「年越しプラモデル」として昨年から製作を続けていたバンダイHGマクロスシリーズ「YF-19」のレビューです。ペットネームの「エクスカリバー」は正式採用後に命名されたもので、劇中ではそう呼ばれていませんが、まあその辺は大目に見ていただければ。

初出はOVA『マクロスプラス』で、3人の主人公の一人イサム・ダイソンが搭乗した機体でした。マクロス世界における西暦2030年代後半に計画された現行主力機であるVF-11サンダーボルトIIIの後継機開発計画「スーパーノヴァ」で開発された機体で、そのコンセプトは「圧倒的な機動性をもって制空・制宙権を確立する」というもの。すでに圧倒的な機動性を持つ無人戦闘機ゴーストX-9の実用化がほぼ確定的になった時点でしたが、それを圧倒する有人機を開発するという野心的な計画だったのです。その為、要求された技術水準は従来を遥に超える物となってしまい、開発は難航。計画には二つの企業が名乗りを上げており、一つは新星インダストリー社。地球にあったいつくかの重工業企業が合併した会社で、これまでも主力となるVF(可変戦闘機)を多く開発していました。一方の企業がゼネラル・ギャラクシー社で、こちらはVF-4やVF-9といった宇宙空間向けの機体やVF-17などの特殊作戦任務機が多く、異星人文明であるゼントラーディの技術を積極的に取り入れる先進性でも有名な企業です。創業者のアレクセイ・クラーキンは統合戦争当時にVF-0フェニックスよりも先に開発されていたとも言われるライバル機SV-51を生み出した設計者としても有名でした。
その両者が開発した次世代VFこそがYF-19とYF-21になります。
YF-19は新星インダストリー社が開発した次世代VFで、基本的な部分はVF-11を発展させつつ、新技術を適材適所に配置した点では見た目よりずっとコンサバな機体でした。ただ、採用された新技術の一つである次世代学習型制御AIの開発が難航し、複数名のパイロットが大事故に遭遇するなどの不運がありましたが、AIの学習が進んだ事と、AIの制御すらねじ伏せる技量をもつイサム・ダイソンによって驚異的に開発の遅れを取り戻します。一方のYF-21は当初こそ開発が順調で「思考制御式操縦システム」という革新的な装備を持っていましたが、肝心のパイロットの精神状態に機体の機能が左右されてしまう点がマイナスポイントとなってしまい、次期主力VFの座はYF-19に奪われる事となりました。ただ、その先進性は統合軍上層部にも注目され、制御系をVF-19と同じ学習型AIに置き換えた改良が施されて特殊任務部隊向けにVF-22「シュツルム・フォーゲル」として小数が正式採用されています。
一旦は無人戦闘機ゴーストX-9が主力となりそうな流れでしたが、スーパーノヴァ計画で生み出された次世代VFはその無人戦闘機すら圧倒する性能を示し(劇中で苦戦していたのはその前にイサムとガルドが喧嘩してお互い武装を使ってしまてっていた為)、同時期に起きた「シャロン・アップル事件」もあって、完全AI制御の無人機に対する疑念が強くなった事もあり、その後も有人機型のVFが開発される事になりました。ただ、従来の技術ではパイロットへの負荷が限界を超えつつあったのも事実で、次に生み出されるVF-24以降は慣性制御技術の導入やパイロット保護用強化外骨格であるEX-ギアの装備などが行われる事になります。
VF-19は正式採用されましたが、操縦性は従来のVFと比べて難易度が極めて高く、ある意味で「本物の戦闘機乗りにしか使いこなせない」と言われる程のジャジャ馬でしたが、圧倒的な性能に裏打ちされた戦闘能力は本物であり、統合軍の精鋭部隊を中心に配備が進められました。『マクロスプラス』からさらに未来を描いた『マクロスΔ』に登場したVF-31カイロスの対抗馬としてもVF-19に最新のテクノロジーを盛り込んだ「VF-19アドバンスド」が名乗りを上げ、ことファイター形態だけならVF-31を圧倒する程の性能を示した事からも、VF-19はまさに名機と言えるでしょう。
そいういう意味ではVF-19やVF-22は「本当の意味でパイロットが主役だった最後の戦闘機」とも言えると思います。
ちなみにVF-19はあまりの操縦性難易度の高さと圧倒的な高性能ぶりから移民船団向けの機体は性能調整が行われており、そのデチューン版が『マクロス7』に登場したVF-19E/F/S/Pでした。マクロス7船団では精鋭部隊に配備されていましたが、あれでも性能的には本家VF-19Aと比べると随分性能を落とされているんです。
まあ、その辺のお話はコチラ

