
Ark Performance原作による「蒼き鋼のアルペジオ」
サンジゲンによるフル3DCGにより原作とは違う解釈である「-ARS NOVA-」としてアニメ化され2013年10月より放映されてから2年。
「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -ARS NOVA- DC」を経ていよいよ10月3日、物語はひとつの終演を迎えます。
「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -ARS NOVA- Cadenza」
そもそも「アルペジオ」とは音楽用語で「和音を低音から1音ずつ奏でる」もの。この解釈は原作が進行中なので推測でしかありませんが、「1音ずつ」というのがポイントなのだと思います。
この完成された「和音」をアニメ化するにあたり、「アルス・ノヴァ」というサブタイトルが与えられました。これは原作とは別ルートとも言えますが、あまりご存じない方には全くの別作品と捉えたほうが理解し易いのかも知れません。
「アルス・ノヴァ」とは「新技法」という意味です。「和声(ハーモニー)・旋律(メロディ)・律動(リズム)」という音楽の三要素のうちメロディ、リズムを重視すると同じ曲なのに別の曲に聴こえるというもの。
明らかに原作とはストーリーもキャラの立て方も違いますが、決して原作者の意図から外れて暴走したものではなく筋はしっかり通っていると思います。
これを劇場版としてディレクターズカットしたものに新作パートを加えた「DC」(これだけ何故か音楽用語ではない)に続き、完結編と言われる今回の「Cadenza」は意味合い的には「即興的なソロパート部分」ですから「I-401」を現しているとも言えますが、元々は和音進行の終止形である「カデンツ」から来ています。「アルペジオ」で言えば和音が一巡して元に戻る「ド→ミ→ソ→ド」のような事です。
つまり、「Cadenza」ではいよいよ「霧」の目的やイオナのルーツが語られると思い大変楽しみにしておりました。

2015年9月21日(月)品川ステラボールにおいて最速先行上映が行われ、幸運にも世界で約700名にしか与えられない参加資格を得ることが出来ました。しかも物販で特装版パンフを販売してたのでもちろん入手。
更に20日(日)、21日(月)の2daysで行われたTridentの2ndライブ。1日目は外れてしまいましたが、上映会後に行われる2日目に参加することが出来ました。
「ARS NOVA」とは何か、「Trident」とは何か、何故自分はこんなにも夢中になっているのか、今まで追って来てたくさん語ってきましたが、私自身ようやく心の整理が出来る日が来たのです。
そして、納得する結末に達することが出来ました。
もちろん、ここで「Cadenza」について語るつもりはありません。
現在開示されている情報、キービジュアルから想像するしかない訳ですが、3枚の最新アルバムに至る全ての隅々まで目を凝らせば後で絶対に納得することでしょう。
「DC」と分けた必要性、DC部分の編集内容の意味、何故「霧の生徒会」を登場させる必要があったのか、この尺で「ヤマト」に辿り着けるのか、等々・・・「Cadenza」を観終えた今、自分の中ではTV版から続く全てを納得してしまい、清々しい気分です。
TV版終了後のイベント時のファンの反応を見て「作ろう」と思った劇場版ですが、この短期間で3DCG技術も発展し、戦闘場面や人物描画も目に見えて発展しております。特に霧の生徒会「妙高型4姉妹」の活躍ぶりはもの凄く見応えあり、この作品全てに言えますが「キャスティングが絶妙」で本当に素晴らしい作品に仕上がっています。
また何度も大画面で観るんだろうなぁ。とにかく早く良い環境で観たい!
ひとつだけ、私のように楽しみにされていらっしゃる方にアドバイス。
冒頭20分先行放送は観ないほうがよろしいかと。
ネタバレとかそういう意味ではなく、本編を観ればこの意味が解っていただけると思います。何も気にされない方はどうぞ是非先にご覧ください。凄いですよ。
上映終了後、会場内に一瞬の静寂があった後、大きな拍手が沸き起こりました。その後、ライブを控えた渕上舞さん、そして興津和幸さんが登壇。
そしてもうひとり、「アルペジオのイベントでは初めての登壇になります」という言葉で場内騒然!
中原麻衣さんが登壇!
