隣県で軽自動車同士の正面衝突があり、4名の死傷者が出たそうである。記事に依れば、後部座席の乗員が亡くなったようだ。断定的なことは言えないがシートベルト非装着が原因だったのかも知れない。しかし、記事の中で敢えて「軽自動車同士」と謳っていることから、何らかの意図を感じさせられる。
※写真はリンク記事とは関係ありません。
以前も軽自動車の事故について日記を書いたが、こういうニュースが出る度に軽自動車の拡幅や出力アップを求める書き込みがある。「決められたサイズを守りつつ安全装備を充実させると、今の出力では軽快に走れない。だから安全性を犠牲にした設計になっているのだ。よって安全性を高めるために拡幅と出力向上を認めるべきだ。」という旨の主張だ。ここまでなら傾聴する価値はある。しかし、こういう主張をする人達は、税金面での優遇が継続される前提で発言してはいないだろうか。
仮にサイズアップが認められ、出力も向上されるとしよう。かつて550ccが660ccになったときと同じく、単純に2割増しとすれば792ccとなる。ここまで来ると、1000ccからの普通車との差はほとんどないと言える水準になる。そこまで肉薄するのであれば、「軽規格」と別枠を設けることに違和感を覚える。加えて、現在の軽自動車税額を継続するというのは、少々無理筋な話だと思える。軽自動車税額は2年前に嘗ての1.5倍(7,200円→10,800円)になっているとは言え、1000ccの普通乗用車の税額29,500円に比べれば、今なおその安さは際立っている。その格安の税額をそのまま生かすというのであれば、現段階での選択肢は「規格の現状維持」か、あるいは「規格の撤廃」になるのではないだろうか。
(小学生レベルの算数を間違えていた部分を修正しましたorz)
こういうことを書くと、よく言われるのが
「現在の軽規格を維持せよということは、乗員の安全よりも規格を重視するということか?!」である。確かに人の命は重い。それは当然のことだ。誰も「規格>人命」なんて言っていない。ただ、現在の軽自動車の安全性が劣ると判断するのであれば、安全性の高い車(≒普通車?)を選べば良いのではないかと思うのだ。すると今度は
「地方で複数自動車を所有する人の負担が重くなる」という話になりがちである。私も金持ちなどではないし、交通網の脆弱な地方在住である。車を単なる移動の足と考える人が、楽ではない生活の中で車にお金をかけられないのは理解できるし、車なしでは生活が成立しないという事情だってとてもよく分かる。しかし、それは別の議論ではないだろうか。
念のために書いておくが、軽自動車や軽ユーザーを敵視する気は毛頭ない。ただ、軽規格は国民車的発想で昭和24年に出来たものである。制定からほぼ70年、公共交通機関が衰退するほどに自家用車が普及してしまった現在、大きな見直し、あるいは廃止を考えてもいいだろう。県課税と地区町村課税の違いがあって面倒だろうが、時代にそぐわなくなった軽規格は(黄色ナンバーも一緒に)撤廃してしまい、単純に排気量ごとに課税する形に出来ればスッキリするのではないだろうか。現在の軽自動車ユーザーの顔を立てるなら、100ccごとに1,650円くらいではどうだろう。そうなってくれれば普通車ユーザーとしては万々歳だが、全体として税収が減る方向に舵を切ってくれる可能性はないだろうな。
Posted at 2019/01/27 10:58:24 | |
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