Kalafina 5th Anniversary LIVE SELECTION 2009-2012
1月23日 Kalafinaデビュー5周年を記念し、2009~2012年までのライブの中から、選りすぐりの楽曲を収録した初のライブ・アルバムが発売されました。
【初回生産限定盤】¥8,000(税込) (通常盤¥3,900(税込))
(1) 4枚組 (2CD + 特典DVD + 特典Blu-ray)
(2) BOX仕様
(3) スペシャルブックレット(60P)封入
初回生産限定BOXのみ、デビュー曲『oblivious』(初商品化)から最新作『ひかるふる』までの全ビデオクリップを収録した特典DVD/Blu-ray付き。さらに豪華60ページのスペシャルブックレットも封入!
2009年5月19日 Shibuya O-WESTでのクローズドライブから2012年7月16日 NHKホール“to the beginning”までの中から選りすぐりの「全29曲」を収録。
セットリストの赤文字が収録された曲です。デビュー曲『oblivious』~『to the biginning』までのシングル曲他、主だった曲は全て収録されております。ある意味「ベスト盤」とも言えるでしょう。
5th Anniversary VIDEO CLIPS
DVD8曲(~光の旋律)
BD6曲(輝く空の静寂には~)
旧曲もHDリマスター化してBD1枚にして欲しかったのですが、DVDでなければならない場合もあります。
どちらか選択するほど生産数を増やせないと思いますが、これが分かれてしまっているのがこの製品唯一の欠点。
SPECIAL PHOTO BOOK
ライブの写真が年代ごとに順番に掲載されています。
ステージ衣装もKalafinaの魅力のひとつ。
写真から当時の様子を思い浮かべながら曲を聴くのも面白いですね。
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それでは、私が思う「これぞKalafina」という特徴的な曲をご紹介します。
(動画はPCでご覧ください)
2ndアルバム「Red Moon」リード曲『Red Moon』です。
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1stアルバムは「空の境界」の延長線上でした。2ndアルバムでは「シンフォニックでファンタジックなコーラスユニット」というKalafinaの特徴を更に引き出し、「Kalafinaサウンド」が確立しました。
シングル曲で言えば『Lacrimosa』ですが、『Red Moon』も同じような特徴なのであえて「ノン・タイアップ曲」でのご紹介です。
・基本的にWakanaがメインヴォーカルを務めることが多く、上ハモ、コーラスもこなす。
・Wakanaとは全く違う金属的な声質を持つHikaruは曲によってメインになったり、曲中で入れ替わる。コーラスもこなすが基本的に中音域を担当する事で全体的な安定感が出る。
・Keikoは基本的に下ハモ。メロディーラインの基本骨格はKeikoが作っている。重厚な声質を活かしてメインを務めることもある。
これはKalafinaの基本形ですが、梶浦サウンドの特徴とも言える「造語」コーラス、メロディアスな曲ではなくリズムやコードの移り変わりを楽しむ曲、「6/8拍子」であること(爆)等がこの曲で確認できると思います。
「Red Moon」とは月が低い位置にある時に大気の影響で赤く見える事ですが、「不吉なことの前兆」とも言われます。歌詞を見ても「失恋ソング」のようにも取れますし、「恋愛ソング」とも取れます。
「希望と絶望」が隣り合わせであり、ヴォーカルが入れ替わることでそういった表現が出来ると以前に書きましたが、「新たな門出」であるこのアルバム1曲目に入れたからには深い意味があるのでしょう。梶浦サウンドにはそういう魅力(?)がありますよね。
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前回のブログ に続き、第2弾を書かせて頂きます。もちろん長くなりますので、ご興味のある方はお付き合いいただけたら・・・
「ライブ盤」であるということ
さて、5周年記念として「ベスト盤」が出てもおかしくない時期ですし、実際このアルバムは「ベスト盤」と言える内容になっています。
今回はKalafina初の「ライブ盤」として発売された訳ですが、これが意味するものは大変大きなものであります。
ライブやコンサートに行く理由はそれぞれですが、例えば「生歌が聴きたい」「本人に会いたい」「直接応援したい」「価値観を共にする仲間と一緒に盛り上がりたい」「MCが聞きたい」等々・・・
歌を聴きたいだけならCDを聴けば良いですし、何度も録りなおして最高の部分をつなげているのですから最高のものが聴けます。「喉からCD音源」なんて言葉も聞きますが、音程を外さないで歌える方ならライブでもそれなりに聴けますが、実際はそこまでの実力が無い方もいらっしゃいます。
私が思うに、CDをレコーディングした段階でそれは既に「過去の物」です。
人は常に成長します。CDが発売されてからが本当の始まりです。同じ歌も繰り返しているうちに上手になりますし、ファンの反応を直接感じれば変化もします。
私が応援しているアーティストのほとんどはライブでこそ本領を発揮します。その場の空気を感じ、CD音源以上の豊かな表現力で「その日、その時にしか生まれない最高の音」を奏でてくれます。
「ライブ盤」というのはその瞬間を切り取ったものです。言うなれば「一発録り」です。レコーディングやMV撮影で一発録り出来てしまう方も稀に居ますが、単なる「記録」ではなく「製品」として成立するクウォリティーのライブでなければ有り得ません。
参加された方なら「思い出」として購入するのも有りかと思いますが、聴けばその時を思い出します。実際、私も参加したライブの音源を聴くと当時を思い出します。「その時にしか無かった音」があるからです。
やはり人間ですから、気にしなければ気付かない程度の音やテンポのズレは必ずありますし、奏法や歌い方を変えている部分もあります。その時の感情も入りますし、会場やセットリスト順による聴こえ方の違いも発生します。もちろん、お客さんの声も入ります。
このアルバムは1公演の収録ではなく、過去の数公演から選りすぐっています。同じ曲でもどの公演から選ばれたかで表情が違います。そして段々と成長して来た様子も感じ取れます。バンドメンバーも固定ではないので、個性が出ていたりします。
以前、元プロ野球選手の清原和博さんがあるTV番組で自分がホームランを打った時のフォームの映像を観て、何時、何処で、誰から打ったものかを言い当てていました。
勝負に集中している本人にしか分からない当時の状況、微妙な変化があるのでしょう。
「ライブ音源」というのはそれと同じではないでしょうか?
