※長文です。
※今回は作業内容を初心者さんに参考にしていただきたいので、一般公開とします。
4月から取り掛かっていたHGUC「ヘイズル・アウスラ次世代量産機実戦配備カラー(長いな・・・)」のレビューになります。キットはプレミアムバンダイ限定で現在は販売していません。AOZ関連は定期的に再販(現在はバーザム関連が再販中)なのでそのうちあるかもしれません。特に脱出ポッド「プリムローズ」は他のヘイズルと組み合わせ出来るので再販ありそう。
初出は『機動戦士Zガンダム』の公式外伝「アドバンス・オブ・ゼータ ティターンズの旗の下に」で、宇宙世紀0083年のティターンズ発足当時の主力機ジム・クゥエルをベースに試験データの収集用にガンダムタイプの頭部を取り付けた実験機「TR-1ヘイズル」が最初となります。基本的には「次世代技術の検証を行う実験機」でしたが、頭部がガンダムタイプだった事で試験中に遭遇したジオン残党が悉く過剰に反応してしまった事から「対ジオン残党用としてのガンダムの威圧効果」「味方部隊への心理的高揚効果」を偶然にも立証してしまい、ティターンズ上層部がガンダムMk-II開発にゴーサインを出す・・・のが物語の流れでした。ヘイズルはその後も様々な試験に供されるのですが、その最終形態とも言えるのが今回制作したキットになります。
ヘイズルの最終形態である「アドバンスド・ヘイズル」の胸部を脱出ポッド「プリムローズ」に置き換えたのが本機で、従来なら脱出時はコクピットブロックのイジェクションポッドに頼らざるを得ず、自力帰還能力が無いので広大な宇宙空間では友軍機に拾ってもらう以外に回収されるのは運任せでしかなかったのですが、この「プリムローズ」は自力で帰還が可能なのでパイロットの生存性を大きく向上させる事が可能となりました。
こちらがその「プリムローズ」。
単なる脱出ポッドではなく、かつてのコア・ファイターの様に単機での戦闘能力もある程度確保できる設計になっているので、オプションパーツ「フルドド」等を装備すれば簡易的な宇宙戦闘機としても運用可能です。
胸周りがコンパクトになったので印象が随分変わりますね。
ジム・クゥエルが
ヘイズルになって
アドバンスド・ヘイズルに進化して
最終的な進化形態がこのヘイズル・アウスラになります。
こうやって進化を辿れるのもシリーズモノの魅力の一つ。ヘイズルにはもう一つの最終進化形態である「ハンゼンスレイ」が存在しますが、それはまた別の機会に。
ではではキットの方を。このキットは脱出ポッド「プリムローズ」を組んでから、同梱されている「アドバンスド・ヘイズル」のパーツを組み上げて完成させるキットなので結構めんどくさい内容になっていますが、新規パーツである「プリムローズ」に合わせて関節パーツの素材が従来のABS樹脂から最近ガンプラで多く使われているKPS材に変更されている事で制作は楽になっていて新規パーツの恩恵がかなりありました。
とは言え、古いHGUCなので大変な事も・・・。まずはパーツの合いが今の視点では悪いので合わせ目消しは結構大変です。スナップフィットの接続ピンを切り飛ばせばもう少し楽だったかなぁっと今になって反省する部分も。
一番大変だったのが帰省中に実家で作業していた時にぶつかったコレ。
ヘイズルの特徴である脚部のスラスターを見事に再現したパーツなんですが・・・
ベーンの間隔が狭くマーカーのペンが入りません。墨入れ用の細ペンで塗ってもイマイチだし・・・。
どうするかなぁ・・・と色々思考しながらおやつに実家の近くの和菓子屋さんの苺大福と市内へ買い物に行ったときに買ってきたミスドのマフィンを食べながらのコーヒーブレイク中に
いっそ切ってしまえば良いじゃん
と思った所から発想を切り替えて作業再開。いやぁ、行き詰まった時はお菓子とコーヒーですね。
まずは真ん中のベーンを軸にエッチングソー(タミヤ精密ノコギリ)でパーツを3分割。
分割後にスラスター部を部分塗装して
接続用のスリットに
の手順ではめ込み、最後に流し込み接着剤を使って固定しました。ここが今回一番手がかかった部分ですね。
あと、細かいスラスターノズルやセンサーのスリットもガンダムマーカーで部分塗装しました。単純にメタリック系の色を塗っても映えないので、まずはシャイニングシルバーを下地に塗って、その上にメタリック系の塗料を上塗りしています。
最後の悩みどころだったのが「シールドブースター装備の高機動型にするか、それとも通常型のスラスターポッドにするか」という点。
元のキットには重量物を支えられるように脱落防止の「返し(赤枠の部分)」がついているんですが、どうにかこれを交換可能なようにしたいなぁっと思案。ここで差し込み側のプリムローズを見てみたら、材質がKPS材なので返しを削っても行けんじゃね?と思い、失敗したら接着すれば良いし!と(失敗もガンプラの内)考えを切り替えて削ってみてから取り付けたら大成功!バックパックを通常型
にも交換可能となりました!
と、紆余曲折あって木曜日にようやく完成。
うう、まじでカッコよくできた・・・。左手のビームライフルはヘイズル2号機から、左用握り手はジム・クゥエルから流用しました。
特徴的なシールドブースター連結の高機動型バックパック。木曜日のブログで「シュツルムブースター」と書いてしまいましたが、正確には「シールドブースター」でした。あとで直しておきます。右側のシールドブースターにある赤い小さな穴は全て拡散ビーム砲の砲口で側面防御に使用します。流石に両方コレにするにはヘイズル側の出力が足りないのと、推進剤の搭載量が減ってしまうので片側だけ。このシールドブースターという発想は後にガンダムMk-Vからユニコーンガンダム2号機「バンシィ・ノルン」に受け継がれます。
アドバンスド・ヘイズルで追加されたのが、ジム・クゥエルからヘイズルに改装された際にフロントの股間部に増設されていたマウントラックに装備されたサブアーム。これも宇宙世紀0087〜0088年当時のMSの流行技術の一つで持ちきれない武装をサブアームに持たせたり、近接戦闘時の不意打ち的な攻撃に使ったりとと一見便利に見える装備なので、ジュピトリス製のPMX-003「ジ・O」やペズン製のRMS-142「ゼク・ツヴァイ」などで使われていました。ただ、実際に使うとなると熟練したパイロットでないと操作が難しく(シロッコはバイオセンサーを使って操作していた)、後の時代では廃れた技術となっています。
便利に使えるとしたら、写真のようなエネルギーパックの交換作業ですかね。これならオートで出来そう。このサブアームユニットは動かしているとポロリが多いので接続部は接着をお勧めします。可動部は材質がABS材からKPS材に変更されているので、通常販売されている「アドバンスド・ヘイズル」よりはスムーズに動きました。
あと、このキット、あの当時としては凄く可動も頑張っているんですが、今の視点で見ると「上半身はともかく、下半身は全然動かない」ので、せっかく新しい可動方法などもあるからリニューアルして欲しいなぁ。自分で本気組みするなら、HGUCのガンダム(REVIVE版)あたりから関節を流用したいと思いますが、足首がねぇ・・・。個人的にはRG化して欲しい機体の一つではあります。
まあ、色々あって疲れはしましたが、一方で作業が楽しく集中して楽しめました。古いキットはめんどくさい事も多いけど、逆に面白い部分も多いですね。
とは言え、流石にめんどくさいのを連作する気にはなりませんので、次は楽なのにします。
さて、本当に楽なんだろうか・・・?
Posted at 2023/05/21 15:01:35 | |
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