
三連休が終わろうとしている。迷惑な話だが、22日にオンラインの仕事を入れられてしまった関係で、何となく損をしたような感じである。しかも、好天に恵まれたのはその日だけだったという…ね。紅葉の写真でも撮りに行こうと思っていたのだが、実に残念だった。仕事を始める前、事業所近くの池の畔に行ってみたが、残念ながら見頃はもう少し先という感じだった。ただ、足音を聞きつけた鴨が一斉に飛び立った時は、思わず「のわぁっ!」と訳の分からない叫び声を上げてしまった。反射的にシャッターを切りながら、平家物語の「富士川の戦い」を思い出してしまった。もっとも、あれは史実ではなく、作者の創作らしいが。

連休最終日、20年前に買ったムック本を取り出してぱらぱらと眺めてみた。ニコンF2の特集と復刻版取説目当てで買った本だ。2000年と言えば、銀塩カメラブームがそろそろ終焉を迎えようかという時期である。本書では、私が持っているF2フォトミックASの中古相場が98,000円と紹介されていた。それを遡ること13年前、92,000円で中古良品を買ったことを思うと、ほとんど値落ちしていなかったんだなと驚かされる。F2が純粋なメカニカルカメラで電子制御が入っていない(露出計除く)点が高く評価されていたんだろうと思う。もっとも、この後デジカメの性能向上と普及が急速に進み、銀塩カメラ市場が急速に衰退したのはご存じの通り。…って、カメラに興味がない人はご存じではないかなw
正直、D700を買おうと決めた10年前の時点で、F2を手放して資金の足しにしようかと考えたこともあった。しかし、標準ズームやモードラを付けても2万円チョイという悲惨な査定だったので売るのは止めた。その程度の金額であればちょっと我慢すれば容易く捻出できるし、大学時代の思い出を安く買いたたかれるのも不本意だったから。

現在、F2を外に持ち出して撮影することはほぼない。時折、室内で空シャッターを切ったり、巻き上げレバーを操作したり、レンズを付け替えたりする程度である。しかし、それがなかなか快感である。特筆すべきはシャッターフィーリング。レリーズボタンを押してからシャッター幕の走行が始まるまでのタイムラグが約28msとのこと。ニコン一眼レフ中最速、おそらく国産の一眼レフカメラでも最速なのではなかろうか。レリーズした瞬間にシュパッと切れる。この快感はデジカメやスマホカメラでは決して味わえないものだろう。もっとも、デジカメやスマホカメラにはそれを補って余りある長所がある。すぐに結果が確認できること、フィルムでは考えられない枚数を撮影できること、フィルムでは到底不可能なくらい増感できること等々…。しかし、現在市販されているデジカメやスマホが、40年後にも全ての機能が正常に動作するだろうか。電池が消耗し切ってしまい、互換電池すら手に入らなくなれば、単なるオブジェに成り下がってしまうだろう。当然、修理対応なども望めまい。それを思うと、機械カメラってすごいではないか!

我が家で一番新しいデジカメであるDf。昔っぽいデザインではあるが、中身は電子制御の塊である。ぶっちゃけ話、使い慣れているD700やD200に比べれば、取り扱いは若干面倒くさく感じることもある。荒っぽい扱いには適していない。電池がなくなればオブジェに成り下がる点でも、所謂普通のデジカメである。ただ、メカっぽさについては他の製品と一線を画している。シルバーボディを選択したことも相俟って、オブジェになってしまったとしても、それなりに格好良く見えるんじゃないかな…と自画自賛w もちろん、そう簡単にオブジェにする気はない。できるだけ長い間現役でいてもらうつもりである。
とは言え、最近はデジカメ関係のサイトや書籍を見ても、話題になっているのはミラーレスばっかりだ。交換レンズもスペックを見て「おっ?!」と思わされるものは、ほぼ全てミラーレス用だ。既に各社ともデジカメの主力はミラーレスなんだなあ。徐々に一眼レフの時代が終わっていくのだな…と思うと何だか寂しい。ってか、ミラーレスを含むデジカメそのものがスマホカメラに駆逐されかけているという話もある。嘗てのカメラ小僧としては、ミラーレスにならまだしも、スマホカメラに取って代わられるってのは勘弁してほしいなあ。スマホカメラを下に見るわけじゃないが、スマホはあくまでも写真“も”撮れるツールだ。喩えはアレだが十徳ナイフみたいな存在だと思う。それで十分と思う人が主流になるということは、写真を撮るという行為自体が軽く扱われることにつながるような気がするから…。
Posted at 2020/11/23 22:05:14 | |
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