
これまでに前例…と言うか、似た例がないほど強力で危険と言われた台風14号。昨日は庭木に添え木をしたり、飛ばされそうなものを車庫に片付けたりして台風襲来に備えた。幸いなことに、私の住む地域には大きな被害を残すことなく通り過ぎてくれた。もちろん、甚大な被害を被った地域もあるので、良かったなどというのは些か不謹慎かも知れないが…。
台風が過ぎ去ったことを報じるニュースを聞いていて、スッキリしなかったことが二つある。「台風一過」の発音(アクセント?)と「叩きつける」の用法である。一つずつ書いてみたい。
「台風一過」を「台風一家」だと思っていたなんて話はよく聞く。ものすごく激しい家族のようだ。暴風父さん、大雨母さん、浸水兄さん、停電姉さんみたいな感じか。あまりお近づきになりたくない家族である。ちょっと恥ずかしい間違いだが、最近のアナウンサーの発音を聞いていると、台風一家としか聞こえない。間違えるのも無理はないなと思わされる。昔からそうだったっけ?
日本語の厄介なところとして、単独で使う場合と、他の語とセットで使う場合で発音が変化するケースが少なくないことが挙げられるのではないだろうか。「カレー」を例に挙げてみよう。単独で使う場合、後ろに「ライス」が付く場合は「カ
レー」である。しかし、前に「カツ」とか「野菜」などが付くと「
カレー」になってしまう。…伝わるかな?
「一家」と「一過」を単独で使った場合、「一家(
いっか)」と「一過(いっ
か)」のようになる。「サザエさん一家」とか「一過性」のような場合も同じ発音になる。ところが「台風一過」の場合、「たいふういっ
か」ではなく「たいふう
いっか」になってしまうようだ。私は前者の発音をして区別しているが、今となってはそれは少数派、変わりモノの類いになるようだ。
もう一つの「叩きつける」の用法について。「激しい雨が降っていた」ことを表したかったのだろう。アナウンサーが「激しい雨が道路を叩きつけていた」と言っていた。正直、違和感を覚えた。しかし、間違いではないのだろう。「激しい雨が道路に叩きつけていた」とすることも可能だと思うが、その場合「道路に
何を叩きつけるの?」という疑問が発生する。だから、「道路を…」としたのではないだろうか。
ただ、その場合にも違和感は残る。そもそも「叩きつける」という言葉は、強く投げつけるという意味だ。いい例ではないが「柔道選手が、対戦相手を、
畳に叩きつける」とか「社員が、辞表を、
上司に叩きつける」みたいな使い方が一番しっくりくるのではないだろうか。すると、今度は「道路を
どこに(誰に)叩きつけるの?」という疑問が発生…しない?
解決策になるのかどうかわからないが、「
どこに叩きつけるか?」の代わりに「どのように叩きつけるか?」を補うのはどうだろう。「激しい雨が道路を叩きつけていた」を「雨が道路を激しく叩きつけていた」とすれば、多少はスッキリするのではないだろうか。…相方には「それも十分気持ち悪いよ」と一蹴されてしまった。日本語って難しいw
まあ、こんなどうでもいいことをウダウダ考えていられるのは、台風で大きな被害を受けなかったからこそである。取って付けたようになってしまって恐縮だが…今回の台風14号で被害を受けた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
Posted at 2022/09/20 21:50:24 | |
トラックバック(0) |
爺放談 | 日記