の本がお勧め。この資料を読みつつ、昨年の年越しにはコチラ

も見てテンションを上げました。通称「板野サーカス」と呼ばれる作画と演出の凄まじさは今見ても圧巻です。
さて、そんな個人的にも大好きなVFであるYF-19のキットレビューです。YF-19は先行してハセガワからファイター形態固定のプラモデルが発売されていて、バンダイの方は後発となりますが、そこは変態(褒め言葉)バンダイ。ガンプラで培われた「一部差し替え方式による可変機構の再現」「高い可動域」でハセガワ版とは異なるアプローチをしております。まあ、サイズもハセガワは1/72と1/48で、バンダイは1/100って部分も違いますけど。
まずはファイター形態から。

可変機構があるからファイター形態はイマイチかと思えば、そんな事は全然なくてYF-19の「男のロマン全部のせ」的なカッコ良さを見事に再現しております。

バトロイド形態では足裏になるエンジンノズル周りは設定ではグレーでしたけど、現実の戦闘機のノズル内側って耐熱塗装がされていてホワイトメタル的な色になっているので、そこはヒコーキオタクとして譲れない部分だったりするから白っぽいシャインシルバーで塗装しました。足裏には肉抜き穴がありますが、ここは「ガウォーク形態時のホバリング時にエンジンから供給されるバイパスエアを吹き出す部分」「アウターバーナー使用時に排熱を冷やす冷却スリット」って考えれば問題ないかなぁっと想像。この辺もヒコーキオタクなりの妄想かな。

パイロットのイサム・ダイソンのフィギュアも可能な限り塗装しています。

コクピット周りやディスプレイなども塗装するとキャノピー越しに見えて「ムフフ」ってなるのでオススメ。ディスプレイはシールでの再現も良いでしょう。

ランディングギアの扉は実際のアメリカ海軍艦上戦闘機を参考に扉の縁に当たる部分は赤で塗装しました。キットはあくまでバンダイの安全基準で作られているので「ちょっと・・・」な部分もあり、その辺は手を入れています。
こればまず組んだ状態。

この時点で気になるのが機首周り。

赤線で囲った部分がやたらボテっとしていてヒコーキらしくないので、ここは徹底的に手を入れています。機首周りのラインは現実のF-35のアップ写真などを参考に合わせ目けしも兼ねてスポンジヤスリを使ってゴリゴリ削りました。

この辺りをシュッとさせるだけでヒコーキ感が増すのでお勧めの作業です。ランディングギアも塗装した方がヒコーキらしくなるでしょう。
続いてガウォーク形態。

劇中では描写がない(なかった・・・はず)ガウォークファイター形態。いわゆる「脚だけ出した状態」です。不整地などで着陸する際は戦闘でもない限り腕は必要ないので脚だけ使う描写があるのはマクロスシリーズでよくありました。

ガウォーク時にちゃんと脚が「ハの字」になる様に可動するのはバンダイの変態技術。この辺りは引き出し機構やロック機構がふんだんに使われています。

腕を出した状態。劇中ではあまりガウォーク形態を使う描写は少ないんですけど、VFの運用形態の中では折衷案的に地上戦でよく使われる(地上を高速で移動できて、姿勢も低いので遮蔽物が多い場所では被発見率が高い)形態です。
続いてバトロイド形態。

ファイター形態共々「YF-19のカッコ良さ」が全て詰まっているのが特徴。今までのVFにないカッコ良さは当時印象的でした。全体的なフォルムは河森正治監督が描く設定画に極めて近い印象で、よりスマートな劇中のシルエットが好みの方はバトロイド固定にはなりますがハセガワ版1/72スケールキットの方をお勧めします。
可動域はバンダイ版の方が圧倒的に広いので、ブンドドさせたりアクションベースを使ったりするならバンダイ版ですね。

キット自体は非常に組み易く、ポイントを押さえて作業すれば確実にカッコいいYF-19が手に入ります。また各形態含めて劇中ラストに登場したFASTパックやフォールドブースターなどを取り付け可能になっているのでアップグレードキットが出れば(出ていたのかな?)再現可能でしょう。最新作としてVF-25がキット化されるので、可能性としては『劇場版マクロスF 〜サヨナラノツバサ〜』に登場した「VF-19EF/Aイサム・スペシャル」がキット化されるかもしれませんね。ハセガワに先行されちゃったけど。
年明けから本人のテンションや用事もあって作業ペースが落ちましたが、ようやく昨年の大晦日から取り掛かった年越しプラモデルが完成しました。
次はコチラ

になります。初めてのMODEROID、どんな感じなんでしょうかね。
Posted at 2026/02/01 14:00:15 | |
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