
前回に引き続き「あの花」を掘り下げてみます。
今回は私らしく、楽曲に焦点をあててみました。
「音楽」は作品を演出する大きな役割を果たしていますが、特に主題歌には作品の世界観が凝縮されております。そこをひも解く事により、込められた「想い」を感じてみたいと思います。
今回は主題歌3曲から私が想う事を書き綴っていきます。前回よりも具体的に書きますので、ネタバレを気にされる方はスルーでお願いします。
あくまでも「私感的暴走」ですが、作品の魅力などを何か感じていただけたら幸いです(^^;
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『secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.)』
本間芽衣子 (茅野愛衣), 安城鳴子 (戸松遥), 鶴見知利子 (早見沙織)
「あの花」といえばこの曲!
聴いただけで反射的に涙が出てきてしまうような存在ですね。TV版ED曲ですが、劇場版でも大変効果的に使用され、しかも曲に合わせた映像編集。(あて作曲と同じ効果ですね)
あの使い方は反則でしょ!
そしてこのジャケ画、何度見てもこれだけで泣けてしまう大好きな画です。。
「夏の夕暮れ(終わり)」 = 「切ない」
この公式は日本人ならおそらく誰もが心に持っている感覚だと思います。
楽しくも切ない想い出を振り返り、暮れゆく夏を見送っているように見える「あなる」と「つるこ」。「めんま」という風が吹き抜けた夏と自分の心に向き合っているようですね。虹は流した涙の痕なのかな?
「夕暮れ」は1日の終わり。新たな1日を始める為の終わり。新たな人生へ向けて「めんま」が飛び立とうとしているようにも見えます。もしこの構図が「めんまが向こう側に居たら」2人が単純に見送っているようになってしまいますが、こうする事で2人の元へ再び駆けつけて行きたい想いを感じる事ができます。

このED映像は前半モノクロで落ちてくる花びらがサビ以降色付き、逆転し上昇して行きます。本当に特徴的でこの作品の象徴とも言える綺麗な場面ですが、彼女達の心の移り変わりが表れたものだと思って観ています。
逆転した瞬間、本当に心が高揚する感覚を覚えます。
ヒロイン3人が歌うこの曲ですが、この作品の為に作られた曲ではなく、かつて「ZONE」が歌って話題になった曲のカバーです。「秘密基地」「花火」「手紙」「再会」「別れ」等々、曲のイメージが作品内容にピッタリなので起用されたのだと思います。
『secret base~君がくれたもの~(10 years after ver.)』の歌詞はこちら
しかし、それだけでしょうか?
私は「詞」よりも「音」から入るタイプなのですが、何度聴いても心に入り込んでくる感覚がします。
この曲の音階は「F# メジャー」という、楽譜に「#」が6個も書いてあるような非常に難解な曲です。いわゆる「嬰ヘ長調」です。聴いていてかなりの違和感を覚えるのですが、逆にハマると大変心地よく「未来予想図II」「どんなときも。」「ここにしか咲かない花」のようにいつまでも心に残る名曲が多いのも特徴です。
ピアノで弾くとほとんど黒鍵しか叩きませんw
そして、そんなタイプの曲って普段から「某K浦サウンド」で結構聴き慣れていたりしますww
しかも編曲されたのは私にも大変なじみ深い「とく」氏です。私の心にこの曲が引っ掛かった理由のひとつかも知れません。
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『青い栞』 Galileo Galilei
TV版OP曲です。当時は良い曲と思いながら買おうとまでは思いませんでした。実は最近になってようやく初めて「フル」で聴いたのですが、今の自分が聴くと曲に込められた様々な想いが次々と押し寄せてきたのです。。それこそが前回書いた事なのです。
『青い栞』の歌詞はこちら
それこそ「青い栞」って何だ?と根本的な疑問を持ちつつ追及しなかった自分が情けない。。
そして自分が今までとんでもない勘違いをしていた事に気付く・・・・・
その答えこそがここにあったのです!


