「奇跡の夜」
後にそう呼ばれたコンサートがありました。
2010年12月22日 日本武道館
2010年12月24日 神戸ポートアイランドホール
マクロスF 超時空スーパーライブ
~Merry Christmas without You~
クリスマス・コンセプトアルバム「Cosmic Cuune」を中心としたコンサートです。
クリスマスといえば私は一番の繁忙期ですので、当然このコンサートには行かれませんでした。
後に伝わって来る内容、反響、そしてこれが「マクロスF」としてのラスト・ライブであるという菅野さんの発言。絶対に行かれなかったとしても、実に悔いが残ります。。
この無念を晴らしてくれるように、BD/DVDが発売されました。
「コズミック娘」
武道館公演を収録。
特典映像にメイキングや神戸でのみ歌われた曲が収録されています。
先日少し触れましたが、改めて感じた事等を再び書かせて頂きます。
重なる内容もありますが、自分にとっては大切な想いなのです。
つまり・・・・・長文ですw
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コンサート当時は「サヨナラノツバサ」公開前、制作も大詰めに向かっておりましたが、キャストに内容は知らされていません。アフレコが行われたのは1月に入ってからで、本番直前に台本が渡されました。
楽曲を担当する菅野よう子さんも実は内容を知りません。
河森監督からの発注は詳細にあるものの、どういう場面で使われるのかは確定事項として伝えられておりません。
通常、曲や歌は半年以上前にレコーディングされ、後から映像を合わせて行きます。
特にTVアニメ等のOP、ED曲は1年前にレコーディングされる事もあり、そこからコンテを制作して行きます。
「マクロスF」のようにライブ場面が充実している場合もそれくらいの時間を要するでしょう。
劇場公開時にド肝を抜かれたあの曲も、そんなに以前から歌っていたと考えると恐ろしい子達ですね。。
こういう背景を知っていると、また違った想いで楽しめるものです。
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さて、「マクロスF」のコンサートといえばまずはコレでしょう。
2008年11月5日に日本武道館で行われた
カンノヨーコpresentsマクロスFギャラクシーツアーFINAL
こんなサービスめったにしないんだからね in ブドーカン☆
この時既に座席倍率23倍!
ツアーがあまりにも評判が良く、急遽追加された武道館公演です。
これも「奇跡のライブ」と呼ばれております。
ご存知の方も多いと思いますが、私が「マクロスF」に興味を持ち、ハマって行ったのは「イツワリノウタヒメ」公開よりずっと後です。
作品にハマり、その大きな理由の1つが「歌」であると気付き、車内でヘビロテするようになり・・・
初めて2人が歌っている姿を観たのがこのDVDでした。
「中島愛さん」は何かのイベント映像で見たことがあったのですが、「May'nさん」は初めてでした。
それこそ・・・
この印象しかなく・・・
歌は上手いけど何者なんだ?と。
カーオーディオを「May'nセッティング」に調整してひたすらヘビロテ。
以降、暫く他の方が聴けなくなってしまいました。。。
May'nさんは既に歌手活動はしていたものの、その名になり、シェリル名義で活動してからは半年。
既に堂々とした風格すら漂っています。
まめぐさんは本当にデビューしてから4ヶ月!緊張感もあってとっても初々しい^^
当然、武道館なんて大舞台で歌うのは初めてですが、活き活きとしております。
ここで歌える喜び、大きな声援の中で歌える喜び、そんな笑顔が一杯のステージでした♪
このステージをプロデュースしたのは菅野よう子さん。
このツアーは2人のお披露目的な要素もありましたので、それぞれの良さが引き立つ演出になっていたと思います。
モチロン、「マクロスF」らしい演出もふんだんで、キャストの皆さんも盛り上げてくれました。
通常のコンサートでは考えられない、「超時空スーパーライブ」を見せ付けてくれました!
特にいきなり驚かされたのはオープニングですね。
VIDEO
こんなコトされたら興奮せざるを得ません!
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あれから2年・・・
劇中同様、2人共経験を積み、かなりの成長を遂げております。
ちなみに私、このコンサートの頃から本格的にMay’nさんを応援し始め、雨も登録し、部員として自覚を持った活動をし始めました。そして以前にお話した理由で3ヵ月後にスタメン部員となった訳です。
今ではライ部にも参戦しておりますし、歌や映像、その他チェックをしておりますので「アーティストMay'n」としてはそれなりに知っているつもりです。
まめぐさんも声優アーティストとして活躍の場を広げており、応援はしております。
そんな2人の原点とも言える作品の集大成!さぁ、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか!?
「クリスマス…突然のフォールドからはじまった"奇跡の夜"」
そんなうたい文句の「コズミック娘」
実際は「突然の菅野さんの暴走から始まった」らしい?(河森氏談)
とりあえずクリスマスだから何かやろう!と、小屋だけ先に押さえてしまったと?
さて、あの伝説のオープニング・・・
今回はどのように始まるのか?楽しみの1つでした。
フロンティア行政府・・・レオン・・・
そういう意味だったのか!?「何処へ~・・・・・」
驚きましたね!(別の意味でw)
このコンサートに参加された方は「サヨナラノツバサ」が我々とは違う目で観えてしまったのかも知れませんね(^o^;)
この時の皆さんは、まさかこの後レオンがあんなコトになるなんて……
この後菅野さん登場で一気にヒートアップ!やはり影の主役は菅野さんなのかな^^;
すごく楽しそうで、これから何かやってやろう感がみなぎっています。
さて2人の歌姫が登場し、今回のリード曲
『Merry Christmas without You』
いよいよ始まりました。
おや?何だか見慣れた感じと違うな?