多くの人達、時間、その他を積み重ねてきた結果、その時の状況から生まれた「生の音」
私がこだわるのはそういう「心の通った音」なのです。ボ○ロ系に興味を示さない理由。。
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ところが、Kalafinaにとっての「ライブ盤」とはもっと重要な意味があります。
現代の曲作りは主にPC上で行われることが多いです。数々の音源をソフトを使って曲にしていく。仮歌を入れ、実際にスタジオでレコーディングし、そのデータをMixして仕上げる。
梶浦さんも毎日自宅事務所に籠ってこの作業を繰り返していらっしゃいます。
梶浦サウンドは「音数が多い」ので有名です。いくつもの音を重ねた多重録音をし、曲に深みを出したり装飾をしたり、その数は他の方の比では無いそうです。
もちろん歌やコーラスも同様で、私の知る限りでは最大20人の梶浦さんがコーラスに参加している部分があります。
そのようにして製作された曲をライブでそのまま披露したら、全く薄っぺらい音になってしまいます。
そこでライブ用にアレンジされる訳ですが、元々流動的ユニットでスタートしていますから、現3人で歌う為に当時のCDとは変えなければならない曲もあるのです。
多重録音と言っても主たる音は明確なので、足りない部分をマニピュレーターの大平さんが鳴らしている訳ですが、それがまた違和感なく、歌っていないのにヴォーカルが聴こえるような不自然さはKalafinaにはありません。
もちろん、ライブですからイントロ、アウトロ、間奏の演出なんて楽しみのひとつです。
この曲は1stアルバムに収録されている『音楽』といいます。恐らくライブやイベントで一番歌われてきた曲のひとつで、ここ一番で盛り上がる時に歌います。
これも成長してきた曲であり、歌も演奏もソロでの見せ場があります。
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特に間奏は原曲よりも長く見せ場になっていますが、以前に言いましたように、「楽器」も「声」も同じ「音」を奏でている表現方法であるというのをWakanaが証明してくれていませんか?
Keikoがリードなのもメリハリになっていて良いですね。
そして、これも以前に申し上げましたが、梶浦さんは「overture(序曲)」を大切にされていらっしゃいます。ライブが始まるまで、1曲目が始まるまでのドキドキ感もライブの楽しみです。
このアルバムには3曲の「overture」から始まる曲が収録されています。曲が始まった時の高揚感、「1曲目は何だろう?」という想いが徐々に変化し、1曲目のイントロへつながる瞬間の興奮、これぞ「ライブ感」ですね。
3rdアルバムリード曲『Eden』です。
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このアルバムはこれまでのライブ活動を通して成長してきたKalafinaが新たな境地へ踏み出した曲が詰まっています。生バンドによるレコーディングという時点で既に違いますよね?
そして現実的な歌詞。曲調。どれも新鮮なアルバムでした。
まさしくそれを表現するような「overture」だと思います。しかも『Eden』は「6/4拍子」でしかも明るいという、今までのKalafinaには有り得ない曲ですから・・・w
初期の『sprinter』にもありましたが、3人が次々に押し寄せるように重なり合っていく部分は圧倒されます。そして最後にKeikoがキッチリ締める。これがまた効果的で良い。
ちなみに『sprinter』のアコースティックver.なんて収録されてますが、本来似合わない曲なのに見事にアレンジされてます♪
不思議なコトに、このアルバムを聴いたあとに原曲を聴くと、何だか物足りない。。どちらも別の魅力ですけどね(^^;;
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デビューから5年間の記録が詰まった素晴らしいアルバムです。
Kalafinaをあまりご存じない方にもオススメしたい製品です。とは言え高価ですので「通常盤」もしくはレンタルでも良いのでこの機会に是非お試しいただけたらと思います。
そして、Kalafinaの5年間の歴史を収めたフォトブック
「Kalafina History 5th」(\4,800(税込)) も同時発売されました。
★デビューから現在までの撮り下ろし&LIVE写真など未公開写真を大量公開
★オールカラー236ページ
★ロングインタビューやバイオグラフィー・オールセットリスト等も完全掲載!
★海外LIVEでのオフショット写真も満載
という内容ですが、保存版としてふさわしいものに仕上がっています
私はFJCにて購入したので特典付き(右)になります。
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節目ということで長い内容になりましたが、Kalafinaというアーティストに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
そして、これらの内容を踏まえていよいよ次回はライブレポートを書かせて頂きます。
実は今回触れていない「Kalafina最大の魅力」についてはそちらに書きます。
また3部作になってしまいますが、お付き合い頂けたらと思います。