
例のオクで入手したレンズだが、やっぱりカビ取りを頼むことにした。喩えはアレだが、カビはがん細胞のようなもので完全に除去するのは難しく、清掃してもその後の保管環境が悪ければ再発してしまうものだと言われている。…とは言え、今回のレンズのカビは非常に軽微なもので、強い光を当てて存在が分かる程度のものである。普通の人なら存在に気付かないかも知れないし、大らかな人なら気にしないで使うだろう。しかし、私は普通ではなく、大らかでもないらしい(泣)
そもそも、普通に保管していればカビなんか生えないと思うんだけどね。中途半端に大事にすると…例えばカメラバッグに入れっぱなしにするとか、クローゼットに仕舞い込んでしまうとかすると良くないのかも知れない。私は撮影に使った後も見えるところに出しっ放しにして、空シャッターを切ったり、あれこれ弄ったりしていたので、結果的に湿気がこもりにくかったんだろうと思う。ここ10年ほどは防湿庫で保管するようになっているしね。
今回のレンズは四半世紀以上前に製造停止になった代物。当然、補修用部品など残ってはいない。いつもお世話になっている
本間カメラサービスさんも「部品払底のため作業できません。」とのお返事だった。ま、当然だわな。
修理対応終了を承知の上でケンコー・トキナーに問い合わせてみたら「診るだけになるかもしれないけれど、送ってくれてもいいですよ。」的なお返事。門前払いになると思っていたので、ちょっと意外だった。「買収されたとは言え、やはり生みの親だ。ダメ元で送ってみるか…。」と思っていたとき、近所に救世主発見。
東京カメラサービスの卒業生さんがやっている
宮越写真機修理店である。
写真機という言い回しからも分かるように、本来はフィルムカメラ・マニュアルフォーカスレンズ専門のお店だ。デジカメ全盛(…スマホカメラにお株を奪われつつあるが)で、昔ながらの所謂「カメラ屋さん」がほぼ姿を消してしまった中で、写真機修理の専門店というのは実に新鮮である。もちろん、最初は本間さんと同じく「部品払底のため受け付けられません。」という回答だったのだが、『電子基板部には一切手を付けず、前玉を外してアクセスできる部分の清掃を可能な限りやってもらう』という形で無理に引き受けてもらってしまった。直接持ち込んで、店主さんと話ができたのが大きいと思う。2週間後を楽しみにしたい。
それにしても、店主さんが思ったよりも若いのに驚いた。写真機修理店と聞くと老練の職人がやっているイメージが浮かぶのだが、見た感じ30代そこそこのお兄ちゃんにしか見えなかった。ああいう若い人が銀塩カメラに携わってくれるのはちょっと嬉しい。私より長生きされるのは多分間違いないだろうから、今後も末永くお世話になれそうな気がする。
念のために書き添えておくが、本間さんも実際に店舗に持ち込めば懇切丁寧に対応してくれたはずだ。ただ、新潟市まで往復する時間や費用を考えると、ちょっと持ち込みは現実的ではなかったということである。高速代や燃料代を計算すると、清掃代と同じくらいかかってしまうしね。今後も
Nikon製品については本間さんにお世話になりたいと考えている。
Posted at 2020/09/12 20:59:33 | |
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