
2015年7月19日(日)
梶浦由記/FictionJunction
Yuki Kajiura LIVE vol.#12“オーチャード Special”
渋谷東急文化村、オーチャードホールにて開催されました。私にとっては念願の場所です。
2013年、ここで行われたKalafinaのクリスマスライブ。行かれたはずなのに理不尽な仕事のせいで断念。本当に素晴らしかっただけに未だに悔やまれます。。。
オーチャードホールは本来ライブ向きというよりはクラシックコンサートを中心としてオペラ、バレエにも対応したホールです。つまり、横ではなく縦に広がりのあるバルコニー席があるホールです。
もちろん壁や天井の構造含めて音響が十分に計算されており、スピーカーで広い範囲に音を飛ばすのではなく直接音や声が届くように配慮されております。設備そのものは綺麗で重厚で素晴らしいものです。
ここで聴くKalafina・・・・・その想いは今年も諦めていませんが、まさか梶浦ライブで来られるとは思ってもいませんでした。オペラはある意味梶浦さんの原点。ここでやる、ここでしか出来ない何かを期待してしまいます。
「vol.#12」は“7days Special”ということで、「日本語オンリーSpecial」「日本語封印Special」「Sound Track Special」からなるツアーですが、“オーチャード Special”は「vol.#9」の「
渋公Special」同様、その集大成となる2daysです。
つまり梶浦ライブの通常営業?と考えがちですが、私の場合ポイントは「サントラ」です。「Sound Track Special」だけでも行きたいと思っていたくらい、通常営業ではあまり聴けませんし、特にここ数年の曲は聴きたいものばかり。「集大成」ですから当然「サントラ」の割合が増える訳です。
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梶浦さんの物販は相変わらずクウォリティーが高く、購入して損した事はありません。特にしっかりと製本されたパンフレットの内容はとっても濃厚です。
各公演毎に違うバラエティーある豊富なラインナップですが、私が参戦出来たのは最終日のみ。全公演のものが購入出来たのですが私は「オーチャードspl.」を選択。
ここで前日から参戦しているおーでぃーえいさんと合流しました。遠距離なのにいつもの熱意に脱帽です。今年既に何度お会いしていることやら(^^;
お土産(ネタ)に加賀名物「娘娘万頭」をいただいたのですが、これが数時間後にあんな運命を辿るとは・・・この時の我々には知る由も無かったのでした。。。w
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いつもライブなどに行く際には報告書として何を書こうか、皆さんに何をお伝えしようか悩みます。基本的には行きたくても行かれなかった方に対して書く訳ですが、出来るだけ自分自身が感じた事を書いているつもりです。
結果的に濃厚な内容になってしまうのですが、ただ遊びにいっている訳では無いので当然です。お陰様でファン登録してくださっている方、いつもアシアトを付けてくださる方がいらっしゃいますし、私のブログを読んで興味を持って巻き込まれる(爆)方もいらっしゃるので書き続けております。
さて、今回は何を書こうか?と事前に考えていたのですが、ライブに対する原点的な事を書こうと思います。そう思ったキッカケが6月に発売されたこれです。
FictionJunction 2010-2013 The BEST of Yuki Kajiura LIVE 2

梶浦ライブの「vol.#6」から「vol.#10“Kaji Fes.2013”」までの中から厳選されたライブ音源を収録した3枚組、2枚目(内容的には合計5枚目)のライブアルバムです。
私はちょうど「Disk2」の頭、「vol.#7“FICTION”」から参戦しました。運命的に参戦したその時の経緯は以前書きましたが、冒頭の『lotus』で一気に引き込まれました。
梶浦さんのソロアルバム「FICTIONⅡ」に収録されている曲ですが、数ある梶浦サウンドの中でも希少なノンタイアップ曲です。つまり、何の制約も受けず好き勝手に作った梶浦さんいわく「趣味曲」のひとつです。ヴォーカルは戸丸華江さんです。
「vol.#7」当時、本当に何も解らずに飛び込んだ梶浦ライブでした。オーヴァーチュアから曲に入った時までは緊張していてとにかく聴き入っていましたが、強様のドラムから今野さんのストリングスに入った瞬間、全身に鳥肌が立ったのを今でも思い出します。
ライブでは原曲がアレンジされます。せっかく舞台上の奏者が奏でる訳ですから、ここでしか奏でられない音楽として生まれ変わります。「vol.#7」、ワンコーラス目は演奏のみでしたが、皆さんの全身から溢れるパワー、演奏する楽しさが音と共に心の中に響き、私を震わせたのでしょう。そして歌姫が登場。当時はゲスト・ヴォーカルが居ませんでしたからWAKANAちゃんが歌いました。
