレフである。命に軽重はないという言葉はあるが、実際には軽重や優先順位は明確に存在しているのだから。大災害時のトリアージはその最たるものだと思うし、交通事故で命を落とした場合、子どもか老人かで慰謝料の額が変わるのも一例と言っていいだろう。
いつか、十分に議論が尽くされ、ペットを飼っている人、飼っていない人の双方が納得(妥協)できる形で、ペットの機内持ち込みができるようになるのかも知れないね。
でも、それは今日じゃない。
Posted at 2024/01/06 21:26:57 | |
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