「Wまいちゃん」がこのタイミングで登壇することの意味。この説得力はもの凄かった。。
と、これ以上書く訳にはいきませんので、10月3日公開後、改めて書きます。
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という訳で今回は「Trident」について書かせていただきます。
これまた今まで書いてきましたが、現在主流の「製作委員会方式」で各社がリスクを避けるために1クール作品であってもイベントを開催したり、グッズを販売したり、声優に歌わせたり、円盤に特典付けたりして元を取るという大人の事情は当然あるはずですが、それを感じさせないというか、上回る本気度を感じるのです。
飛犬さんが物販はじめ運営に積極的に絡んでいるのが良いのかも知れません。
さてそんな訳で、「Cadenza」公開にあたり、今回も主題歌を含めたミニアルバムが発売されました。
聴いていて気付いたのはTridentの曲って『Innocent blue』以外基本落ちサビを一人ずつ歌うのですが、そこだけ録音が立体的になっており、3人の立ち位置がハッキリ分かるのですがこれって何だろう?飛犬さんですから音が良く聴きやすいので余計に気になります。
「Cadenza」を観た今、両PVの映像含めたその全てが胸を打ちます。。。
振り付けも複雑になり、2年前ではとても考えられませんでした。
この作品は劇伴含めた音楽も重要な要素であり、EDMを取り入れた楽曲はどれも聴きごたえのある素晴らしい物です。収録されたデュエット曲とBlue Steelsの新曲。どれも今までより遥かに難しく、歌唱力、表現力が要求されますが本当に良く作品を現しており皆の成長ぶりがうかがえるアルバムです。
主題歌『Blue Destiny』の曲調、歌詞から結末を想像していた訳ですが、今までを振り返った部分から運命を巡って辿り着く先とは・・・
前作『Blue Snow』から今回収録された『Blue Rain』は関連性があると思うのは考え過ぎか?メンタルモデルたちの心の成長、雪解け?いや、むしろ暖かみを感じる「雪」よりも悲壮感漂う「冷たい雨」・・・(雨女は関係ないねw)
新たな衣装は劇中に登場するある人物がモチーフとされていますが、イオナの手にあるものは・・・
しかしこのアルバム、「裏ジャケのアー写」が一番のポイントかも知れません。
この3人の表情を見て「あぁ、これがTridentだよ」と感動して涙ぐんでしまいました。これは恐らく彼女達を最初から見て来たから言えるのだと思います。
今回のライブ、奇しくも参加するのは2daysの2日目。 つまり・・・・・
これが「Trident」として最後のワンマンライブになるかも知れない。
そして「Cadenza」を観終えて彼女達がどう見えるだろうか等々、様々な想いを胸に臨みました。

今回のライブは会場がステラボールという事で物販列が周囲に迷惑をかけるかも知れず、生産が間に合うものだけ事前販売されました。相変わらず質感の高いものが多いのですが、Tシャツだけはコスパのコレを着て行きました。
メンタルモデルの誰かを応援するのではなく、作品そのものの根幹がデザインされたお気に入りの1枚です。
ま、推しの赤い方は蒼くなってあーだこーだでアレなもんで(以前書きましたね)素直に赤を買わなかったという理由も。。
ちなみにパンフはライブ直前までインタビューしていたので事前販売に間に合わず、前日(1日目)に現地へ買いに行きました。コレ思った通り素晴らしい内容でした。
しかし今回一番注目のアイテムはコレ。

無線制御ペンライト「KING BLADE
RAVE」です。
通常のペンライトとしても使用できるのですが、今回のようなライブでは無線による自動制御で光が変化します。
そこだけ聞くと「そんなん自分で決めるからいらね!」となるかも知れませんが、「光と音のシンクロによる感動のパフォーマンス」とやらが気になるではありませんか。
物は試しです♪
しかし注意書きにある色・・・驚きましたよ。
「Trident」だけじゃないじゃん!!
これは次のイベントに使えってコトだよね。
てか、青だけで3種類なのねw
実際、制御が始まると自分ではどうにもできません。制御されるがまま振ることに集中できると思ったのですが、逆に
運営側の意図が色に表れていて驚きと感動の繰り返しでした(^^;
パートごとにイメージカラーにチェンジするのは当たり前ですが、実は1色の中で3段階に明るさが変わるのです。静かな場面では暗く、感情が高まると明るくなります。(全開でも単色に比べたら暗いですが)リズムに合わせて明暗を繰り返したりもしました。
更に、色が一気に変わるのではなく徐々に中間色を混ぜて自然と変化させていました。
例えば「赤」→「オレンジ」→「黄色」とか。
ただし、「青」への変化は一度「白」にしていました。そりゃ「コンゴウ様」や「キリシマ(って誰?)」が出て来ちゃいますからねw
デュエットでは2色交互に点灯したり、『Blue Snow』では「青」「白」交互点灯。更に感動したのはタカオ曲の『My Admiral』で「乙女のプラグイン」という歌詞の時だけ「青」になるとか、『変わらない場所』で「蒼き艦隊」全員の色に加えて「ピンク(いおり/静)」も混ざっていたり。こういう演出も面白いですよね。
問題は全て一括でしか制御出来ない事かな。エリア毎に色を変えるとか、こちらでチャンネル切り替える訳ではないので。但し、一度に数色出すのは出来るらしい。もちろん誰が何色になるか分からずランダムになりますが。
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会場のステラボールは横に広くステージが高い為、入場順でかなり条件が変わってしまいます。座席指定の先行上映もそうでしたが、そこそこ前方のほぼ中央を確保。ここならステージも演出もバッチリ見えます。
