立憲民主党の枝野さんが、何か言っているようだ。来る衆議院選挙で大勝し、政権奪取が出来たら、枝野内閣はこんなことをするよ!というアピールらしい。12年前の夢よ、もう一度!というわけか…。布団の中で夢を見るのは自由だが、それを現実に持ち込まれてはたまらないなと思う。
今はコロナ禍で金銭的に苦労している人も多いだろうから、「30兆円規模の補正予算」とかを目にすると、その中には国民への給付金が入っているのではないか?と期待しちゃうかも知れないね。んで、未だに森友・加計学園とか言っているんだ。コロナで大騒ぎになる前の平穏な時期だったら裁判ごっこも盛り上がっただろうけれど、今そんなことをしてどれだけの意味があるのかなあ。私は個人的に政治家が賄賂をもらったり、私腹を肥やしたりすることは必要悪だと思っている。そういう旨味があるからこそ、落選したら一般人になる危険を冒してまで立候補するんでしょ? 普段は小馬鹿にしている街中の有権者にペコペコするんでしょ? いいんだよ、それでもちゃんとやるべきことをしてくれるんなら。清廉潔白で使えない政治家よりも、腹黒くとも国益のために働いてくれる政治家の方が、余程有益だと思う。もちろん、清廉潔白で有能な政治家が一番いいのだけれど…いるかね、そんな人?
何度か書いてきたけれど、私は自公政権を無制限に支持する者ではない。ただ、嘗ての民主党政権が甘言を弄した挙げ句、その多くを実行しないまま下野したことを覚えている。昨日今日、選挙権を得たわけではないのだ。
・埋蔵金はあると主張しておきながら、それらしきものを示せなかった。
・高速道路無料化を謳っておきながら、末端で無料実験をしただけだった。
・ガソリン暫定税率を撤廃すると謳っておきながら、事実上現状維持とした。
・26,000円の子ども手当支給を謳っておきながら、最後まで満額支給できなかった。
・一応妥結していたはずの、沖縄の基地問題を泥沼に引きずり込んだ。
・尖閣諸島沖で領海侵犯の挙げ句、海保巡視船に体当たりしてきた中国漁船の船長を、仙谷官房長官の指示(司法への政治介入)で釈放、国賓待遇で帰国させた。
・政権担当中は議論すらしないと明言していた消費増税を実施してくれた。
みんカラに集っていると思われる車好きの方々の中には、高速無料化とかガソリン暫定税率撤廃に期待していた人もいたんじゃないだろうか。私は旧民主政権は嘘つき集団だったなどと言うつもりはあまりない。彼らも政権を奪取するまでは、純粋にマニフェスト実現を目指していたのかも知れない。ただ、実際に政権を取ってみて、初めてそれが困難だったこと(=自公政権がケチっていたわけではなかったこと)に気付いたんじゃないかね。埋蔵金もなかったぽいしね。一生懸命「事業仕分けパフォーマンス」に勤しんでいたけれど、それで浮いた金も微々たるもの(2,000億円と聞くとすごいが、当時の国民一人一人に分配したとすれば、1,561円/人)だった。そこに追い打ちを掛けたのが、東日本大震災…。
東日本大震災からの復興、特に原発の後始末は道半ば…というか端緒に就いたばかりである。加えてコロナ禍のため、国内経済の冷え込みが顕著である。結果的に無観客になったオリ・パラも、それに拍車を掛けるであろう。しかし、コロナを理由として開催に反対する人たちの言に従って中止していたとしても、その時点までに発生した債権はチャラにはならなかったんだし、新たな補償金・賠償金などの支出が財政を圧迫していたはずだ。まして、NARAZUMONOGATARI(仮名)的な音楽フェスなんかではなく、国際的な信用にも関わるイベントだったのだから、そう簡単に中止するという決断は出来なかったんだろうなとも思う。
メディアでは政府の無策を責め立てるが如き論調が目立つ。12年前、メディア総出で麻生政権を追い落とそうとしていた頃と似たニオイが漂っている。その雰囲気にあっさり乗せられるのでなく、政府は「払える金を出し渋って私腹を肥やしている」のか、それとも「出したくても出せない財政状況」なのかを考える必要もあるだろう。仮に後者であれば、万が一、何かの間違いで政権交代が行われたとしても、ない袖は振れないということになりはしないか?

ドラえもんの道具に「いいとこ選択しボード」ってのがあった。身体能力、ルックス、知能指数のレバーをいじることで、対象の能力を振り分けることが出来る道具である。ただ、全体の能力値は増やせないので、あるパラメータを上げれば、別のパラメータは下がってしまう。予算の仕分けもこれと同じだ。コロナ給付金にたくさんのお金を掛ければ、他の所の予算が減額されてしまうってこと。あっちにもこっちにもいい顔するなんて不可能。ちょっと考えれば分かることだ。
「長期政権にお灸を据える」とか「意欲のある者にやらせてみればいい」などと言う人もいる。お灸は必要かも知れないが、意欲がある者=能力がある者とは限らない。最近の木下都議の例を見ても、一度選んでしまった議員を辞めさせるのはなかなかに困難なのが分かるだろう。それが政権ともなれば、そう簡単にリセットボタンを押すことはできない。選挙に行って意思表示することは非常に大切だが、ノリや思いつきで票を投じる軽薄な人間が増えなければいいなと思っている。
Posted at 2021/09/08 02:43:57 | |
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