
2015年3月1日(日)
fhána 1stアルバム発売記念ライブ
「Outside of Melancholy ~ 憂鬱の向こう側 ~」
この日は自分にとって一番大切なライブに行くはずでチケットも入手済みだったのですが、そちらを蹴ってまで何故こちらを選択したのか、実際に行くまで自分でも理解出来ない部分があったのですが、終わってみたらなるほど納得。
という訳で、その辺の想いを書いてみたいと思います。
私をご存じの方には是非お読みいただきたい内容です。長文ですがよろしければお付き合い下さいませ。
私がfhánaを知ったのはデビュー曲、P.A.作品「有頂天家族」のED曲『ケセラセラ』です。P.A.作品だから観ていたというのもありますが、その時は「何だか懐かしくもあり、心地よいサウンドだな?」というくらいにしか思っていませんでした。
その後立て続けにタイアップ曲を発表し、次第にその音楽性に惹かれて行きました。towanaちゃんの魅力的なヴォーカルは私好みの地声で音域が広いものであり、独特なコード進行、意外なところでの変調や変拍子などがツボにハマり、気になっていた所での「
深窓音楽演奏会」でした。
実際に見たtowanaちゃんがかもしだす可愛らしさは映像のそれとは全くの別次元でした。kevinのサンプラーも面白く、そこで初披露された『星屑のインターリュード』の魅力に惹かれるがまま「天体のメソッド」の世界観にハマり、タワレコでのインストア・ライブに行って更に魅力を確認し・・・・・
12月に発売されたfhánaによる「天体のメソッド」イメージアルバムや配信限定ミニアルバムも秀逸な作品でしたので当然ファースト・フルアルバムも購入。
70分を超える魅惑の曲たちに加え、全シングルのMV、深窓音楽演奏会の映像付きという超豪華特典なのにお安いのは最近のランティスさんの強気なところ。
さて、問題はここからです。
「1stアルバム発売記念ライブ」と聞いて申し込んだは良いものの、Kalafina武道館2daysの2日目と被っています。。しかもチケット入手済み。
プロフィールにも書いてありますが、私にとってやはりKalafinaは特別な存在であり、5年間応援してきてようやく辿り着いた武道館。行かない選択肢なんてあるわけない。
ところが、1日目は絶対に外せない仕事が決まっています。
では、せめて2日目だけでも・・・・・というのが普通でしょうね。
しかし、コンセプトが違う2日共に行く事に意味があるし、中途半端に2日目だけ行っても本当の楽しさを感じることは出来ないであろう。むしろ逆に1日目に行かれなかった悔しさがこみ上げてくるはず。
だったら・・・・・行かないほうが良い!
好きだからこそ・・・・・そういう事です。
ですが、勘違いして欲しくないのは、「だからfhánaを選択した」ではないのです。
Kalafinaは何度も見てきました。武道館は特別とは言え、リスアニ!LIVEでも見ましたし、ある程度の想像は出来ます。
この先も応援しますし、武道館は「単なる通過点」です。
ところが、「ファーストライブ」というのは一度しかないのです。ここから始まり、ここでライブのスタイルが形作られます。どこまで大きくなってくれるか分かりませんし、武道館まで辿り着かないかも知れません。
それでも緊張感が漂う貴重な瞬間に立ち会う事を選択しました。こちらの気持ちのほうが上回った結果なのです。
----------

会場は「渋谷 duo MUSIC EXCHANGE」
何処?と一瞬考えましたが、O-EASTの1Fでしたw
狭くて太い柱のある、ライブハウスらしい箱。
荷物をビニール袋に入れてクロークに預け、扉を開けるとそのまますぐに会場内でした。でも2F席はちゃんとあるんですね。ZAQとか来ていたそうで。
ここはfhánaが初めてライブを行った場所らしいです。5月からのツアーもここから始まります。
とりあえずど真ん中確保。それでも狭いからかなり近い。
実は今回の目的のひとつ、色々な音担当のkevinがどうやってサンプラーを使って音を出しているのか見たかったのですが、ちょうどtowanaちゃんとkevinの中間地点に立ちました。
いよいよファナメン登場!深窓の時は落ち着いて聴けたのですがとんでもない。。
イントロが始まると同時に一気に後ろから押され、かわそうと身をよじっていたらあれよあれよと前方に・・・・・
気づいたら・・・・・towanaちゃんが目の前に居ましたwww
その距離、最接近で1mほど!足元まで見えますし、飲んでいるミッフィーの水筒まで確認出来る近さ!しかも横にkevinですから手元がハッキリ見えます。
体勢はキツイですが、これはかなりのラッキーです♪
【セットリスト】
01_tiny lamp 『ぎんぎつね』OP曲
02_ソライロピクチャー 『星屑のインターリュード』c/w