今回は2段ステージで大きなスクリーンに映し出される映像、光の演出が素晴らしかったです。
2日目のセットリストです。
01_Blue Snow/Trident
02_Purest Blue/Trident
(MC)
03_Lovely Blue/Trident
04_My Admiral/タカオ(沼倉愛美)
05_Words/ハルナ(山村響)
06_蒼きココロで/イオナ(渕上舞)
07_Nothing to fear/ハルナ(山村響)×タカオ(沼倉愛美)
08_Blazing Nova/タカオ(沼倉愛美)×イオナ(渕上舞)
09_Crystal Way/イオナ(渕上舞)×ハルナ(山村響)
(MC)
10_Blue Rain/Trident
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11_アルペジオ/Blue Steels
(MC)
12_変わらない場所/Blue Steels
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13_Blue Destiny/Trident
(MC)
14_Innocent blue/Trident
15_Sentimantal Blue/Trident
(MC)
16_ブルーフィールド/Trident
(アンコール)
EC01_Blue Sky/Trident with Blue Steels
1日目とは若干変えてきました。それだけ曲数も増えたという事。
肝心のパフォーマンスは見るたびに確実にパワーアップしています。
もはや堂々たる風格。歌も最初とは比べものにならないくらいの成長。それは決して「ヘタ」だったのではなく、「自信が付いた」から、「頑張った」から付いてきた結果。
それはMCからも感じる事が出来ます。
まいまいのロングトーンはもはや見せ所。あれは驚きの成長です。
衣装の原案もフォーメーションも基本は3人で考えているとか。前回まいまいの肩に手を当てて気持ちを送っていた『Innocent blue』は成長し、まいまいに背中を預けるスタイルになっていました。これも「Cadenza」効果かな?もちろん、もう泣きません。
3人共、本当に凄いですよ。見ていて声優さんである事など忘れ、メンタルモデルであることも忘れ、それでいて作品の世界観をしっかりと表現しています。そう、単なるキャラソンとは全く意味合いが違うのです。
Blue Steelsの乱入ももはやお約束です。遂にオカマになってしまいましたがw
彼らも本当に凄くなってきましたよ。歌がまた涙ぐんでしまうくらい凄くいいんですよね。盛り上がりだけならTrident姉さんに負けていないかも知れませんよ。本当にワンマンやらないかな?
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さて、「Cadenza」を観た上で「Trident」のライブを堪能し、自分の中で辿り着いた答えがあるのですが、実は皆がそれぞれ言葉にしてくれました。
「Trident」とは何か?
オープニング映像でぬーちゃんが
「絆」と言っていました。
これは既に公表されており、今回のライブでも打ち明けてくれましたが3年前、アルペジオを制作していた頃、皆声優としての壁にぶつかり、悩み、この世界を辞めたいと思っていた時期に作品側の意図で結成されたTridentです。まいまいに至っては頑張る事が嫌いで常に逃げて来た。歌も踊りも嫌いだった。そんな時期でしたから当時「不仲」と噂されてしまったのも仕方ありません。。
しかしお互い頑張っているうちに自信が付き、応援してくれるファンの為に、そして自分の為に前向きに取り組みどんどん成長してきました。彼女達、本当にすごく頑張ってきたのは見れば分かります。結果、どの作品よりも居心地の良い場所となり、自分らしく居られる場所になったのです。
先に書いた「裏ジャケのアー写」を見た時に私が感じた事、それはまさしく
「絆」でした。
そういう話を本人たちの口から聴けたのは嬉しかった。
「蒼き鋼のアルペジオ -ARS NOVA-」という作品の根幹は「心」「絆」だと思っています。原作と違った道を辿って成功したのは、ヘタに「ミリタリー」「美少女」に特化せず、それを絶妙に活かしつつTVアニメとして誰にでも分かりやすい「心の成長」から辿り着く「絆」を描いた結果だと思っています。
兵器でしかない「霧」が敵である「人類」を理解する為、対話する為に形成したメンタルモデル。人間と接することにより冷徹な兵器に「心」が生まれ、戦う事、自分の存在理由に疑問を持ち始める。それは「愛情」「友情」「母性」などの感情に発展。そしてそれぞれの「意思」を持ち、自らの意志で行動して行く。
問題はその「変化」を受け入れられるかどうか・・・これって社会の縮図でもあるんですよね。。
メンタルモデルを演じるTridentの3人が作品と共に歩んできた軌跡って、実はメンタルモデルと同じなんだと思います。今回のライブは彼女達にとって確実に「自分たちのライブ」と自信を持って言えるんじゃないかな。
技法的に「人のぬくもり」を感じない「3DCG」作品に「Trident」という「ぬくもり」が重なり合ってこその作品。
「ARS NOVA」と「Trident」と・・・
どちらが欠けても成り立たないと言うか、どちらも無ければならないのだと思います。
この作品はそういう「デュアルコア」なのだと思います。
最後に重大な告知がありました。
4月3日、幕張メッセイベントホール。
まさかの大きな会場ですが、作品が終わってもまだ続きがありました。
もうここまで来たら行けるところまで応援し続けますよ。
残念ながらこの想い、ライブに来られない方には伝わらないかも知れません。しかし「私がここまで言うのなら」と思ってくださる方がいらっしゃれば是非・・・
そのうち海軍ゆかりの地ライブツアーなんてやると良いですね♪