
東大生が「新型コロナに感染してオンライン授業を履修できず、単位取得できなかったのに、大学は救済策を講じない。」とか言ってごねているらしい。ご丁寧に
経緯説明サイトなんてものを立ち上げ、自分自身の権利を主張しているようだ。ざっと目を通してみたが、当該学生を応援しようという気持ちにはなれなかった。
確かに一人暮らしでコロナに罹り、心細かっただろうとは思う。でも、コロナに限らず、病気になることはあるだろうし、それが大切な試験や課題提出に被ることだってあり得ることだ。本人の責ではないのだから、救済してあげてもいいような気もする。ただ、病気にならず普通に出席した人間、あるいはなってしまってもキチンと連絡を入れた上で欠席する人間と、全く同じ扱いをするというのは難しいんじゃないかと思う。
・5月17日に発熱し、当日の授業とレポート提出を無断欠席。
・同18日に受診、PCR検査を受ける。
・同19日に陽性発覚。
・同24日、症状が続いていたので当日の授業とレポート提出を無断欠席。
・同25日、メールで担当教官に2回の無断欠席について連絡。
・同27日、24日分のレポートを提出。
こう見てみると、気の毒ではあるけれど、連絡が遅れたことが致命的だったのだと感じる。具合が悪かったのだろうが、医療機関を受診できるのであれば、メール一通くらい送信できたのではないか…と思ってしまう。発熱外来だって、いきなり行って受診できるわけではない。電話で状況を説明し、指示を仰いでいるはずだ。それに、発熱外来受付をしている医療機関を調べるためにスマホを使っていることはまず間違いないのだから、メールを打てないほど意識朦朧っていうのは理解できない。救急搬送され、そのまま入院とかであれば話は別だが…。
25日の連絡で24日の補講が認められているのだから、18日の段階で連絡を入れておけば、2日とも補講・追試を受けることができた可能性はある。彼は必死に「コロナに罹ったのに、救済措置がなかった。抗議したら点数を下げられた。」と主張しているようだが、24日の補講を認めているのだから、大学が救済措置を取らなかったという主張は当たらない。それに、無断欠席から8日も経過しているのだから、17日の補講を認めろというのは無理筋というものだ。提出されたレポートの査読や成績付けだって既に終わっているだろうしね。そもそもは自分自身が連絡を怠ったことが原因。1年を棒に振ってしまうことになるだろうが、それは大学が配慮を欠いたから…だけではないと思うんだよね。
この話題が報じられた直後は複数の大手メディアが採り上げていたが、急速に尻すぼみになった感がある。学生の言い分に無理があり、大学の言い分が理に叶っていると判断したメディアが多いのかも知れない。…ってか、記者会見までやらかして大々的に大学批判をしちゃったんだから、内々に補講を認めてもらえる可能性は余計になくなっちゃったんじゃないかな。ちゃんと受けた学生からすれば、ごねれば何とかなるの?ってことになってしまうだろうし。
世の中で厄介なのは「自分の正しさを信じている人間」ではなく、「自分の主張に無理があることを承知でごね得を狙う人間」である。件の学生さんがどちらかなのかは分からないが、どんな結末になるのか、生温かく見守りたいと思う。
Posted at 2022/08/10 15:54:25 | |
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