03_lyrical sentence 小説『惜日のアリス』イメージソング
04_Paradise Chronicle
05_ケセラセラ 『有頂天家族』ED曲
06_スウィンギングシティ
07_いつかの、いくつかのきみとのせかい 『僕らはみんな河合荘』OP曲
08_街は奏でる 『View from New World Line』より
09_kevin ソロ
----------
10_“序”と“終”
11_ホシノカケラ 『天体のメソッド』#7特別ED曲
12_雪、無音、窓辺にて。 「長門有希」キャラクターソング(カバー)
13_Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~
14_divine intervention 『ウィッチクラフトワークス』OP曲
15_星屑のインターリュード 『天体のメソッド』ED曲
16_white light
--- アンコール ---
17_光舞う冬の日に 『View from New World Line』より
18_kotonoha breakdown 『View from New World Line』より
こんな感じで『Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~』収録曲メインですが、c/w曲で唯一収録されなかった『ソライロピクチャー』が嬉しかったですね。
配信限定アルバムからも3曲、更に期待した『ホシノカケラ』もあって大満足の内容でした。
中盤の『街は奏でる』
このアウトロでファナメン退場、kevinが残ってそのままアウトロから続くソロコーナーでした。一度やってみたかったとの事ですが、その時は目の前に居たので手元バッチリ!なるほど、DJとまた違った感じですが機械操作でこんなに色々な音をだしていたのかと見入ってしまいました。
ライブではベース、ドラムがサポートメンバーとして入りますが、通常はkevinが全て鳴らしています。この構成もfhánaサウンドの魅力。
その後退場して衣装チェンジ。場内に濃い霧が立ち込めると当然次の曲には期待してしまいます。
会場はまるで「霧弥湖」のよう・・・・・
すると、ここで“序”と“終”のナレーションが入ります。声はもちろん茅原実里さん。
上のティザー動画にもありますが、“序”と“終”はアルバムのブックレット最初と最後に掲載されているもので“序”はリーダーの佐藤純一さん、“終”はfhána全ての楽曲を作詞されている林英樹さんによるテキストです。
fhánaの結成についてはご存じの方もいらっしゃると思いますが、元々別々に音楽活動をしていた佐藤純一さん、yuxuki wagaさん、kevin mitsunagaさんがとあるキッカケ『CLANNAD』で意気投合し、始めたグループです。
曲作りはそれぞれがされ、初めはゲストヴォーカル制(マルチエンディング)でしたがtowanaちゃんの歌唱力に惹かれて正式に採用(トゥルーエンディング)したものです。
ちなみに今回の新作マフラータオルのコンセプトはfhánaが扉の向こう(憂鬱の向こう)へ向かって行く「トゥルールート」だそうです。
作詞は縁あって『STEINS;GATE』を手掛けた林直孝さんの実弟、林英樹さんに書いてもらった詞の世界観がマッチしたので全てお願いするようになりました。
全ては「縁」がもたらしたもの。
それぞれの人生というのは生まれた時から常に選択肢を選び続けてきたはずです。ゲームのように自分で自由に選択肢が選べなかったかも知れません。他人に選択させられたのかも知れません。やり直しもききませんし、選択した結果には責任が付いてきます。
ネット社会になり、選択肢も多様化した世界の中で人は迷い、「憂鬱」を抱えて生きているのだと思います。
幾千回ものループを繰り返し、その度に成功も失敗もしてきた結果、辿り着いた「向こう側」が「今」なのです。
そんな奇跡的な確立で出会った「縁」を大切にし、活動しているのが「fhána」なのです。
“序”からアルバム1曲目のリード曲『Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~』は繋がっています。そして最後の曲『white light』は『Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~』にループする作りになっています。続けて聴くとよく分かります。
-----
さて、最初に書きました「是非お読みください」と言った理由、お分かりになりましたでしょうか。
これは私自身が大切にしている「縁」と全く同じ考え方なのです。
今こんな事を書いているのも、ダベったりライブにご一緒したり、みんカラでお付き合いいただいて下さる皆様との出会いも全てが「選択肢」の結果なのです。
もしも「インプレッサ」を選択していなかったら?