CDを聴いただけでは「梶浦語(造語)」が何故存在するのか解りませんでしたが、ここでようやく理解出来ました。
梶浦さんを支えるバンドはFBM(フロント・バンド・メンバーズ)と呼ばれます。バックバンドではなく、信頼し、一緒に楽曲を作り上げ、皆で奏でる大切な仲間である事は未だに毎回ライブで紹介されています。
対して歌姫は、「FictionJunction」としてヴォーカル曲を歌う以外はほぼコーラスとして楽曲に参加しております。この時に歌う「梶浦語」は音楽の一部であり、「楽器ではなく人でしか奏でられない音」として私は捉えております。ですから意味など無く、響きの良い歌詞が奏でられているのです。
同じFBMのメンバーが演奏しても、Kalafinaの場合は3人が主役ですので、FBMとは呼ばないのです。(だと思いますw)
「vol.#7」の1曲目、『lotus』は私に梶浦サウンドの醍醐味、真髄を教えてくれました。そして梶浦さんの生きがいである「梶浦ライブ」の楽しさを教えてくれた、大切な曲なのです。そしてライブアルバムは、当時の想いを思い出させてくれる大切な役割を果たしてくれるのです。
これは梶浦さんもおっしゃっていましたね。ライブというのはお客様の誰かひとりが欠けても違った音になってしまいます。その時にしか奏でられなかった「音」を保存しておきたいからライブアルバムを出すのだと。もちろんファンへの感謝を込めて・・・
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今回の「vol.#12」では「日本語封印Special」「Sound Track Special」がありますので様々なゲストが参加してくださいました。
フルートの赤城りえさんはフル参加。今回はFBM扱いですw
ヴォーカルでは笠原由里さん、伊東えりさん、戸丸華江さん、Remiさんの4名。「オーチャード」では18日が伊東さん、19日が笠原さんでしたので、笠原さん参加の『
Point Zero』が聴けました。
そりゃもう・・・#1で使われた曲なのにいきなり聖杯出ちゃったよくらいの凄まじい迫力www
ゲストミュージシャンでは今野ストリングスが音に厚みを与えてくれた他、アコーディオンの佐藤芳明さん、パーカッションの中島オバヲさん、そして梶浦さんが拘ったイーリアン・パイプスの中原直生さん。
ですから「花子とアン」の
こういう曲も生で聴けたのです♪
もちろん『lotus』も戸丸さんが歌いました。「ソードアート・オンライン M15」はめでたく『moon and shadow』というタイトルが与えられましたw
カバー曲もありましたが、私の場合やはり『水の証』は田中理恵さんがいいなぁ。。
理由は簡単。カバーはカバーだからです。
「
本当は誰が歌い、何の為に作られたのか」それを想えばこそです。
曲数が多いのでMCは音楽に関する事のみ。と言いつつアツくなってしまう梶浦さんなのですが、それもまた梶浦ライブの醍醐味。
聴きたい曲ばかりが盛りだくさんの内容で大変満足させていただきました。
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最後に感想ですが、今回のライブを一言で表すと・・・
「生楽器萌えと一音の破壊力」
それに尽きると思います。
実は1曲目で既にこの言葉が思い浮かんでおり、今回のブログに書こうと思っていたのですが、偶然にも梶浦さんが同様な事をおっしゃったのです。
これだけの大所帯になってしまいましたが、間違いなくこのメンバーでしか奏でられない音楽でした。特にイーリアン・パイプスは国内の奏者が貴重らしく、ずっと探していらしたそうです。ようやく今回実現しました。
梶浦さんは作曲時に打ち込みでされた後、レコーディング時に生演奏を聴くと「音数が多すぎる」と反省し、修正することがあるそうです。
音楽に厚みや深みを出すには音数を多くすれば簡単ですが、生楽器(もちろん生歌も)には奏者の心が込められ、その音は生きております。料理と同じで、調味料の泥沼にハマると素材の味を殺してしまうのです。
ですから素材を活かしたライブが大好きです。その一音、一音には魂が込められ、爆発的な破壊力を生みます。
某ノイタミナ作品ではありませんが、一曲目、一音を奏でた途端、私の目の前がカラフルに色付いたのです。
そんな素晴らしい世界に私を連れてきてくれた梶浦由記さんに、素直に「ありがとう」と言いたい。そんな素敵なライブでした。
本当に行って良かった。行かれて良かった。
次回は3月・・・・・本当に価値観を共有する方々と共に・・・
行けるかな? 行けたらいいな?
もはやなんのこっちゃwww