最初にこのめんまに会った時は朗読劇「めんまへの手紙」を観る前だったのであまり意識していませんでしたが、この「足元に咲いている花」つまり「勿忘草(わすれなぐさ)」だったのですね。これはファンには常識なハナシだったようで。。。
いや、それこそ勘違いというのは「あの花」のイメージである「花のマーク」はずっと「芝桜」だと思っていた事です。鮮やかな色合いからして秩父名物の芝桜以外には考えられなかった。ところが花の形が桜っぽくなかったので気にはなっていたのですよね。。
これが判明した途端に全てが解決したような気になりました。ホント、今更・・・
止まってしまっためんまとの時間の象徴「勿忘草の押し花の栞」。
「勿忘草」の語源を調べると、中世ドイツの悲恋伝説で、主人公の騎士がドナウ川の岸辺に咲くこの花を恋人のために摘もうと岸を降り、誤って川の流れに飲まれてしまい、最後の力を尽くして花を岸に投げ「僕を忘れないで」という言葉を残して死んだというもの。
花言葉はそこから来ていて「真実の愛」「私を忘れないで下さい」と、まさしく「あの花」ですよね。
そしてこれも意識していなかった「ミサンガ」もちゃんと歌われていましたね。。
「くちびるで結んだミサンガ」とは、じんたんママと口で結んだ約束の事ですね。そして「いつのまにか切れたミサンガ」とは既に約束は叶っていたという・・・
やはり曲はフルで聴かなければ本質が解りませんね。あの頃はそこまで考えていなかった。。
実はこの曲、TV版で省略されている部分に「ネタバレ」になる歌詞が多く含まれているのです。だから途中を飛ばしていたのですね。
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『サークルゲーム』 Galileo Galilei
『サークルゲーム』の歌詞はこちら
劇場版主題歌、そしてスペシャルOA版OP曲である『サークルゲーム』です。
実は前述の2曲、そして前回のブログ、全てはこの曲を書きたい為の準備だったと言っても過言ではありません。
初めて聴いたのは、もちろんノイタミナで放送中の「スペシャルOA」です。
まさかの新曲、新規映像、しかも劇場版主題歌を使用するというのは何故なのだろう?そう思いつつ聴いた「サークルゲーム」ですが、
何だか何処かで聴いたような?
OAが始まった頃から劇場版の予習活動が始まったので、最初はそんな感じでした。。ところが、前述のように次々と掘り起こされる真実。
OP映像は過去の映像に劇場版を含めて新たに書き起こされたものが使用されています。
最初は単なる新旧の違いかと思っていた彼らの表情ですが、新規のほうは皆「温かい笑顔」で居ることに気付きました。それは恐らくめんまが居なくなってから1年の間に自分の気持ちに整理が付き、前を向いて動き始めたという笑顔に見えました。
そういう観方をすると、この「スペシャルOA」が単なる再放送として懐かしんで観るのではなく、既に結末を知っている方にも新たな発見をしてもらおうという意図があるのではないかと思うのです。
そしてなんと、めんまのマグカップがあるではありませんか!
しかもこの配置、6人の関係性を絶妙に表しております。。
こういう演出もさすがですよねぇ。。
さて、そうなるとこの曲の意味するものが気になります。
「サークルゲーム」って?
恐らく「超平和バスターズ」の事を言ってるのだろうとは想像できます。単なる「クラブ活動」的な意味の他にも何かあると思うのですが、「いちご白書」と結び付けるのはちと強引ですね。。
私の中では、「輪廻転生」の意味もあると結論付けました。
歌詞に至ってはもうイントロだけでこの作品の全容を説明しちゃってますよw
しかも、イキナリ「忘れな草」って言ってるじゃん!何で気付かなかったのだろう。。。
「忘れな草が咲く初夏になると、あの子のことを思い出す。」という事なんですね。
これもまたフルで聴くとよく分かるのですが、全編にわたって作品と結び付けて説明出来てしまいます。さすがに劇場版主題歌といったところでしょうか。
私が特に注目したのはサビの後です。2番はAメロが無く、同じようなフレーズが3回繰り返され、サビに繋がります。
歌詞をよく読んでみて下さい。
「ゆきあつ」「じんたん」「ぽっぽ」それぞれの心情が歌われているように感じませんか?
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では、その辺を踏まえて更に核心に迫ります。
初めてこの曲を聴いた時に感じた「どこかで聴いたような?」という感じはいったい?
『青い栞』を焼き直したと思えばそれまでなのですが、映像を観るとTV版のOP、EDを合わせ持ったような演出がされております。

特に印象的なサビの場面。
「♪曖昧なことも単純なこともみんな色付いていく」
めんまが「忘れな草」に息を吹きかけると、色とりどりの花が咲き乱れるというもの。これはTV版ED映像と同じ、いやそれ以上に意味深いもので観た瞬間に心を打たれて涙が出ました。
まぁ、新規映像と言っても同じ作品なのだから限界があるでしょうが、よく出来た映像です。
しかし・・・どうもまだ何か・・・・・?
ずっと気になっていた「どこかで聴いたような?」とは、やはり「曲」そのものです。
どうしても気になったので、「iPhoneアプリ」で実際に弾いてみました。
耳コピなので自信は無いのですが、驚くべきことが判明!
『secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.)』と同じ「F#メジャー」じゃないの??
それが真実だとすると、今までの「仮定」が全て繋がります。
ヒロイン3人が歌う『secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.)』
それに対し、男性3人視点の『サークルゲーム』
・・・・・如何でしょう?
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という訳で好き勝手な事を書いてきましたが、あくまでも私感によるものです。是非皆様ご自身でそれぞれの楽曲をフルで聴いてみてください。あらためて聴くと様々な発見がありますし、作品を観る角度もまた広がって行きます。

もちろん、劇伴もまた素晴らしい曲ばかりです。
この劇場版サントラは作中の順番に収録されています。私は更に『secret base ~君がくれたもの~ (10 years after Ver.)』『サークルゲーム』をあるべき場所に入れて聴いております。
ここまで飽きれもせずにお付き合い頂いた方、もしいらっしゃいましたら感謝いたします。
有難うございました。
さて、これでようやく次に進めます。その前にパンフレットとガイドブックを熟読しなきゃ。。
実は余計な知識を入れて私感がブレるのを避けたかったので、買ったまま読んでいないのです(^^;
それではまた。