もしも「あのスカルマーク」を気にしなかったら?
絶対に今「A-Class」には乗っていないし、ライブ三昧にはならなかったはず?
いや、それも可能性でしかありませんし、何より自分が選択した結果です。
もしかしたら何をしても同じ「運命」という結果だったかも知れません。
もっと楽な生活出来た「かも」知れないとか、考えても何も変わりません。
自分の決断に責任を持ち、「今」を精一杯楽しみ、生きる事が大切。
そんな「fhána」に巡り合い、好きになったのも偶然ではなく必然だったのかも知れません。
P.A.作品「Angel Beats!」を生んだkey作品である「CLANNAD」の世界観が「fhána」の音楽の根幹にあるようです。「天体のメソッド」はまさしくその流れで惹かれたのだと思います。
P.A.作品でデビューした事、そしてランティスという繋がりで「深窓音楽会」に参加された事、私がnano.RIPEのワンマンではなく「深窓」を選択した事、これもまた私にとって「縁」なのですね。
-----
話は戻りますが、前半は全員グレー基調の衣装でしたが、ここでアルバムジャケットの衣装に着替えました。
いわく、前半のグレーが「憂鬱」、後半が「向こう側」のイメージだそうです。
ここでやはり来ました「ホシノカケラ」。
乃々香やノエルが口ずさんでいたあの曲。
まさかこういう形で特殊エンディングになるとは思わず、息するのも忘れて聴き入ってしまい、涙したのを覚えています。
次はもちろん・・・と思ったらまさかの!
そっちですかっ!
そう、実は佐藤純一さんが「長門有希」推しというのがキッカケで実現したあのナレーションでしたw
という事は?もしかして新曲フラグか?
という発表はありませんでしたね。。。
-----
と、そんなこんなで「縁」を感じて選択したライブでしたが、実はもうひとつ理由がありました。
towanaちゃんです♪
って、別に変な意味じゃなくて・・・
これが「ファースト・ワンマンライブ」という事。
MCでも語っていましたが、もの凄く不安だったでしょう。
自分たちの音楽を聴きに来てくれる人って本当に居るのだろうか?
お客様が数名しか居ない夢を見たそうです。しかも始まったら皆帰ってしまったと。。
1曲目は緊張感ある声でした。表情も固い。。。
でも、皆が盛り上がり、楽しんでいる顔を見ていたら安心して凄くステキな笑顔になりました。声もツヤがあります。
直前にTwitterで「テンポが早いけどコールしてくれるかな?」と自信なさげに呟いていた『スウィンギングシティ』も、「 ♪いーま(いーま)」と皆がコールしたのを見て凄く喜んでいました。
アンコールの『光舞う冬の日に』のヴォーカルは元々IA(ボカロ)で難しい曲ですから初ライブで歌って以降封印していたそうです。
この曲はひたすら変拍子で確かにテンポが取り辛い。
サビの5拍子は「123・12」と指で三角形を描いてから縦に振る動作をしていたのですが、次第に星をえがくようになり、会場の皆も同じようにしていました。
ところが、サビ以外にも間奏で5拍子になるところがあります。towanaちゃんはテンポを崩さないように集中していたのか、手は動かさず口元が小さく「12345」と動いていました。恐らく近くに居た人しか気付かなかったでしょう。
その時、私を含め会場の一部が星をえがいたのにハッと気付いた彼女は驚きつつものすごく嬉しそうな表情をしました。
こういうのがファーストライブの醍醐味でもあります。
チケットが売れていても、フォローされていても、やはり現実として受け止めるまでは不安しか無いでしょう。
そんなひとつひとつを乗り越えて目の前で成長して行く姿をtowanaちゃんの息遣いや熱を感じるほどの至近距離で見られたのですから、この選択肢は大正解でした。
今ならば、何故「星屑のインターリュード」に惹かれ、繰り返し聴いていたのか理解できます。
終演後はKalafina組と合流して楽しく語り合いました。
どちらも素晴らしく、比べる事自体がオカシな話です。
この2組が被ったのも何かの縁なのでしょう。
現代の飽和したアニソンに嫌気を感じ始めた方、一度fhánaを聴いてみてください。
もちろん、選択するのは皆さんですが。