劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語
主題歌
Kalafina 『ひかりふる』
今までこんなに待ち遠しく、楽しみで仕方なかった曲ってあっただろうか?
この曲が発表されてから公開当日まで、ずっと隠し通されてきました。
[前編]主題歌であるClariS『ルミナス』は劇場予告で使用されてたのに。。
公開のインターバルが1週間だし、まずは前編を告知しないといけないからなぁ・・・
と軽い気持ちで居たのが大間違い!
[前編]上映終了時に[後編]の予告すら無い。。
ま、それでも[後編]のTVCMは始まるだろうと思っていたら・・・やらない。。
CD発売まで2週間しか無いのに大丈夫か?
でもこの作品なら関係なく売れるかな?
とにかく自分に言い聞かせて誤魔化して来ました。。
こんな状況なので事前の妄想は尽きません。
そもそも『ひかりふる』なんて、Kalafinaにしては珍しいタイトルです。
どう考えても「アルティメット系」だよね?と言い続けて来ました。
ラストシーン以外にこういう場面有り得ないんだから、最後に流れるのだろう。
だからきっと『Sagitta luminis』みたいな曲なんだろうな?
そんな想いで、直前はヘビロテしていました。
そして[後編]公開当日、もうここまで来たら本編観るまで我慢しよう!
そう思って1日情報をシャットアウトしていたのです。
実際、本当に最後の最後まで流れない。
TV版と同じく『コネクト』でキレイに終わっちゃったよ?
スクリーンが真っ白に染まり、一瞬の間・・・
「キタ!」
直感でした。そして始まった『ひかりふる』
イントロが始まった瞬間、全てを悟りました。
この曲って・・・・・それはもう、「衝撃が走った」ような感覚かも知れません。。
何故今まで徹底して封印する必要があったのか?
そこまでする必要があったのか?
『Sagitta luminis』そのものじゃないですか!?
これは予想していたとは言え、何故か「やられた」感で一杯でしたね。
(この動画はイントロが抜けていますが、実際は『ひかりふる』とほぼ同一です)
かつてサントラがアレンジされてKalafinaの曲になった事は数回あります。
しかし私が知る限り、今までは全て原曲は「造語曲」でした。つまり歌入りだったのです。
この曲は完全な楽器曲です。歌う事を前提にしておらず、場面に合わせて作曲されているので構成も音程も歌うにはかなり難しいはず。
しかし・・・歌い始めたWakanaの声を聴いてそんな心配は吹っ飛びました。
スローバラード、しかもかなりの高低差がある曲は技術が無いとまともに歌えません。
元々高音担当のWakanaですが、FJの時は貝田さんが歌ってくれるような超高音なのにしっかり声が出ている・・・
しかも得意のファルセット(裏声)ではなく、地声です。
透明感があるのにとっても力強い曲に聴こえます。
そしてKeikoにスイッチ。
一転、低音でしっかり歌い上げながらも何処かもの悲しい・・・
Hkaruは表にほとんど出ませんが、やはり力強い歌い方。
歌詞は『Sagitta luminis』(光の矢)が使用される場面、TV版で言えば第12話そのものです。
先輩や親友の死を目の当たりにし、自分が憧れていた「魔法少女」の実態をQBに聞かされ、そんな辛い末路を歩まない為にずっと、何度も自分を守り続けてくれていた大切な友達の想いを受け止め、それでも全てを終わらせる為、もう誰も悲しませない為に自分が命を差し出し、「魔法少女」になる決断をしたまどか。
世界を照らし続ける「光」のような存在になっても、その「想い」はいつまでも大切な友達と共にある。
これからは自分が支え続ける・・・・・
歌から感じた「力強さ」はまどかの強い決意を表したものではないでしょうか?
「永遠の別れ」なのに明るい未来を感じる曲です。
Kalafinaの素晴らしいハーモニーと相まって自然と涙があふれ出しました。。。
終了後、茫然としてすぐに立てませんでしたね。
周囲も同様な感じでしたが、自分は何故か「どうだ!これがKalafinaだ!!」と得意満面になっていました^^;
もちろん、帰り道は『Sagitta luminis』を聴き続けましたよ♪
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という訳ですが、これで終わったら私が書く意味ありませんよね?
もう少しひも解いてみましょうか?
『ひかりふる』はラストシーンの「まどか」の事を歌った曲であるというのは皆さんおっしゃっていますね?
原曲『Sagitta luminis』は訳すと「光の矢」です。そして別名「女神まどかのテーマ;まどかのテーマ;救済のテーマ」と言われております。
これをご存じなら考える必要もありませんね?
Wakanaの歌いだし「まどか」が「ほむらちゃん、ごめんね?」と想いつつも「光」となって飛び立つ様子ですね。
普通ならこういう曲はHikaruにスイッチするのですが、何故かKeikoにスイッチしています。
「絶望」を繰り返してきた「ほむら」を歌っているのだと思います。
そして2人の声(想い)が次第に交わり、Hikaruも加わり大きな流れになって行きます。
前回「前段」として書いた事、思い出してみてください。
梶浦さんは当然この作品を知り尽くしています。
そして月日と共に作品がどのように成長して今日を迎え、皆が劇場に足を運んでいるのかを理解して曲作りをされているはずです。
そこで出す新曲ですから、これくらいハッキリとメッセージ性のある曲でなければ伝わりませんし、逆に全てをぶち壊してしまう可能性があるのです。
恐らくファンの方なら私と同じような事を曲から感じたと思います。
更にKalafinaファンとして言わせていただければ、この曲はおそらく「6/4拍子」ですね?
「6/8拍子」がお得意の梶浦さん、しかもKalafinaの曲で「6/4拍子」なんて、『Eden』くらいのものですよね?
ご存じ『Eden』は脱Kalafinaイメージとも言うべく発売された『After Eden』の1曲目。
暗く抽象的なイメージから明るく現実的なイメージに挑戦したアルバムのリード曲です。
この『Eden』の役割と『ひかりふる』の役割、似ていませんか?
あくまでも個人的な意見ですが。。
そしてこの曲『ひかりふる』について私が一番重要に感じている事。
この「希望の光」は、「数々の絶望の上に成り立っている」という事。
そして、まどかがもたらす光は「生」ではなく「死」であるという事。
「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で」
という願い、「魔法少女が魔女となり、誰かを呪いながら生き続け、他の魔法少女に倒されるまで死ねない」という負の連鎖を終わらせるという事。
つまり、苦しんだまま死ぬ前に穢れを取り除き、その場で安らかに死を迎えさせてあげるという事。
まどかの決断は前述しましたが、選択したのはそういう道です。
それを忘れずに聴くと曲の本質が見えてくるかも知れませんよ?
前段が必要だったの、お分かりいただけました?(微笑)