それが第一印象でした。
最近のそれぞれの活躍は目にしています。
でも何だか違うのです。
違和感というよりは、安心感のようなモノ?
すぐに気付きました。これは「菅野マジック」だと・・・
何度も聴いたはず、観たはずのCD音源、ライブ、映像・・・そのどれとも違う感覚・・・
全てこの日の為、この瞬間の彼女達の実力や可能性に合わせてアレンジされており、それを菅野さんが直接真ん中で引っ張っています!
菅野さんの一挙手一投足で場内の表情が魔法をかけられたように変わって行く・・・歌姫達もその一部なのです。
2人共、母に見守られる安心感の中で生き生きと弾けているように見えました。
ソロライ部も全力で楽しんで歌っていますが、それとも違う、力の抜けた優しさのような笑顔や歌い方に感じました。
ご存知、2人共各キャラクターを歌で演じております。既に不動の地位をひた走るシェリルと、そのシェリルに憧れ、追いかけ、追い付こうとしているランカ。(この時点でのハナシ)
前作からキャラが成長した分、歌い手も同じく成長しているのが分かります。
特に今回の「まめぐ」は全体を通してリードしているように見えました。そういう演出かな?
実に充実した多彩な表情で堂々と歌っています。
以前は実力的に違和感があると感じてしまったデュエット曲も、安心して聴けるようになりましたね。
ランカは「サヨナラノツバサ」で初ライブをやりますし、新曲もあります。(モチロン、この時点では誰も知らない)『虹いろ・クマクマ』にはさすがに場内戸惑ってましたね^^;
突然の知らない歌だし、こんな曲をランカが歌うんだ??という驚き・・・
そしてこんな表情も・・・
CMランカメドレーですが、笑かしてくれました♪
各企業のイメージに合わせ、全力で歌ってますね。。
あの「DX超合金」がこの後悲惨な目に・・・
それにしても、場内がグリーンのサイリウム一色になるのって・・・見慣れない。。
それより驚いたのはMay'n部長ですよ!
どの曲も既に自分のモノにし、自分の歌い方でライ部でも披露していますが、今回は全く違いました。
完全にシェリルなのです!
シェリルらしい歌い方をしているのです!
その場の空気を敏感に感じ、適応した歌い方が出来るMay'n部長。
シェリルならこういう時、どの様な気持ちで、どの様な想いを込めて歌うのか?それは部長が常に意識して演じている部分ですが、「これがそういうコトなのか!」と思い知らされました!!
一番解るのは『ユニバーサル・バニー』ですね!
「白うさぎ」「黒うさぎ」2人を表情や歌い方を瞬時に変えて表現していますが、ここまで過剰に思えるほほどハッキリ変化し、そして思い切り歌っているのって、おそらく「ここだから」なのでしょう。
こういう表現や表情を導き出してくれたのも菅野さんなのですよねぇ。。
2人が「強く生きたい」と叫びあう『ライオン』もスゴイ迫力でしたね!
あれがこの曲の本来の姿だって、思い出させてくれました。
どの曲もこの素晴らしい時と空間によって原曲をはるかに凌ぐ感動を与えてくれました。
それは原曲をレコーディングしてから現在に至るまでの成長ぶりなので当たり前ですよね♪
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さて、歌ばかりが「超時空スーパーライブ」ではありません。
前回は音楽中心の展開でしたが、今回は全域的にストーリー性を持たせており、各所に声優陣が登場します。
「10年後の自分へ」という題材で各キャラクターが未来の自分宛にメッセージを送るのですが、作品本編でもシリーズ構成、脚本を担当されている吉野氏がドラマパートの脚本を担当されているので、公式とも言える素晴らしい内容です。
全て終わった今だからこそ言えるのですが、吉野氏は当然「サヨナラノツバサ」の展開をご存知ですので、このドラマパートの内容もブレが無く仕上げるコトが出来たのだと思います。
今これを観ると本当に切なくなります。。
こういった流れの中で、改めて曲の真意を感じたり、各キャラクターの想いを感じたり・・・
素晴らしいステージを用意して下さった菅野さん、そして表現者である2人の歌姫、更に単なる盛り立て役ではなく、見事に役割を演じて下さった声優陣の皆さん、もちろんスタッフの皆さん、全ての想いが1つになった正に「奇跡の夜」でしたね♪
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この奇跡には続きがあります。
この日の歌の表情があまりにも素晴らしく、すぐにレコーディングが行われました。
まさかのこの時期、「サヨナラノツバサ」で使用する為に数曲追加してしまいました!
そして「ネタバレアルバム」に収録された『ダイアモンド クレバス~thank you, Frontier』
これは神戸公演でのみ歌われた「ダイアモンド クレバス」を後日レコーディングした曲です。
当時はクリスマスの幸せを感じながら歌うコンセプトで、こういうアレンジがされました。
原曲は別れの曲ですが、「さよなら」の部分をMay'n部長の解釈でこの日は「ありがとう」の想いで歌ったのです。それがあの素晴らしい曲になったのです。
当然、その後「~thank you, Frontier」なんてタイトルが付くとは思ってもいません!
そういう直感的に歌えてしまうのって、正しく部長らしいですよね。
本当にこれで終わってしまったのですよね。
2人共、「マクロスF」での経験を大切にしつつ新たな道を進んでおります。
今後の活躍にも期待し、更なる応援を続けたいと思います。
私がこんな想いを抱くキッカケになった作品「マクロスF」
その後、数々の素晴らしい作品やアーティストに出会うキッカケになった作品。
そして、大切な友人達と出会うキッカケになった作品。
本当は別の機会に使おうと思っていた言葉ですが・・・
~thank you, Frontier